【自己紹介】30代女性 キャリアの歩み -キャリアの育て方・決断の軸- (前編)
初めまして、会社員10年目の女性 Conteです。
現在NY生活2年目の子なし夫婦世帯です。
日系大企業で部下無し管理職 & legalのバックグラウンドを活かしたキャリアを形成しています。
自身が30代半ばを迎えた今、
女性(組織内マイノリティ)としてのキャリアの難しさ・家庭との両立を含む将来展望の持ちにくさにどう向き合っていくか、長期的な戦略を模索しているところです。本当に悩ましい…
一方で今までは、紆余曲折が有りながらも
「キャリアについて複数の選択肢を持ち、それを自分で選べる感覚=自己決定感」
を持ち続けてこれました。
そこで今回は、特別な体力・気力に恵まれたわけでは無い(←重要!)女性の自分が、
いかに「猛烈サラリー"マン"」にならずして(←重要②!)
キャリアにおける自己決定感を持ち続けることができてきたか、その思考・決断の軸をご紹介したいと思います。
大学生
関東で生まれ育ち、東京の大学の経済学部に入学。一般的な大学生活を過ごします。
そしてキャリアや将来について深く考えることのないまま、大学3年生で就職活動に突入しました。
が、企業の短期インターンシップやワークショップで周りの学生と仕事風コミュニケーションをとる中で、
大多数の学生と自分の大きな違いにショックを受けることになります。
その違いは、「自尊心」。いわば、"自身の議論の正当性や周りの受け止め方は一旦脇に置いて、自身の考えを堂々と発信し、周りを巻き込もうとするエネルギー"。
このキラキラした純粋なエネルギーに、自尊心が塵のように小さかった私はクラクラ…
"今この社会という土俵に上がれば、すぐに自分が潰れてしまう!"と直感します。
そこで、就職以外の進路を探るために、以下のとおり思考・決断の軸を決めました。
「武器=専門性」を身につけよう
選ぶ武器は、ビジネスを検討・評価する際の一つのレンズとなりうる汎用性の高いものにしよう
つまり、枝葉の知識を追いかける類の専門性ではなく、物事の本質や大局観を把握するのに資する専門性を目指そう
大学で専攻した分野とは異なる新たな武器を手に入れよう
つまり、複数の武器を持とう
以上を基に選んだ進路が、法律という未知の分野での専門知識の修得、即ち法科大学院への進学でした。
法科大学院
そうして東京の法科大学院の既修コース(2年課程)に進みます。
しかし、"既修"との名の通り、同級生は大学生時代も法律を専攻していた人ばかり。また圧倒される日々が続きます。
朝は日の出前の暗い時間帯に家を出発し、重い六法を背負って片道1時間半の通学。
夜21時すぎに帰路につき、電車に揺られながらキラキラと照らされる多摩川を渡る時、涙がツーと頬を伝うこと幾多。
そんな毎日の中で徐々にではありますが、
"社会に出るためには退路がない。やるしか無い"
と人生初めての「覚悟」が決まっていきます。
今振り返ると、この時の踏んばりは後々のしんどい場面でも自分を救ってくれる心の支えになっています。
(因みに、六法を運んでいたリュックはとうとう重さに耐え切れずに、ある日の通学途中にショルダーごと千切れました。)
そうこうしてなんとか2年で大学院を修了し、その次に訪れた大きな分岐点は就職先の決定です。
この時の思考・決断の軸は以下のとおり。
法律(=専門性)を、ビジネスを検討する1つの「ツール・手段」として活用できる仕事であること
言い換えれば、法律サービスの提供自体を「目的・ゴール」とする仕事ではないこと
→法律事務所ではなく事業会社がフィット自分とは異なるバックグラウンドを持つ人が活躍している企業であること
一方で、自分の所属するであろう部署が、社内で正当に評価されていること自分1人や少人数ではなし得ないような、ダイナミックな仕事ができること
効率化・体系化された組織構造を備えており、新卒を育成する文化・余裕のある企業であること(この点を満たす企業は今後ますます少なくなっていきますね。)
