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とりあえず体感しよう!オフラインを活かすオンラインカリキュラムデザイン合宿レポート①

合宿に先立ち開催した「オフラインを活かすオンライン授業検討会」

大変多くのご共感をいただきました。ありがとうございます。

1, オンライン合宿開催の趣旨


通常教室で行っていた授業をそのままオンライン化するようなTipsや報告が目立つ現状ですが、オフラインをオンラインにそのまま横移動するスタイルでは子どもたちは疲弊し心身に大きな負担をかけます。
また、それほど負担をかけるにもかかわらず、子どもたちが得る学びは多くはないでしょう。

オンラインを的確に使用し、オフラインで自ら学ぶデザインができれば、もっと根っこを重視した教育を実現することも本来は可能です。

体感とアウトプットなしでは自分のものにならないだろうということで、オンラインを適切に活用しオフラインの学びの時間を充実させるカリキュラムデザインについて、様々な立場で集まり、指導案を軸に検討しデザインしてみようという2日間のオンライン合宿(ワークショップ)を開催しました。

2, ファシリテーター及びアドバイザー 

■ ファシリテーター・アドバイザー (敬称略・順不同)
◎ Co-musubi 井上真祈子
◎ 門川 良平
大学卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションにて教材開発・マーケティング・広告戦略を担当。退職した後に、大学に通い直し、小学校教員免許を取得。都内公立小学校教員として教育活動を実施。その後、うんこドリルを展開する文響社にて、プロデューサーとして活動。「うんこSDGsワークショップ」「うんこ交通安全ドリル」を立ち上げる。現在は、すなばコーポレーション代表として学習ゲーム・ワークショップ・学習マンガ開発など、活動の幅を広げる。

◎信岡良亮
同志社大学卒業後、東京のITベンチャー企業でWebディレクターとして働いたのち持続可能な社会を追求し、島根県隠岐諸島の中ノ島海士町という人口2400人弱の島に移住。2008年株式会社巡の環を起業。6年半の島生活を経て東京に拠点を移し2015年株式会社アスノオト創業。2016年5月より「地域共創カレッジ」主宰。現在の職業及び活動:人材育成・教育事業。株式会社アスノオト代表取締役。『さとのば大学』2019年7月開校を目指し設立準備中。
さとのば大学とは⇒http://satonova.org/

◎ 竹村 詠美
一般社団法人Learn by Creation 代表理事
​McKinseyを卒業後、Amazon、Disneyなどの日本経営メンバーとして、サービスの事業企画や立ち上げ、マーケティングなど幅広い業務に携わる。2011年に立ち上げた「Peatix.com」は現在27カ国、400万人以上のユーザーをもつ。現在はSTEAMや21世紀教育をテーマに執筆、講演、研修など幅広く活動中。Most Likely to Succeed 日本アンバサダー、総務省情報通信審議会委員なども務める。
https://learnx.jp/speaker/emitakemura/

◎ 井久保 大介 (東京都公立中学校教諭)
「探究するって楽しい!」そんな児童・生徒の声をたくさん聞ける理科の授業を目指しています。在職中に派遣された東京学芸大学教職大学院で、教師が自ら学び続けることの大切さ、おもしろさに目覚め、修了後も様々なワークショップや教育イベントに参加したり、企画運営をしたりしています。現在『科学者の時間』という探究的な理科の授業を実践中。児童・生徒が自ら学ぶ姿を、そっと見守っている東京都の公立中学校教員です。
https://berd.benesse.jp/special/manabucolumn/manabibalab2.php

◎ 蓑手章吾 (東京都公立小学校教諭)
教員13年目。専門教科は国語で、教師道場修了。特別活動や生活科・総合的な学習の時間についても専門的に学ぶ。特別支援学校でのインクルーシブ教育や、発達の系統性、学習心理学に関心をもち、教鞭を持つ傍ら大学院にも通う。特別支援2種免許を所有。ICT活用に関しても高い関心があり、多くのセミナーや勉強会に参加。ICT CONNECT21が主催する「先生発!最新のICT技術で教育現場を変えるハッカソン」ではグランプリを受賞。現任校ではICTプロジェクト主任も務める。 現在「教育の鉄人」こと杉渕鉄良氏主宰のユニット授業研究会に所属。その他、多種多様なセミナーや研修会、文献などからも学力向上について理解を深めている。 セミナー登壇経験多数。共著に『全員参加の全力教室2』『特別支援学校におけるICT活用実践事例集』などがある。
https://ict-enews.net/2017/10/27maehara-2/ https://edtechzine.jp/article/detail/1420
https://note.com/minote4405/n/n868a46d5799a

