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2024新譜

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#インディロック

Wand 『Vertigo』(2024)

Wand 『Vertigo』(2024)

7/10
★★★★★★★☆☆☆
サイケデリックガレージバンドとして2014年にデビュー。音の傾向を大きく変えながら、一貫してアウトサイダーとしてのインディロックを作ってきた。特に前作『Laughing Matter』(2019)はガレージロックの範疇から大きく逸脱した15曲68分の壮大なプログレッシヴサイケで、そのあまりに硬派で求道的な姿勢には思わず感じ入るものがあった。



5年ぶりとなる本

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DIIV 『Frog In Boiling Water』(2024)

DIIV 『Frog In Boiling Water』(2024)

8/10
★★★★★★★★☆☆
実に5年ぶりの4thアルバム。このバンドの、そしてシューゲイザーというジャンルの美点を凝縮した完成度を持つ傑作。

ポストパンク的疾走感を淡く表現していた1st『Oshin』(2012)や2nd『Is The Is Are』(2016)よりも、ヘヴィシューゲイザー的な3rd『Deceiver』(2019)に近い。つまり、どこかに向かうこともなく、その場で渦を巻き、漂

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Lo Moon 『I Wish You Way More Than Luck』(2024)

Lo Moon 『I Wish You Way More Than Luck』(2024)

7/10
★★★★★★★☆☆☆
Talk TalkやPeter Gabrielに影響を受けた丁寧で上品なインディアートロック。この手のバンドは2024年も一定数いてどのバンドも知的なサウンドを作っているが、その中でもこのバンドの完成度の高さはデビュー作の時点から圧倒的に抜きん出ている。

音は1st, 2ndとほとんど変わらない。主張は強くないが多彩な音色を使い分けるドラム/打ち込みと基本に忠実な

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MGMT 『Loss Of Life』 (2024)

MGMT 『Loss Of Life』 (2024)

6/10
★★★★★★☆☆☆☆

5th。普通なら使わない変なエフェクトや脈略のない音や奇抜なミックスバランスを駆使して独特のサイケデリアを産むのはThe Flaming Lipsなどから受け継いだUSインディロックのアイデンティティ。それは1stからずっと続いているので今更変わりようもない。彼らに取ってはこれが当たり前で、変える変えないの話ではないんだと思う。

それでもさすがに大人になったとい

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