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『怒りの意外な目的』(マーシャル・ローゼンバーグ著)からの学び

NVCを創設したマーシャル・ローゼンバーグ博士の本
『The Surprising Purpose of Anger』
2005年に出版された、マーシャルのワークショップを書き起こした本です。

苅部ミュア 智美さんが開催してくれた読書会に参加し、
日本語の翻訳をもらえたことで、この本を読むことが出来ました。
翻訳してくれた苅部ミュア 智美さんや、読書会でご一緒した仲間に深く感謝します。

この本を読むことで、受け取るものがたくさんあり、
より多くの方と少しでも分かち合えたらと思い、
私が理解したことをまとめてみました。
この怒りに関する本には、NVCのカギとなるエッセンスがたくさん詰まっていると感じています。
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通常怒りが湧いたとき、その怒りは「相手のせいだ」と思いますよね。

相手が悪い、間違っている、相手のせいで私はこう感じる…
そのように相手を判断する考え方をして対応すると、
相手はそれを感じ取って防衛的になったり、反撃に出たり、
行動を変えてくれたとしてもしぶしぶだったり、罪悪感から行動する
ということが起きやすいと思います。

それは結局、相手が私への思いやりをもって行動を変えたり、
こちらを理解してくれることにはつながりません。
相手の中に鬱憤がたまったり、イライラがたまればいずれ
しっぺ返しを受けたりして、建設的な関係を築くことが難しくなります。

NVCでは、怒りは「ニーズを満たす可能性が低く、誰にとってもあまり建設的ではない考え方を自分がしている」と伝えてくれる警告として捉えます。

怒りが湧いたら、自分が相手に対してどう判断しているかを認識し、
刺激になった相手の言動と判断を区別します。

そして判断が出てきたのはどういうニーズがあるからか、
どんなニーズが満たされていないからか、
自分の内側を探ります。

自分が必要としていること、ニーズにたどり着くことで、
怒りの感情は別の感情へと変化します。

自分の内側にあるニーズや、ニーズにたどり着いた後の感情を味わうこと。
そこから相手と対話していくことで、これまでの方法とは全く違う表現が可能になる、ということが書かれています。

このNVCの方法を実践するには、ニーズを理解し、活用する力が必要です。

怒りを善悪・正誤などの外基準で判断して、「相手が私を怒らせた」と
考えてしまうと、相手を責めたり罰したりしたくなります。
そのような方法は、怒りを表面的にしか表現できません。

私たちが本当に求めていることは、相手の行動が私たちの痛みの一因であることを理解してもらうことではないでしょうか。
理解して、相手が自分が望むこととして行動を変えてくれること。
その為には、怒りの責任を相手から切り離し、自分の満たされていないニーズに全意識を向ける必要があります。

自分のニーズと、ニーズにつながったあとの感情を認識した後、
それを相手に聴いてもらい、理解してもらうには、
通常まず相手に理解を示す必要があることが多いです。
相手がそういう行動を取るに至った原因にこちらが共感することにより、
相手にもこちらのことを聴くスペースが出来て、聴いてもらえる可能性が高まります。

でも、自分に怒りが湧いているときに相手に共感するって難しいですよね?

本にかかれているマーシャルのやり方は、
「頭の中のジャッジメントショーを楽しむ」ことです。

怒りが湧いた瞬間、そのエネルギーにつながり、頭の中で視覚化して
その暴力をただ観ます。
そして、その暴力の背後にある痛みに耳を傾けます。
その痛みのもとにあるニーズにつながることで、開放が訪れる。
それにより、相手の人間性に注意を向けることができ、共感的に聴くことができる、と書かれています。

そしてこれらの実践ができるようになるには、時間がかかることもある、
と書かれています。
NVCのプロセスに添った生き方を学ぶ上で最も重要なのが、
時間をかけること
これまで身に着けた思考や方法を盲目的に行うのではなく、
自分が望む価値観で生きるには、
その為に必要な時間を十分自分に与えることが大切である、と。


以上がこの本から私が理解したエッセンスです。
ご興味が湧いた方は、是非原著を読んでみてください!

私は、人や自分を「正しい・間違っている、良い・悪い」で判断して
しまうことが多いです。
そのようなやり方を身に着けてしまったことにガッカリしています。
良い悪いで判断することで、自分の中に苦しみを生み出していたんだ
ということに、NVCを学んで気づきました。
なので、最後の「時間をかける」ということが心に沁みます。
マーシャル自身たくさんワークをして、自分の生きたい価値観で行動できるようずいぶん時間をかけたと書かれていて、その言葉は本当に救いでした。

少しずつ、一人一人が正誤・善悪のような外基準だけではなく、
ニーズ意識を身に着けて内側の基準をもって生きることが
普通の社会になっていったらなぁと願っています。
その為の第一歩は、自分からですね♡

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