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あなたは何屋さんですか?

先週、とある知人からのLINE。
「面白い人がいるからオンラインで会ってみて」という雑なふり。

オンラインで初めまして、私と同年代くらいの女性。
「何をされている方ですか?」
「私は若い経営者の困りごと相談をやっています。若い経営者っていろいろ不安だらけで相談する相手がなかなかいない。月に1回、プチセミナーと懇親会を行ってそこで話を聞いてあげています」
この最初の説明に面白さを全く感じない。
何をする人なんだろう、結局30分話を聞いたが何をしていて、そもそも何をしたくてやっているのかほとんどわからなかった。


「介護のコンサルをしています」
創業当初、名刺交換の際はこのようなフレーズで挨拶をしていた。
オペレーション改善やコンプライアンスチェックといった言葉も入れていた。
「すごいですねー」と言われる。
でも相手に全く刺さっていないのをヒシヒシ感じる。
まず、コンサルって何をやるのか分からない。
コンサルと名乗る人は賢い人、先生、まあまあお金稼いでいる、といった印象を持たれやすいし、怪しい人、気取っている人、生理的に嫌い、など辛辣や印象を持つ人もいる(泣)

少し仲良くなると
「結局しみずさんって介護の何をやるひとだっけ?」
と聞いてくれる。
「介護施設の開設や現場の改善、職員の育成を行っていますよ」
といってもよく分からない。
介護施設関係者ならばここまで来ると何となくイメージは少なからず着くが、業界外だと「で、何をしてくれるの?」となる。

独立直後、ある異業種交流会であった方から言われた言葉、
「しみずさんに誰か紹介したいんだけど、一言で簡単にいうと何をやっているのか分からないので紹介しづらい」

確かに。

前職時代、自社の案件を取る営業はほとんど行ってこなかった。
そこで考えた。
「何かフックになるフロント商品を取り扱わなければ」

当時たまたま縁のあった採用支援を行っている会社の社長、そこと組み、「介護福祉特化の採用支援」を行うことにした。
創業当時は名刺に採用支援が加わった程度でまだ何屋かひと言で分からない、介護系でいろいろ出来る人、のような伝え方だった。

「介護福祉特化の採用支援をやっています」
この一言に変えてみた。

すると「人材紹介や派遣ですか?」と聞き返されることが多くなった。
「いえいえ違いますよ、自社で採用できるお手伝いをするサービスです」
「採用できるようにあーしたほうがいい、こーしたほうがいいとアドバイスをくれる人ですかね?」
「アドバイスもしますが、弊社で原稿も作ります。求人会社が原稿作ってweb上に掲載してくれていませんか?そこと一緒です」
「あーそうなんですね。何となく分かりました」
このやり取り、何人とやったことだろう。
つまり、一言で言うと
「介護特化の求人屋」
これが一番何者か伝えるのに早いということにたどり着く。

「別に求人だけやっているわけじゃないし、他の事もいろいろ出来るし」
この気持ちを必死に抑え、最初の名刺交換は笑顔で
「介護特化の求人屋です」
相手が興味を持ってくれたら少しずつ話を広げていく。

「あなたは何屋さんですか?」
この質問を常に自分に投げかけ言葉を探しつづけていくのがビジネスなんだろう。

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