第18章 とうぞく の たーん
僧侶は強くなったが、回復ができておらず、心の体力はほぼゼロ、ファントムにつきまとわれて、未だ元気な状態には戻れてはいなかった。
勇者「さて、では今一度、あなたが苦しめられている症状をお聞かせください。」
僧侶「そうですね。どれから言えば良いのか、、まずはたびたび襲われるなんともいえない不安感、やばい、どうしようと、緊張が高まり、ふわふわするような、、冷や汗がでて、呼吸が苦しく、そう、昨日言っていたパニックですね。」
勇者「はい、それでは、その仕組みを改めて振り返りつつ、少し詳細なところも理解していきましょう。」
僧侶「はい、よろしくお願いします。」
勇者「まず、たびたび襲われるパニックと言われる症状、これは、予期不安や広場恐怖と言われる症状でしょう。」
僧侶「よき?、聴き慣れない言葉です。」
勇者「予期不安は、過去にパニックを経験した結果、またパニックに襲われるのではないかと不安になりパニックになる症状です。また、広場恐怖は、人が大勢いる場所など、あなたが症状がでたら嫌だなと感じる場所やシチュエーションでパニック症状がでてしまう症状ですね。」
僧侶「ああっ、けさ買い物に行った際に襲われたのは、まさにそれだと思います。」
勇者「昨日、これらパニックは警告だと、お話しましたね。」
僧侶「はい、たしか、、このままだとまたパニックに襲われるぞ逃げろ!という警告でしたね。」
勇者「そうです。」
僧侶「初回のパニックも、たしか別のストレスに対して、無意識の防衛本能が逃げろと言っているという話だったかと思いますが、えーと、なんでしたっけ、、直面する驚異への警告、その反応、、昨日おっしゃっていた、難しい名前の、、」
勇者「ファイト オア フライト レスポンスですね。闘争逃走反応。ファイトは闘うという意味の闘争、フライトは逃げるという意味の逃走。驚異に直面したあなたは、無意識に身体を闘うか逃げるかの行動に適した状態にします。」
僧侶「そうでしたね。昨日はそのあと難しい言葉がでてきて、、、改めて教えてください。」
勇者「そうですね。こちらも例え話で理解しましょうか。えーと、、例えばあなたの家を盗賊が襲ってきたとしましょう。あなたの家は立派なお屋敷、、召使いがたくさんいるような家で、あなたは当主です。」
そういうと、勇者は、羊皮紙に何かを書きはじめた。僧侶は、その書く音が、自分が回復していく足音に感じられ、心地よく感じていた。
勇者「こんな感じでしょうか。」
[攻略の手引き]