智美術館の図録がアツい。(引越し準備が進まない)
急遽、部屋を引っ越すことになり、“断捨離”作業が続いている。
何年も着ていない服やら、いつ買ったのかすら覚えていないロングブーツやら、既に手放した家電の取説やら…。
もう要らないだろうと思うものをどんどん手放す一方で、やっぱり捨てられないのが本の類い。
とくに最近は、美術館の図録。
正直、かなり場所を取るし、分厚くて重たいからしょっちゅう読み返すものではないんだけれど、学芸員さんの熱の込もった文章を読むたびにこちらも胸が熱くなる。
何より、あれだけたくさんの作品が一冊に集約されていて、手元に置いておけばいつでもまた好きな作品に会えるという贅沢さ。
どうしても、手放すことができない。
個人的には、仕事で何度かお世話になっている虎ノ門「菊池寛実記念 智美術館」の図録がアツい。
これは唐津の陶芸家、中里隆さんの企画展の図録。
中里さんの温かい人柄が伝わる写真にグッと心を鷲掴みにされた。
確かこのときは、館内カフェでは中里さんの器でドリンクを提供していたと思う。
嬉しかったなぁ。
こっちはダイナミック&エロスな作品に圧倒される三輪龍氣生(みわりゅうきしょう)さんを取り上げた「三輪龍氣生の陶 命蠢く」ときのもの。
図録にしてはコンパクトで本棚にも収まるサイズなのだけれど、作品の写真の迫力がものすごくて。
そうだよなぁ、時代や素材もさまざまな作品の色、質感をできる限り紙面で忠実に再現するために相当苦労されているはず…と改めて頭が下がる。
これは現在開催されている「河本五郎 反骨の陶芸」の図録。
民藝っぽい装丁。
板を貼り合わせたような形状のうつわ、実物もすごく素敵だった。
なんというか、図録を読んでいるというよりも、河本五郎の人生の物語を辿っているよう。
余談だけれど、智美術館は学芸員さんのお話もとてもおもしろいので、ギャラリートークもイチオシだったりする。
それにしても、本を処分できないタイプの人や、図録を集めている人はどうやって収納しているのだろう。
“本の収納だけの本”を作ってみたくなった。