進撃の巨人 考察番外編1 始祖ユミルに関する違和感たち
前記事では、始祖ユミルに関してどうして成仏できたのか、という内容の考察を行った。
感動的なハッピーエンドだったのだが、違和感が残っている。以下ではそれを並べてみたいと思う。
まずは、上記の記事を読んでもらいたい。
以下では進撃の巨人最終巻までのネタバレを含みますので、ご注意ください。
違和感1 初代エルディア王の顔と始祖ユミルの立場
30巻において始祖ユミルの過去が明かされる。生涯を奴隷として過ごし、王からの愛を得られていないように見える。
しかし、ここで始祖ユミルが死ぬ直前に娘3人を連れて王の下へ向かうシーンに注目してもらいたい。
侍者に衣装を整えてもらっている王であるが、始祖ユミルに向けるその顔は嬉しそうではないだろうか?
娘に向けられているとも考えられるが、始祖ユミルへの愛が感じられなくもない。
また、始祖ユミルは王の横に侍っている。これは通常王妃の位置だ。王なのだから妾がいても不思議ではないので、奴隷扱いの始祖ユミルを正妻とするだろうか?
違和感2 死に際の始祖ユミルの目
始祖ユミルは王を守って槍に突き刺される。
そこで奴隷だと王に言われるわけだが、その言葉を聞いた始祖ユミルの目のアップが描かれる。目しかないのでよくわからないが、少し力が入っているように見える。見ようによっては笑っているようにに見えないだろうか?
絶望したのなら目から力が抜けると思うし、実際壁内のレイス家の目などを見るとそのように描かれている。
違和感3 始祖ユミルとユミルの対比
始祖ユミルを語る上ではやはりユミル(104期訓練兵)との対比は欠かせないだろう。22巻においてユミルの過去が明かされるのだが、始祖ユミルの生い立ちと似ている点も多く、同じ境遇の人物として描かれているのではないかと思う。
マーレに捕まった後、巨人にされるのだが、ベルトルトとライナーに「悪夢のような時間だった」と語っている。しかし、マルセルを食べて人間に戻った時、「自由になった」と言っている。またこの背景描写は「道」にそっくりではないだろうか?そうすると、始祖ユミルも「道」で自由を得た?
また、ヒストリアと結婚できていないことを心残りと言っている。結婚と愛と呪縛、なんだか似ている気がする。
違和感4 舌を切る描写
再び始祖ユミルの回想シーンに戻る。最初の方で、街を焼かれて連行される始祖ユミルが描かれた後、舌を斬られている描写がある。前後のコマを見れば、奴隷であることは明白であるし、わざわざこのシーンいらないのではないか?とも思える。
また、34巻でミカサがエレンを殺すシーン、巨人の口の中に入って行って、舌に相当する部分にぶら下がるエレンの首を切る。巨人を殺すにはうなじを切るしかないのではなかったか?なぜ口の中の舌っぽいエレンを切って終わりなのか?
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