以上の軸を基に、グローバルに事業を展開する都内の日系大手メーカー法務部に就職しました。
新卒入社: 日系グローバルメーカー 法務部
この企業の法務部にて、新卒入社後4年半働くことになります。
この間、研究開発から製造に至るまであらゆるフェーズにおける契約・知的財産・紛争・業法周りや、新規分野参入に伴う海外企業のM&Aを担当しました。
入社後は、2年前の就活時に感じていた懸念もなんのその。
大学院の2年間で培った胆力・知識が 自信のない自分を支えてくれるサポーターとなり、気づけばスルッとクリアできていました。
この会社は、今振り返ってみても本当に素晴らしい経験をさせてくれたと思います。
例えば、2週に1回は近隣の研究開発所の担当者の元をふらっと訪れて実際の技術や開発場面を見させてもらったり、
ある時は1ヶ月泊まり込みで工場実習を行い製造ラインに立たせてもらったり。。
とても懐の深い上司・企業文化のおかげで、色々なバックグラウンドを持つ方へのリスペクトを持つようになりました。
メーカーの法務部の醍醐味を一言で著すならば、
"研究開発プロフェッショナルが生み出した技術・成果を適切に権利化・資産化し、販売・技術ライセンスアウトといった金のなる木を育てあげる"
という事業サイクルの一部を担えている実感を強く得られる点。
このように「担当業務が(いい意味で)企業の歯車の1つになれている」環境は、自分の業務の独善化を防ぎつつも自分の仕事に誇りを持つために重要な要素だと思います。
以上のように、就職して初めの4年半で、社会人として大切なマインドセットや業務経験を得ることができました。
本記事の最後に、上司や個別の業務との巡り合わせについて。
多分に運の要素も絡んできますが、以下の思考の軸が多少なりとも運を手繰り寄せてくれたのではないかなと感じています。
※ なお、新卒職場環境・組織文化において以下を実践するのが困難と感じた場合、なるべく早めにその職場を離れることをお勧めしたいです。
耐えなくても良い苦労もたくさんあります…!
その際、厳しい話ではありますが、「その職場から離れられる」余裕を持つために、何らかの武器を日頃からコツコツと備えておくことが鍵になりそうです。
素直でいること
一部例外場面はあれど、上司・先輩の指摘やアドバイスを一旦ありのまま受け止め、
上司・先輩が何を伝えたいのかを理解しようと努めること
(喉まで出かかった反論・言い訳をひとまずぐっと飲み込むこともしばしば…笑)
そして、その指摘・アドバイスを糧にして自身の考え方やスキルを進化させていくこと誠実に人・業務に向き合うこと
小手先のテクニック・ハッタリを効かせたり、関係者となぁなぁな関係を築いてやり易くするのは程々にして、
(社内外の)クライアントに対し本質的な価値を提供しようと考えること仕事にオーナーシップを持つこと
「自分が判断権者であり最終的な責任を負う者である」との意識を持って、他人事ではなく自分事として業務に取り組むこと可能な限り、目の前のタスクから何か吸収できないか考えながら仕事をすること
ともすれば腐りそうになる業務が続いても、長期的な視点で役立てられることがないかを考えて、ポジティブな方向に少しずつ舵を切ること
(例えば、単調な作業が続くようであれば、処理能力を向上させて早めに処理し、浮いた時間で
「自分がいい上司になるためのdo & dont's」を部下としての実体験をもとに積み上げてみる。
→処理能力向上+上司になった時の自分のための指標が得られる)
このように「長期的な視点で、自分にコツコツと価値を積み上げていく」という発想で、長いキャリアの土台を作ろうと意識していました。
しかし、3年目後半からは試練の時期が訪れます。
半年ほど耐えた後、転職という方法でこの局面を乗り越えたわけですが、そのあたりから後編をスタートしたいと思います。
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