人生初の休職を経験して得たもの
私は転職により2年前からITのベンチャー企業で人事の仕事をしているのですが、職場環境によるストレスが溜まり、遂に休職をすることになりました。
今回の記事では、休職に至った経緯や休職による効果について書いていこうかなと思います。
原因ときっかけ
休職に至った一番大きな原因は、直属の上司と合わなかったことです。
入社当初から価値観が合わないなと感じてはいたのですが、世代も違うし自分にとっては初めての女性上司ということで、慣れれば大丈夫かなと思っていました。
しかし、入社から数か月経ち、1年を過ぎても、慣れるどころか不信感を募らせるばかりでした。
指示に一貫性がなかったり、指示に対して理由を尋ねると説明を面倒がられて「自分で腹落ちしてくれ」と言われたり、話し合いを求める私に対して一方的に命令で終わったりと、その度に納得ができず、また言い返すこともできませんでした。
1つ1つは小さい事象でも、耐える度に確実にストレスが蓄積されていきました。
加えて、人事という立場により、社内に相談できる人もいませんでした。現場メンバーはもちろん、常に上司の味方である役員にも話せませんでしたし、小規模企業故に上司以外に人事メンバーも他にいませんでした。
ストレスでどうにかなりそうになる度に、地元の友達に電話で話を聞いてもらってはいたのですが、やはり社内事情をわかっている人に話せないというのはしんどかったです。
そして休職に至るトドメとなった出来事が、上司・役員からのお叱りMTGでした。(3対1で一方的に攻められるので、私は体育館裏呼び出しフルボッコMTGと呼んでいました笑)
これまでストレスまみれの環境の中でもなんとか辞めずに続けることができたのは、仕事の中で自分にも貢献できる部分があると信じていたからでした。
詳細は思い出すのもつらいので割愛するのですが、フルボッコMTGでそれをバッサリと断ち切られたことが最後のトドメとなり、自分でももう立ち上がれないところまで来てしまったので、病院に行って診断書をもらい、休職するに至りました。
MTGの途中から大泣き、その後も仕事をしながら涙が止まらないという状況にまでなっていたので、今でもこの時の判断は最善だったと思います。(リモートの日で本当に良かったです笑)
休職開始
近所の診療内科に予約して行き、先生に自分の状況を説明したところ、「今すぐ休んだ方が良いね」と言われました。
それを労務担当である上司にDMで伝えたところ、「引継ぎを今日中に終わらせて明日から休んでください」と言われたので、午後の業務時間にマッハで資料作成を行い、必要最低限の人にしばらく連絡が取れなくなる旨を伝えました。
病院の診断書の発行に1週間かかったので、休み始めて1週間後に診断書をもらい、それを踏まえて改めて上司と面談しました。その際正式に休職手続きについて説明を受けたのですが、休職の原因となった上司から休職についての説明を受けるのは、なんとも変な感覚でした(笑)
そうして漸く休職期間が始まったのですが、休み始めてまず最初に思ったのが、「もう仕事しなくて良いんだ!」でした。
なんとも言えない解放感に包まれ、これまでどれだけ縛られて生きてきたんだろう、と思い知りました。
翌日のMTGのことを考えながら寝なくて済む、止まってる案件をどうしようと悩まなくて済む、何より上司と対峙しなくて済むのが本当に楽でした。
休職の効果
休職の効果は体調にも如実に表れてきました。
①夜にぐっすり眠れるようになった
これまでは明日が来るのが嫌でつい夜更かしをしてしまったり、布団の中でもなかなか寝付けませんでした。しかし休職して仕事をしなくてよくなったので、明日が来るのが嫌ではなくなり、ぐっすり眠れるようになりました。体ってこんなに素直なんだなと感じました。
②朝すっきり起きれるようになった
夜に眠れるようになったので、朝もすんなり起きれるようになりました。
さらに、出社したくなくて毎朝吐き気と闘い、時には嘔吐していた日々からも解放されることができました。
③自然と笑えるようになった
仕事をしていた頃は体調やメンタルが不調であっても、特に取引先や現場メンバーの前では元気なフリをしなければならず、仕事中は無理やり笑っていました。そして、その反動で家では笑い方を忘れてしまっていたように思います。
