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生き延びるためのお菓子を伝える

飲食の世界に足を踏み入れようと決意したとき
じつをいうと、初めはふつうの料理、
主食や副菜などを含めた
いわゆる「食事」を仕事にしていきたいと
漠然とだけどそう考えていました

わたしはお菓子作りでセルフケアを行っていく
クッキーセラピーで人生をやり直すことができて
今はその経験を活かした活動と事業を始められたけど

当時はクッキーセラピーが仕事になるなんて
正直、まったく思わなかったし

元々はバリバリのキャリアウーマンを
目指していたわたしとしては

自分で新しい仕事を立ち上げるなんて発想はなくて
既存の職業、今あるどこかの会社に身を置いて
雇われた先で最高の活躍を目指す以外の選択肢は
そもそも頭の中になかったのです



でも、なんとなくでも飲食の世界に身を置き
そこからフードコーディネーターを目指し始め
専門学校に通い始めようと決めたとき

入学試験で志望動機や今後の専門分野に関する
小論文の課題が出ました

正直、元々出版社で編集兼ライターもやっていたし
大学院では死ぬほど論文も書いていたので
文章を書くこと自体はどうってことなかった

それよりも、
さいしょは漠然と食事メインに考え
ぼんやり料理関係でなにか……と思っていた日々から
改めて、フードコーディネーターの資格を取得して
その後わたしは何がしたいか?を考えたとき

やっぱりわたしは
お菓子で人生をやり直すことができたから
料理じゃなくてお菓子の人になりたいし
クッキーセラピーが仕事に繋がったら
それがベストではないかと気付きました


と同時に、いろんな立場にポジションを置ける
食のスペシャリスト、フードコーディネーターとして
お菓子で何をするのか考えたときに

スタイリストやフォトグラファー
料理動画のクリエイターや店舗開発とか
専門領域はいろいろあることも知り
たくさんの選択肢もできたけれど

わたしはその中で「導く」ということが
じぶんが目指す理想や世界を手に入れるには
ベストな立ち位置ではないかと気付いたのです


その理由は、
わたし自身が人生をやり直すきっかけとなった
クッキーセラピーを知っている人が
まだ日本にはほとんどいなかったので

知らないけれど必要としている人に
教えてあげなければという
使命のような感覚が芽生えたこともあるし、

もし今、過去のじぶんに会えるなら
もっと早く……それこそうつ病が深刻化する前に、
自殺未遂を視野に入れてしまう前に、
クッキーセラピーを知りたかったという思いがあったから。


まだ情報も少なく、さいしょは独学で
手探りで勉強していった部分も多かったし

当時は頼れる先、心を許せる相手がいないことが
何よりもしんどいところもあったから
希望の見える明るい場所まで先導してくれるような
教えてくれる存在がいたなら
もっと早く立ち直れていたんじゃないかと思ったからです


また、お菓子や甘いものは
「カラダに悪い」とか「罪悪感の元になる」など
悪いイメージがついてまわっているし

わたし自身も、ずっと好きな気持ちと同じ分だけ
素直に「好き」と言い切れない
ネガティヴなイメージがあったけれど

フードコーディネーターを目指すまでの間でも
食材や料理、調理法、栄養、健康やカラダの仕組み……
いろんなことを学び、勉強してきた結果、

お菓子のネガティヴな部分を払拭することができたし
甘いものを無理して我慢しなくとも
ダイエットはマイナス30kg(!!)も減量できたし
心もカラダも健康になれました


つまり、お菓子を食べることが
悪だと思ってしまうのは
甘いものが悪にならない知識や理論を
知らないからだけであって

それさえ知ることができれば
甘いものが好きな誰もが
じぶんの好きなもの(甘いもの)に
悩まされることはなくなると思ったのです


だから、わたしは入試の小論文で
「新しい食の価値と文化をつくりたい」と書き

いわゆる”スイーツ”のイメージや価値観を変えたいこと
また、お菓子作りをセルフケアやメンタルケアに活用する
今までにない文化の創造と普及を目指すこと

そのために、じぶんの体験や知識をきちんと伝え、
広めていくことができるフードコーディネーターになりたい

そんなことを書いて、合格をもらいました


ところで、少し話は逸れて
唐突に問いますが

「個性」や「その人らしさ」というのは
どうやって生み出されるものでしょうか?

