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歯は財産であることに早く気が付きたい
管理栄養士として病院に勤めて、やっと7ヶ月が経ちました。
こんな新卒ペーペーで、食事を担当する管理栄養士である私が、この7ヶ月間で患者さんの歯をしっかり見て、口腔状態に対してアセスメントすること、そして歯を大事に管理することが、健康を作るために如何に重要であるのかを知ることが出来ました。
(管理栄養士って献立作っているだけじゃないです…)
これまでの私の自分の歯との思い出は以下の通り。
昔はあまりにも泣くことが多いから、宥めるために飴を食べさせてもらい、その結果何回も虫歯になっていました。
小学生の時、少し出っ歯だったので矯正させてもらいました。
そして思春期に入り、見た目を気にするようになり、白い歯になりたい!と思い、
Q10のメガ割を狙って、YouTubeで見た、歯が白くなるシールのようなものを購入したりしました。
と、ざっとこんなもの…
そして今現在は日々更新されながら歯、口腔について深めている最中です。
病院では治療食以外にも、噛む力、飲み込む力、認知機能、など様々な観点から、その人に合った食事の形態を考えて提供しています。
ここではある入院患者の出来事について触れたいと思います。
義歯の調整を放置していたけれど、とうとうあまりにも義歯が合わなくなって上手く噛むことが出来なくなった入院患者。自宅でもパンが硬くて食べられなくなって、しょうがなく軟飯にしていたり、とにかく食べられるものを選んで調整していたとのこと。入院中にも義歯調整出来るけれど、時間がかかるし体力的にもしんどい。
仕方がないから、入院中は
「きざみ食」という、2mm程度に細かく刻んで
何の料理かよく分からないような見た目の食事を提供するしかありません。
患者本人は、
「はやく歯を合わせてなかったこと本当に後悔しています。(きざみ食を見て)こんな食事になるなんて一気に老け込んだ気がする」
と、気持ちがかなり落ちておられました。
刻んだ食事は、見た目からも受け入れが悪いことが多く、一見なんの料理か分からないから、食べる気が失せることもしばしばあります。
歯が悪いから、義歯が合わないから
という要因で普通の形の食事や硬いものがしっかり噛めない人が毎日沢山います。
食べられるものの種類は勿論狭まります。
加えて口腔環境が悪いと、味覚も鈍り、食欲不振が加速される要因にもなりかねません。
柔らかいもの中心の食生活になると栄養バランスも偏り、低栄養に繋がっていきます。元の病態とも合わさり、書き記していたら日が暮れてしまうような色んな障壁、課題が山積みです。
「歯の状態」という1つの条件が健康にここまで影響することを病院で目の当たりにします。
この患者さんは、とにかく食べる量がこれ以上少なくならないように維持し、低栄養を防ぐ必要がありました。
退院前にご家族に低栄養予防の栄養指導を実施します。
「食事」は楽しみで幸せな時間であると捉えるが多いはずです。
少なくとも私は人生の中で1番と言えるほどには
食べることに情熱を注いでいます。生きがいの1つです。その楽しみが、歯の具合によってネガティブなものになりかねないということ。
当たり前ではあるけれど、
正直自分の歳で「歯が悪い」という感覚が掴めないのです。
でも、今病院で働き、いかに栄養状態を落とさないように食事を食べてもらえるか、について毎日考え続けているから、患者さんの実体験を浴びて、口腔の大切さを真剣に考えることが出来ます。
今の自分は健康だから、
健康に対する学習、学びの機会って凄く難しく、触れあうことも少なく、上手く掴めないと思います。
毎日の経験が、今健康な歯を持てている人に届いたら良いなと思います。
虫歯だらけだった私も、今は定期検診に行き、
歯医者でもらった歯間ブラシをして、それなりにメンテナンスをしている途中です。
歯そのものを健康に保つことも、
歯の状態によって引き起こされる様々な変化や苦労を知ることも、
それは自分の人生の財産に直結するのではないかと思います。