自己紹介 日本を憂う大学生 #0 崑
自己紹介
始めまして。僕は今台湾の大学で哲学を学んでいます。僕の父親は中国、母親は台湾で生まれ、20代の頃日本に留学してそのまま帰化しました。僕自身は生まれも育ちも東京一筋で、中身は完全に日本人という感じです。と自分では思うのですが、やはり両親の教育の中で日本人的ではない部分が大いにあったとのではと思う事も多々あります。
現在哲学を学んでいるわけですが、これは父親の影響と中高時代の教師からの影響両方があります。父親は日本の大学で哲学の博士号を取っており、物を話すときにそういうもののウィットに富んでいる部分がありました。僕が通っていたのは中高一貫校で、ある社会科の先生が倫理学なる授業を開いていたので選択科目として履修しました。そこでソクラテスやらデカルトやら仏陀やら洋の東西、時代を問わずに多くの思想家、哲学者を紹介してくれました。実際に原文などを読み、当時はよく理解は出来ませんでしたが何か生にまつわる重大な話をこの人たちはしているのだろうという直感だけが残りました。それ以降自分で岩波文庫の青版の幾つかを自分で買って読んでみたりして、哲学科に入って専門的に、系統立てて学びたいと感じ始めました。
高校時代は台湾に来るという考えは特に無かったのですが、姉が台湾に正規留学していて、その感想などを聞くにつれて徐々に台湾にいくのもありかなと考え始めました。そして学費が安いこと(国立の文系なら四年間で100万円ほど)、中国語をついでに学べる事、親元を離れて自分で好きに生活できること、台湾の食が好きなこと(今では日本食が恋しいですが)等の理由で台湾への正規留学を決意しました。
それで来てからなんやかんやあって、今に至ります(笑)。グローバル化が叫ばれる現在でも、やはり自国を出るという事は一人の瑣末な人間の短い人生の中では大きな転換点になりうることだと思います。慣れ親しんだ食事、文化、風土から離れて異国で生を営むわけですから。やはりこのような状況に身を置いたからこそ、僕は人生とは何か、自国では外国人と扱われ、台湾では帰国子女と扱われる自分のアイデンティティはどこにあるのか(又は存在しないのか)、「日本」とは何だったのかということを考えるようになっていきました。
目標と展望
このようなことを考えるに至った経緯や僕が今暫定的に持っている国家感や考え等をここで皆さんに共有出来たらなと思います。それによって皆さんに有意義な問いを発して、一緒に考えていけたらなと思います。次回もどうぞよろしくお願い致します。