『おむすび』メモ~2週「ギャルって何なん?」 もんやりとした暗さが良い
始まって2週間、みなさん楽しんでますか?
虎に翼とはまた全然違った作風で、いかにも朝ドラっぽい感じというか、ゼロ年代~'10年代前半の朝ドラっぽい感じがしますね。あ、今まさにドラマが2006年という設定か。
最初の3回ほどを見て「このドラマおもしろくなるのかな?」と思い😅
ここまでですごく笑ったとか感動したシーンも特にないんですけど😅
私このドラマけっこう好きかも。
何が好ましいかって、主人公の結が暗い。しかも、わかりやすくない、モヤッとした暗さ。
一見、結のまわりに特に問題はない。
おいしいごはんが食べられる家があり、家族に大切に思われていて、友だちとコミュニケーションもとれるし、先輩にときめくような感度もある。
でも、周囲に対して何となく及び腰で、姉への葛藤を抱えている。
家でも学校でも、言葉や思いを飲み込んでいて、それが普通になっていて、飲み込んでいる自分に気づいてない。そんな感じ。
その背景のひとつに示唆されているのが1995年の阪神大震災で、一家はそれがきっかけで父の実家・糸島に転居したようだが、その被災はある意味時代の「象徴」というか。
1988年頃に生まれた結の世代はバブル崩壊後の“失われた20年”が成長過程にあたるから、閉塞感を増していく経済・社会の影響を受けて人格形成されている部分があると思われる。
特別に不幸ではないけれど、天真爛漫ではいられない。
結のそういう感じが、なんとなくリアルだなーと思って見てる。
結だけではなく、いつもお菓子でお腹ふくらまそうとしてる子や、不仲の両親に顧みられず過ごしている子もそうだよね。
結とは一見逆で、自由奔放に振る舞ってるようだけど、実はそれぞれに家庭環境からくる屈折がある。
まだスマホが浸透していないからLINEやSNSのような常時接続の世界ではなく、動画文化もまだ先のことで、とっくに下火になっている”ギャル”の格好を維持してローカルなイベントで「パラパラ」を踊る‥‥
うーん、いいね、この“地方”感。
なんかこう、天神という地方都市にすっと行けるくらいの距離感だからものすごい田舎ではなく、山と田畑が広がる町に良い子・良い人たちがいるんだけど、人々の心がどこか寂寞としている感じがリアル。
結の両親の人物造型にも興味がある。
おそらく1960年前後の生まれだから、日本がどんどん発展していく豊かな時代に10代、20代を過ごし、30代で人生の曲がり角に。
お母さんは博多弁でも大阪弁でもないから、東京近郊の出身なんだろうね。
北村有起哉が演じるこのお父さん、そのうちひとりで出奔しそう。
この脚本家(根本ノンジさん)のことよく知らないけど、時代背景を織り込んで書く人だといいな。お!いま検索したら「パリピ孔明」のドラマ版も書いた人じゃないですかー!あれすごく良かったんだよ。
なんせ、ここまで特に感動も爆笑もしていないので、視聴継続できるかどうかはわかりませんが、うっすら期待しつつ、もうしばらく見てみます。
橋本環奈って25歳でしょ。まったく違和感なく現役高校生に見えてすごい。
たださ、福岡人みんな思ってるはずだけど、糸島の高校生ってあんなにしょっちゅう天神行かんよな? 交通費だけで片道1000円近くかかるよね???(笑)