3, 合宿を終えての感想

まず先に、この2日間のオンライン合宿でどのような気づきや変化が生まれたのか、感想からご紹介いたします。


小学校教員
自分が今まで思っていなかった視点や知識などがたくさん聞けて良かったです。ありがとうございました。どうしても現場にいると目の前のことに対しHow to で走ってしまう。
けれどここに来て一旦立ち止まって本質を深く追求することができたことが、私にとって大きな学びでした。
これからオンライン教育をどうしていくのかは校内でも始まっていくだろうと思います。最初からこんなに素晴らしい教育をオンラインでできるとは思っていないけれど、ここで学んだことを頭の片隅に置いて、少しでもそういう方向に進んでいかれるように私自身考えていきたいと思います。
井上さんのファシリテーションは、心が温かくなってステキで、真似をしたいなと思いました。

小学校教員
オンラインはオフラインを工夫して移植すれば結構できるのではないかと考えがちなんですけれど、そんな簡単ではなくて、一度立ち止まって「なぜ自分はこの仕事をしているんだ?」「自分はこどもたちにどんな大人になってほしいのか?」など、もう一度自分で掘り下げないと逆にできないのではないかとすごく感じました。今日はほぼ一日、自分を掘り下げる作業だったのではないかなと思います。とても疲労感を感じています。
私は学校を楽しくしたいと思い劇薬に頼りがちなんです。ですが今日教わったように、豊かな土を育てるような本質を捉えた教育にしていきたいと思います。常に「あなたにとって教育って何なの?」と問われ続けた2日間でした。贅沢な時間を過ごさせていただきました。あらためて感謝申し上げます。

中学校数学科教員

元を辿ればSDGsが答えのない問いへ向き合う教育の必要性を感じたきっかけで、頭や文字だけでなるほどとわかっていたつもりになっていました。
しかしある一つの団体の研修を受けその方法で授業もやっていた時、大学の先生に授業を何度か見てもらう機会があり、時代に逆行する授業だとの意見をいただき、それ以降さらに深く学び再度授業構成を考え直しました。何度か反芻しながら複雑な問いを深める努力をし続けています。
そんな中で参加した今回の二日間で印象に残ったフレーズが2つと気付きが1つありました。
母性と父性の話。( 自律学習者を育てるにあたり、子どもを信頼し背中を押し手を離す関わり方は父性であり、現代は世の中が総母性社会になっている。一人の中で母性と父性の両面を持ち適切なバランスで子どもに接していく。)
両性がいる意味を考えて一人の人間の中で性のスキルをバランスよく持つことが大事だということ。
また、探究的な学びだけではなく、勉強的な面も含め両輪を大切にする必要があるのだと改めて思いました。
オンラインでもノンバーバルの可能性(大きなリアクションなどワイプ芸的なもの)がある事に気付きました。
一方でオンラインは耳が疲れることも実感しました。子どもたちへのマイナスの影響も大きいことがわかったので、オンラインでの授業も短時間で切り上げる事が大切だと感じました。

門川 (アドバイザー)
すごく楽しかったです!最近、SDGs教育の関連で活動していることも多いので、そこで学びのステージとこれからの教育を考えていく流れは同じだ思いました。

〈 SDGs教育の学びのステージ 〉
ステージ1 問題に対して知識もなく、関心も薄い
ステージ2 問題に対して基礎的な知識を得る。関心をもち、ときには単純な行動を起こす。
ステージ3 問題の複雑性を理解する。具体的な行動に対して理解が深まったからこそ、躊躇する。ときにはモチベーションも下がる。しかし、それでも関心を持ち続ける。
ステージ4 問題の複雑性を理解した上で、自分なりの解決策や行動方針を見いだす。問題のよりよい解決のために、関心や行動を持続させる。

