「助けて」と素直に言えるようになった理由
“「助けて」って人に言えない人も多いと思うんです。どうやって周りの人に助けてって言えるようになったんですか?”
ちょっと前にそんなことを聞かれた。「助けて」と言えない気持ちはよくわかる。私だって簡単に「助けて」って言えるようになったわけじゃない。でも、最近は素直に「助けて」と言って生きている気がする。どうやって「助けて」って言えるようになったんだっけ…?
ぶっちゃけ、練習するしかないのだと思う。相手を信じて「助けて」って言う練習を、私は何度も繰り返してきた。実は今だって、「助けて」ってお願いするのはとてもドキドキする。それでも、えいや!!と、ドキドキを飛び越えて「助けて」と言ってみる。すると、世界は自分が思っていたよりも優しくできている、ということに気付くのだ。
それでも、自分の背中を押すのに理由が欲しくなる時がある。そんなときはいつも、
誰かに「助けて」って言われたら、自分はどう感じるか?
と、自分に問いかけてみる。
誰かに「助けて」って言われたら、私は素直に嬉しい。そりゃぁ、相手が私のことを利用しようとしてる人だったら嫌だけど、そんな空気を感じたら断れば良いだけ。そして、大抵の場合は相手も勇気を出して「助けて」と言ってくれている。そんな勇気を自分のために使ってくれたことが嬉しいし、困った時に自分の顔を思い浮かべてくれたことも嬉しい。
もちろん、いろんな制約があってお手伝いできないこともあるかも知れない。相手が助けを求めてきた時に、自分じゃ力不足な時だってある。そんなときは素直に応援の気持ちだけ送って、タイミングが合った時にお手伝いすれば良い。
そう。ちゃんと断っても大丈夫なのだ。逆にこちらが、助けを求めた時、相手だって無理だったら断ってくれる。そういう意味で、私は無理なときはちゃんと断ってくれそうな人を頼ることにしている。これ、案外、大切なのかも知れない。自分の都合を横に置いてまで助けてくれるのは、とてもありがたいけど、小心者な私は恐縮してしまうのである。
助けてくれそうだけど、無理だったら断ってくれそうな人
そういう人を相手に「助けて」ってお願いする練習を私は日々、重ねているのだ。
それからもう一つ大切なのは、助けを求めている自分を責めたり、卑下したり、しないこと。誰だって大変なときはあるのだから、自分が大変なときに助けて貰ったら、今度は誰かが大変な時に助けを差し伸べられたら良い。もちろん、助けてくれた相手に何かを返せたら最高だけど、それがうまくできなくても、次の誰かに助け合いバトンを繋げたら、それで良し!!と信じる練習をしている。
これまた、「助けて」ってお願いするときは自分が弱っている場合が多いので、簡単に自分を責めてしまうんですけどね。今、まさに私も産後、いろんな方に助けて頂いている自分を「何でこんなにうまくやれないんだろう…」って責める気持ちがうじゃうじゃとアリさんの如く湧いて出てきている笑
そんな時は、
あー!また、攻めてきたな、自分責め隊め!!うじゃうじゃ、攻めてきおって!!むー!!
と、自分責め隊の動きを観察することにしている。いや、これもいつもできてるわけじゃないんだけど、自分責め隊の襲撃は日々やってくるので、だんだん慣れてきてしまった笑 で、いつかは過ぎ去るのだから放っておこう…と深追いしないで済むようになってきている。
20代前半の頃、体調を崩したり、母の闘病そして他界を経験したり、いろいろズタボロだった頃、私は人に助けてもらうのが本当に下手だった。結局、自分一人じゃうまく立ち回れなくて、どーしようもなくなってから、周りの人たちに助けて頂いたりしていた。で、助けてもらうたびに「申し訳ない…。ごめんなさい!!」と相手への謝罪の気持ちで心を一杯にしていた。
でもさ、結局助けて貰って生きている。人は一人じゃ生きていけないし、誰にだって助けて欲しい時がある。最終的に助けてもらうなら、素直に「ありがとう」と笑顔で助けて貰った方が、自分も相手も気持ちいいよね。そして、“お互い様だから”と気楽に人を助けられる人間になりたいよね。そんな事にようやく気付いた30代。えいや!と勇気を振り絞って「助けて」と言えるようになってきている。