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巨匠、ずらり。
過日、上野で開催中の「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」へ。
エル・グレコ、ベラスケス、モネ、ルノワール、ゴーガン、レンブラント、ドガ……と総勢65人以上の画家による作品を集めた、まさに“GREATS”!な企画展。
展示されているのは、ルネサンス期から19世紀後半までに描かれた西洋絵画90点あまり。
あっちを向いても、こっちを向いても“見どころ”だらけだ。
メインビジュアルは、ジョシュア・レノルズ《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》と、ディエゴ・ベラスケスが10代のときに手がけたという《卵を料理する老婆》。
ベラスケスの作品は、超写実的というのか、陶器、金属、ガラス、布、かご、野菜、卵・・・描かれている一つひとつの質感が巧みに描き分けられていて息をのむほど。
これが才能というものなんだなぁ、とシンプルに感動する。
いまでいう“令和の怪物”のような存在だったのではないかしら。(知らんけど)
Wikipediaのレノルズの項には、彼が残したこんな名言が紹介されている。
「君が偉大な才能を持っているならば、勤勉がそれにみがきをかけるだろう。 君がふつうの能力しか持っていないなら、勤勉がその不足を補うだろう。」
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わたしが好きだったのはエル・グレコの《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》。
暗闇に浮かび上がるようなキリストの姿と、その穏やかな表情が印象的だった。
同じポージングのキリストはいろんな画家が描いていて、贋作疑惑があるダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」もそのひとつ。
(個人的には、こちらはちょっとふてぶてしい印象。修復士のせいかもしれないが)
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カミーユ・コロー《ラ・フェルテ=スー=ジュアール近郊の思い出(朝)》もすごく好きだったな。
昨年、「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜-モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」を観て以来、なんだか急にコローが気になる。
素描や習作も多く展示されていて楽しかった。
わたしは素描や習作、原画といった類の作品が好きだ。
そもそもプロのものづくりをしている様子(職人仕事や料理、メイクも)を見るのが好きなんだけれど、素描や習作は一枚の絵が完成するまでの工程が垣間見え、画家の工房をこっそり覗き見しているような気分にもなる。
最近はいろんな企画展のグッズがかなり凝っていて、ミュージアムショップを覗くのも楽しみのひとつ。
今回の企画展ではBEAMS DESIGN、ぐでたま、コウペンちゃん、CHECK&STRIPEとコラボ。
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物欲を抑えに抑え、ポストカード数枚と、ぐでたまのハンドタオルを購入。
美術館へ行くとついついポストカードを買ってしまうんだけれど、あの小さいカードに作品の迫力を閉じ込めることはできないなぁ、といつも思う。
ところで、スコットランドのエジンバラには、「スコットランド国立美術館」、「スコットランド国立肖像画美術館」、「スコットランド国立近代美術館」の3つの国立美術館があり、どれも無料で楽しむことができるという。
さらに、隣接する「スコットランド国立博物館」も入館料無料、ちょっと離れた近代美術館へは無料周遊バスも出ているらしい。
なんて太っ腹なんだろう。
日本と欧米の、芸術に対する姿勢や価値観の違いがよくわかる。
楽しそうだなぁ。
また、行ってみたい場所が増えてしまった。