今回の展開はステージ3の状態なのではないかと思いました。
ものすごく複雑だし、答えなどないし、誰も褒めてはくれないかもしれないし、モチベーションも下がるかもしれないですけれど、その先に行動し続けていくことがすごく大事なのかなと思いましたし、僕自身もこうありたいなと思いました。
この2日間、ある種安易な答えに飛びつこうとすると、その浮き輪につかまらせないように、井上さんがぽんっと複雑な問いを投げるということが常にありました。(ここで先生方が笑顔で皆さん何度も頷く)
けれど、そういう2日間で得たものってとても価値があるのではないか、と思うので、この2日間を経て皆さんが行動していくということが、次の教育現場を創っていくステージになっていくのではないかと思うので、ぜひ一緒にがんばりましょうよ、という気持ちです。
難しい、と思うところがスタートです。僕も考え続けています。頑張りましょう!

私立中高英語科教員
高校3年を担当することが多いのですが、受験学年ということもあり受験指導になりがちな授業でした。しかしそこに逃げるのが嫌で、できるだけ学びの本質というところをやってきたつもりでした。この2日間を通じ、それがつもりだったのだと認識し一度モチベーションがすごく下がりましたが、角川さんのお話を聞いて、自分が順調に育っているのだと感じました。
今後は学年にとらわれず、本質的な学びを自分が体得して生徒に伝えられたらと思います。どうしてもスキルやパフォーマンスに偏りがちなので、本当にちょっとずつでも成長していきたいなと思います。
皆様この二日間ありがとうございました。すべてが学びでした。ただいまぼーっといたしております。これからもどうぞよろしくお願いします。

小学校教員
2日間、ありがとうございました。
これまで忙しない学校生活の中で、学習指導要領に沿って時間内に必要な到達点まで終わらせることにとらわれていましたが、子どもたちが教員の期待に応えるために頑張っているという状況が嫌だなと最近感じていました。
この2日間で、答えのない問いや児童それぞれの意見を尊重、認めあう、安心できる場をオンラインでも作れるのを実感できました。
今後はワクワクする学びの構築を考えていく必要性を感じますし、今回の休校によって教員自身も学びの本質を考える機会を得たのだと感じました。
自分はどういう軸で子どもたちを指導していくのかを考えたいと思います。
2日間ありがとうございました。
皆さんの温かさに励まされ、視点の多様さや本質に立ち返ること等沢山学ばせていただき、感謝でいっぱいです。学びって楽しいですね。
これからもよろしくお願いします。

私立中高数学科教員
もしかしたら2日間もやることあるのかな?退屈だったら抜けようかな?と心配して申し込みました。でも!!とっても、濃厚な時間になりました!
教員やってる人たちって、パッション、ミッション、ハイテンション♪いつも児童生徒の近くにいて、いつも子どもたちについての情報収集をして、楽しくなるための方法に頭を悩ませている姿は本当に国の財産だと思いました。先生たちの献身的な活動が、日本の教育や高学力を支えているんだと、ありがたく思いました。教育は確実に転換していきますが、最後の部分でコミュニティを支えていくのは、こういう献身的な努力なんですね。オンライン/オフラインの件、学校機能のネタ、まさかここで山極寿一までつながっていくとは思いませんでした。個人的には、オンライン教育難民問題について、どうにかしたいなぁと思っています。また、このメンバーでだったら、もっと深まっていくのかなぁと思いました。こんな贅沢なセミナーが無料で受講できるなんで、しっかり恩返ししなければ、、、と強く思いました。ゲストティーチャ―の皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。 そして、、、井上さんの人脈!これぞビジネス界!という感じがしました。またがつがつ勉強させていただきたいと思いました!

