見出し画像

暗闇には必ず何かいた 【note de エッセイ】

暗闇には必ず何かがいました。

今になって思い出すのはなぜか?
遠く忘れていた記憶。
暗闇に生きる奇妙なおともだちの存在です。

ぼく、昔は筋金入りの臆病者。
小学校の4年生までの話です。
そうとう臆病でした。

まずはトイレ
用を足しても流せません。
なぜって?

流したらそこから手が出てきて
胸ぐら掴まれ吸い込まれるかも
知れないじゃないですか!?

そしてお風呂
湯船から出られません。
なぜって?
湯船から出ようとすると
そのまま足を引っ張られて
吸い込まれるかもしれないじゃ
ないですか!?

トイレとお風呂、これは
「吸い込まれる系」ですね。

続いて・・・あ、そうそう。
洗面台。これはもう
わかりますよね。
はい。鏡面世界に
予期せぬものが見えるかも
しれないからです。

例えば幽霊。
定番ですねー。
コイツだけは見ないように気を付けて
生きてましたね。
(ただ、TVでの幽霊ものは大好きでした)

あとは自分の死に顔が鏡に写る・・・
怖いですねぇ。

あ、これこれ。これも忘れちゃいけません。
鏡から手が出てきて引きずり込まれること。

洗面台も怖いことだらけでした。

続いて参ります。
布団のなか。

たいていのご家庭の和室の天井って
こんなんたくさんいませんか?

ぼくんちにはいました。
うねうねうねうねとたくさん。

それがこっちを見ている。

気味悪かったですねぇ。

ですので幼心のぼくは
鼻から下をひたすら隠して
寝ていました。

全て布団に潜ってしまうと
今度は天井のうねうねの
行動が読めないので目から
上だけ布団から出していました。

そのおかげでくちびるは常に
カサカサ。
冬は特に痛かった。
鍋なら我が家はぽん酢がメイン
だったんですが滲みて滲みて・・・

はい、最後です。
階段です。

『階段の上り降り、うしろから狙われる
バージョン』です。

ここからはみなさんにも
はらはらドキドキして聞いていただきたい。

ちょっとした怪談話です。
階段だけに怪談、あ、最後まで読んでっ!

失礼。

「思考が現実を引き寄せる」事を聡明なみなさん
ならば何度も見聞きしたことがあるでしょう。

そんなことが実は僕にも
起こっていたんです。

僕はあまりにも臆病でした。
クラヤミには何かがいる。
うしろから、前から
鏡のなか、トイレのなか
風呂のなか・・・
誰かに引っ張られる。

怖いものが僕の思考を完全に
乗っ取った瞬間がありました。
すべてのシチュエーション
すべての気象条件も揃ってました。

「夏→夕方の怖い心霊番組見た→
用足しに一階のトイレに→夕立→
稲妻→落雷→どどーん!→停電→
階段の途中→クラヤミ→???」

そのとき、みえました。

『停電時に現れるオンナ幽霊』です。
この幽霊は落雷で我が子を失い
自分も命を絶ち、そのままさまよい
続けているらしい幽霊です。

その女、頭からつまさきまで真っ白。
なにするでもなくただそこにいるだけ。
そのうちフッと消えてしまいました。
なぜって停電が治まったからでしょうか?

出会ってしてしまいました。

おかげで中階段、雨漏りしてんじゃねぇか
と疑惑が生まれました。


子供の頃の記憶。
43の僕がなぜ思い出したかというと

昨日、6歳の息子も
見たそうです。

ムンクを。

おかげで
お布団が大洪水の今朝でした。

あえて怒ったりはしませんでした。

子供の想像力。
イノセントな子供の想像力。

暗闇、森、山々、そのた
EARTH、wind、FIREなどなど
八百万の神を祀っていた我々も
幼心の純粋な想像力、発想を
もっているんですね。

暗闇をネオンで消し去ってから
とうに忘れてしまっていることですが

多謝。

サポートをお願い致します。 素敵なことに使います。何にって?それはみなさんへのプレゼント! ぼくのnoteをもっと面白くして楽しんでいただく。これがプレゼント。 あとは寄付したいんです。ぼくにみなさんの小指ほどのチカラください。