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医師と患者との関係、ラポール(rapport)

医師達がよくラポール(rapport)という言葉を使いますが、これは医師と患者との関係または絆を指す言葉です。
医師達はこれを非常に重要に考えています。
特に整形外科ではなおさらです。
疾病を扱う場合には血液検査、映像医学検査等、様々な検査で治ったのか治っていないのかを見極める事が出来ます。


しかし美容整形手術の場合はこのような検査は無く、手術結果に対する患者本人の主観的な判断だけがあるのみです。
ですのでカウンセリング時に相当な時間を費やし、患者が何を望んでいるのか把握をします。
そして私が出来る事をお伝えし、私の意見に同意をすれば手術が決定します。


これで終わりではなく、手術前にもう一度カウンセリングを行い、再度患者の希望事項が何なのか正確に把握をするようにし、私が行う手術についてよく理解しているか確認をします。
これは私が患者の心の中に入る事は出来ないため、カウンセリングで最大限多くの事を得た上で患者と医師が同じ目標に向かっていけるようにする為です。

患者と医師がそれぞれ最善を尽くしたのに、お互い違う目標に向かって最善を尽くしたなら、それは間違っている事だからです。
また手術当日、手術前に手術に対する簡単なカウンセリングを行い、最後に私達2人が同じ方向に向かっていっているのか確認をします。
(手術当日にはカウンセリング時に撮った患者の写真とチャートを私が先に全て確実に検討してから、患者と手術直前のカウンセリングを行います。手術を行わない患者のカウンセリング写真は削除します。)
このような過程を経ながら、患者と医師はお互い信頼を築いていき、良い関係を持つようになるのです。

患者は手術に対する不安感のせいで手術についての勉強をたくさんされますが、皆さんご存じのように勉強をすればする程さらに多くの疑問点が生じます。
私も可能な限り疑問点を解いて差し上げようと努力はしますが、ここには限界があります。
ほとんどの内容がその分野の専門家たちが理解出来るような内容だからです。
そして重要な事は患者が手術についていくら多くの事を知っているからと言っても、不安感をある程度解消する事は出来ますが、それ以上の意味は無いという事です。
なぜなら本人が執刀する訳でなく医師が手術をするためです。


また医師がカウンセリングをいくら上手に該博したとしても、その言葉ほど手術を上手く出来るかどうかは分かりません。
これは先程述べたカウンセリングを通して手術を決定されたのなら、その次は医師を信じて任せればならないという事を意味します。
そしてその医師を信じられない場合、手術を受けてはならないという事も意味します。
信じられない状態で手術を受けると、手術後にもあれこれと疑倶の念が生じ、さらには良い結果にも満足が出来ない場合が多くなっています。
全ての場合に良い結果を出せば良いですが、医師も人間なので100%はありません。
珍しく残念な結果が出る場合、医師と関係が良い患者は、医師とよく協調してさらに良い結果を作り出す場合が大半です。
しかし、信じられない場合には状況がさらに悪化し、お互い恩讐になる場合もあります。

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医師の立場について述べると、多くの医師の中から私を信じ、手術を受けられる事に対して感謝極まりないです。
良い結果を出す事だけが私を信じてくれる患者に対しての最高の恩返しだという事を承知しております。
ですので手術をする時は、まるで匠人や芸術家が自分の最高の作品を作るという気持ちで心血を傾けて手術を行います。

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