小学校教員
オンラインでの学びの場をやってみようと先生方と自分でやってみているのですが、率直にまだできることがあるのだと感じました。
オンライン・オフラインではなく教育の軸をどう通していくのかが本質で、スタートをどうなめらかにして途中で僕らが手を離して子どもたちが巣立っていくかということは何も本質的に変わっていなくて、自分たちがこれまで何気なく教科書がない状態で考えていた授業に、ある種いい意味でオンラインが入ってきてくれていることだと思うので、オンラインを活かして他の先生とも協力して草の根的にいいものを広めて行きたいと感じています。2日間ありがとうございました。

いくぼん(アドバイザー)
私も学びが多く楽しんでやることができました。子どもの学びも変わるけれど大人の学びも変わるタイミング。この場でそれを体現できたなと感じました。
教員の学びとしてできる事を広めていきたい。困ったことがありましたらぜひ相談してください。
探究理科ラジオも定期的にオンラインでやっていきますので、良かったらご参加ください。

竹村詠美 (アドバイザー)
普段割とマクロなことばかり考えがちなので、具体的な教材の話など、普段と違う頭を使わせていただきました。他にもありますが、こういった気づきや学びがありました。
1)先生方やアドバイザーの皆様の多様な視点
2)井上さんの場を作るファシリテーション
3)門川さんの教材づくりのお話
4)偉人なりきり会議というアクティブラーニングの凄さ
5)さとのばさんの学習者スタイルのレーダーチャートなどなど
6)参加者の皆さんの能力がすごい!

2日間お疲れ様でした。子どもたちがオンラインを通じて何かアウトプットや発表する機会が増えることを祈っております!子ども達も部活ではこれらのステージを今きっと体得してるのでしょうが、アカデミックな分野でもこれらのステージを体感できるようになるといいですね。

この短期間でこの2日間にsign upされた皆さんなだけはあるという成長能力の高さに感動しています。
私はもともと、テクノロジー業界や民間にいて、この4年くらい民間でもできることがあるのではないかと教育に携わらせていただいているんですけれど、もっと先生方にも学外のリソースを上手く使っていただきたいなと思っています。Learn x Creationのイベントでも出会う機会になると思いますので、ぜひ活用ください。

ノブ(アドバイザー)
今日はありがとうございました。2日目午後のみの参加でしたが、学校の先生に対して、未来の教育の話をするという、なかなか釈迦に説法なお題でどきどきしておりました。が、参加してくださったみなさまの包容力とか本質探求力というか、現在より未来思考の感覚で受け入れてもらった感じで、大変和やかに過ごせました。カリキュラムデザインというテーマがちょっと個人的には難しかったので、教育のパラダイムの大転換期として現在をとらえたときの長期的・根源的な問いのほうがむしろやりやすいタイミングや興味として出やすいタイミング(メンバー)だったのかもなというのは少し感じました。目先の対応だとちょっと限界が生じやすいと思うのと、とはいえ学校がオンラインで対応に迫られている部分とのバランスに向き合っていく先生たちの大変さをちょっと感じれてよかったです。 

みのさん (アドバイザー)
先生方の深くて本質的な問いに僕も一緒に考えさせられました。
井上さんが設計されたこの2日感のカリキュラムもすごいな〜と、そういう目を持ちながら見ていました。
自分は性格的に、障壁を理由にするのではなく「では、どうしよう」と考えるタイプなので、このコロナによる状況も利用しようとのマインドで、日々に追われず本質に戻って話し合ったり、学べる時間を持てるのはある意味では良かったのではないかと思います。
自分はオンラインははじめたての初心者なので、やりながらわからないことがいくつも出てくるので、ずっと続けてきた方の知見はすごいと改めて思いました。いい意味で、トレーニング的な要素が子どもたちの自走にも必要で、それがオンラインは向いていて、その上でその先に手が届くコンテンツがあったらいいのかな、や、シェアし合うって大事だな、など、いろいろな自分としての学びがありました。明日から活かしていきたいと思います。

さのっち(スタッフ)
初対面でたった2日間でこんなに温かく語れる場が醸成されていることに感動を覚えています。
もう一つは、面白い教材をつくろうという演習で、たった10分間で先生方がさらさらととても面白い問題を量産された姿を見て、「さすがプロだなぁ」と井上さんと感動していました。ありがとうございました。

東 (スタッフ)
保護者としても先生方がこれだけ頑張ってくださっているという姿が心強く勇気をいただきました。保護者として学校とできることはどんどん協力して子どもたちのために動いていきたいと思っております。先生方の熱意が力になりました。

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レポート②に続きます↓↓↓


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