この答えにたった1つの正解はなくて
その前提のもとに、
わたしは「好きなもの」が
その人を構成していると考えています

生きるうえで、
生きていくうえで

好きという感情はとても重要で
何よりも大切にすべきだと思っています

好きなものは
それだけで心の拠り所にもなりうるし
人はそのためにがんばれるし

それを愛しみ、堪能する時間を「充実」と呼び
なるべくそういう時間を多く持ちたく
惜しみなく愛情を発露するあいだ
それを生き甲斐とも感じられるから

そしてその楽しみ方や愛し方は
本人の価値感、感性、考え方によって表され
だからこそ「愛し方」は人それぞれ違うから

その姿が「個性」と呼ばれたり
時にはその人のイメージにもなりうると思うのです


だから、
お菓子が好きならそれでいい

甘いものが好きな気持ちや
それを楽しむじぶん自身を否定してほしくない

自身が抱く愛を否定する過程、そしてその先で
じぶん自身を拒絶し、傷つかないでほしいのです

甘いものが好きなら、
食べることが好きなら、
たとえそれが理由で後悔したり
罪悪感を抱くことがあっても
だからと言って我慢しなくていい
好きな気持ちまで否定しなくていい

好きゆえに生まれた悩みは
解決する方法があります
それが食べることや
お菓子に関することならなおさらです


たしかに健康は大切だけど
健康を理由に好きなものに対して
後ろめたさを感じて欲しくない
好きという気持ちを裏切ってほしくない

じぶんの中に生まれた1つの愛情や
自然と湧き上がる喜びを
何よりも大切にしてほしい

「好き」という気持ちそのものや
好きだと感じる対象を心の支えだと
100%の気持ちで信じられたなら
その信頼は、生きるツラさや難しさを和らげます

その感覚や在り方を
じぶん自身のことで悩んでいる人々に
伝え、教え、感じてもらうことで
じぶんでじぶんを傷つけてしまう人を減らしたい……

そして辿り着いたのが
クッキーセラピーをベースとしたお菓子教室の開講で
講師業というポジションでした


いま、日本で「お菓子」や
「スイーツ」と呼ばれるものたちは
食べるにしても、つくるにしても
余暇や趣味という分類で
なくてもいいものだと認識されていると思います

でも、これからは
生きづらさを抱えている人が
じぶんを許し、受け止め、
前を向いて生きていくことができるための
「セルフケア」として活用されるものとしても
価値づけられていくようにしたい

「お菓子はなくてもいいもの」と考えるからこそ
食べてしまったときの罪悪感や
カラダに良くない部分にばかり
意識がいってしまうと思うのです

でも、クッキーセラピーの心理的効果と
グルテンフリー文化や栄養学などを学んだことで
食べ方や調理法、食材や選び方次第では
甘いものだって必ずしも身体に毒とならないことを知ったし

たとえ健康や美容に不安があったとしても
「好き」という純粋な気持ちに勝るエネルギーは
それ以上に心とカラダに良い効果を発揮するはず


だからこそ、
無駄な不安や罪悪感を取り除いていきたいし
どうせ甘いものを楽しむのなら罪悪感に邪魔されず
食べるじぶんも好きになってほしい

そんな生き方を伝えたい
そんなふうに生きていける方法を
お菓子のあたらしい価値観と共に伝えたい

この想いがあふれているから
この想いしかわたしにはないから

あたらしいお菓子文化をつくり
じぶんを傷つけずに愛情で満たすことができる
生き方を心に落とし込めるレッスンをする


ふつうは「お菓子教室」というと
お店みたいなケーキが作れるようになるとか
漠然と「みんなで美味しく笑顔に」みたいなことが
レッスンの目的であることが多いです

でも、わたしはそうじゃない

もう死んでしまいたい
それほどまでにツラい思いを抱えている人が
命を絶ちたいと思わなくなる
生きようと思えるようになる……

顔を上げて生きるためのリハビリを
お菓子作りで実践していくような
そんなレッスンを行っているお菓子教室


世界中のほとんどの人には必要ないかもしれない
でも、もしかしたら
もし、1人だとしても

必ずわたしのレッスンを必要としている人がいる
このレッスンで救える命が絶対にある

根拠はないけれど
なぜかその確固たる自信だけは
一度たりとも揺るがなくて

きっと、それこそが
この仕事を続けているし、続けてこれた理由で

「新しいお菓子教室の先生の在り方」として
実はひそかに誇りも抱いています


だから、これからも
「お菓子教室の先生」といえど
「ちょっと変わったお菓子教室の先生」
そんな立ち位置であり続けます

サポートありがとうございます。実は2021年にハーブティー専門店の実店舗化に向けて動いていましたが開業資金の1200万円を諸事情で失いました。でもまだ諦めてはいないので、再始動のための資金として活用させていただきます。オープンの際にはぜひお礼の一杯をご馳走させてください!