しかし、休み始めてからはテレビを観たりラジオを聴きながら自然と笑うことができるようになり、「久しぶりに自分のために笑ったな」と嬉しく思いました。
④やりたいことを考えられるようになった
今までは休日も仕事のことで頭がいっぱいで、”いかに土日の2日間で体調やメンタルを回復させるか” を優先してきたので、自分が休日にやりたいことについてちゃんと考えたことがありませんでした。
そのため、休職期間はせっかく平日に休めるのだからと、混んでいない映画館に行ったり、自然の景色を見に行ったり、普段なかなかできないこと、”自分がやりたいこと” を考えて優先できるようになりました。
⑤将来のことを考えられるようになった
業務のことで頭の要領を使い果たしていた時には、自分のキャリアや将来について考える余裕がありませんでした。しかし、休職してその分の要領が空いた結果、今後の自分のことについて考えることができるようになりました。
会社に復帰するのか退職するのか、といった近い将来のことだけでなく、今後自分がどういう経験を積んでどういう仕事をしたいか、といったキャリアについても考える余裕が出てきました。
単純に時間ができたからだけでなく、心に余裕が出てきたからこそだと思います。
休職のデメリット
想像以上に私にとって良い効果をもたらした休職ですが、もちろんデメリットもありました。
①収入が減る
休職期間中は労務に服していないので、給料はゼロになります。
代わりに加入している健保から約6割のお金が入るのですが、振り込まれるまで時間もかかるし金額も減るので、これまで通りの生活はできなくなりました。
私の場合は初回の振込まで2か月程かかったので、結構焦りました。
最初は貯金がいくらかあるのでなんとかなるかなと余裕ぶっこいていたのですが、休職開始当初に調子に乗って色々とお金を使いまくったこと、想定より振込が遅かった結果、割とギリギリのところまで追い込まれました(笑)
現在はなるべく毎日自炊をしたり、本当に今必要なもの以外は買わないようにと工夫して暮らすようになったことでなんとかなっているのですが、収入の激減についてはちゃんと覚悟しないといけないことだったなと思います。
②休職中であることを隠す罪悪感
私はワーキングホリデーでオーストラリアにいた頃にニートを経験しているので、「みんなが働いているのに自分だけ仕事していないの申し訳ないな…」といった罪悪感は特になかったのですが、やはり気軽に休職中である旨を周りに言えないのが地味に心苦しいなと感じました。
休職者がちらほらいた前職時代の同期や、仲の良い地元の友達、キャリアカウンセラーをしている母には、休職に対して理解があると思ったのですぐに言えました。
しかし、休職に免疫がない親戚やそこまで関係性を築けていない知り合いには言えず、「体調不良で休んでる」とおおざっぱに伝えたり、もはや現在も働いている風な発言でごまかしたりしてしまうこともあります。
私は休職に対してそこまでマイナスイメージは持っていませんが、人によってはネガティブな印象を持っていることも当然あると思うので、気軽に誰にでも言える状況ではないというのはちょっとつらいと感じることがあります。
とはいえ休職して良かった
とはいえ、私は休職して良かったと心から思います。
というのも、休職したことで人生で初めて「生きることが楽しい」と思えましたし、「明日が来るのが楽しみ」と思いながら眠りに付く生活を送れていて、それを心から嬉しいと思っているからです。
改めて今回の記事で休職の効果を振り返った結果、仕事をしていた頃は人間として当然の生活を送れていなかったのだなと思います。
「夜に眠れる」とか「自然と笑える」とか、めっちゃ当たり前のことじゃないかと(笑)
休職は私にとってつらい日々からの逃げ道になっただけでなく、心の余裕を取り戻し、これまでの傷を癒す回復期間となりました。
経歴にキズが付くだの、休むなんて恥ずかしいだの、そんなこと気にして人間らしく生きる日々を犠牲にするより、とっとと休んで人間に戻った方が良いです。
また今後の記事で、休職中にどんなことをして過ごしているかについても書けたらと思います。
ではでは。