政治ってなんかおもしろいかも。「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。」
朝の出勤前にも昼休憩にも夜家に帰ってからも、ニュース番組の類を全く見ない。
ネットニュースをさらっと見る程度。
新聞は月1くらいで資源ゴミに出すのが重労働で大変だから取らない。
朝は出勤すること自体がめんどうで憂鬱だし、夜は仕事で疲れてしまった体には何も考えなくていいバラエティやeテレやネットくらいがちょうどいい。自分の好きなものばかり、楽なものばかりを見ている。
日々それくらい適当にニュースを見ているから、政治家への不信感が強くて、日々の仕事や生活で疲れてしまって知ろうという気すら起きてこない。
映画が好きで、去年大好きな映画館キネマ旬報シアターで見た「はりぼて」という政治ドキュメンタリー映画がめちゃくちゃおもしろくて、「なぜ君は総理大臣になれないのか」にも興味があった。
予告編を見ると主人公の小川淳也さんという政治家が、「民主主義は『51:49』の51がどれだけ49を背負っていけるかなんだ」みたいなことを言ってて、すごい、こんなちゃんとした政治家いるんだーとヒトメボレた。
ただ学校で「社会」とかで勉強したはずの一般常識、税金や社会保障、国の予算のこととか政治のこと、今の私の記憶にはほぼ残ってない。
でも今後の生活とか年金とかが危ういらしいこともわかる。
毎年夏が暑くて暮らしにくくなってて、春とか秋が短くて、台風や災害が異常なこともわかる。
日本の政治や政治家が嘘ばっかりついて、辞めずに反省もせずにそのままなことが多くておかしいことはわかる。
でもでも、どうしたらいいのかわからない。
著者の和田静香さんも、何がわからないかわからないまま政治家の小川さんのところへ聞きに行く。
小川さんは優しくて、和田さんにわかる言葉で説明する。何回も対話し続ける。小川さんは自分がいつも正解じゃないから対話が必要なんだと言う。和田さんもめちゃくちゃ本を読んで勉強する。小川さんに自分たちの暮らしがどれくらい大変なのか話す。小川さんもちゃんと聞いて一緒に考えてくれる。時には号泣する。
「ごめんなさい。そこは私の考えが足らなかった。勉強しておきます。」と素直に謝ったり、
「普通の人たちの、普通の生活が、何よりも尊くて」と泣いちゃったり。
ぜったい信用できるでしょこの人。
ぜったいいい人でしょ。
この小川さんをすごく好きになってしまって、衆議院議員選挙の時もインスタライブで街頭演説を見る推しぶり。
この人なら、自分たちの声をちゃんと聞いてくれるんじゃないかっていう人柄。
全然偉ぶらず、近所のいいお父さんぽい雰囲気の小川さん。それだけで応援したい。
政治について経済についてよくわからない私も、今何が問題で何に問題がありそうなのかがなんとなくわかって、ちょっと社会の内側に入れた気分。
今までは、うーん政治とか関係ないかなと外側にいた感じ。
あと和田さんの文章もすごくわかりやすくて、相撲オタクらしく時々入る相撲たとえがおもしろくて、親近感が湧いちゃう。
ニュースやネットや本屋で見る政治経済の話題はまだまだ難しいし、何が正解なのかもわからない。
けど、まだまだ知りたいし、ちゃんと見張ってないとなと思わせてくれた本だった。
ちなみにタイトルがけっこう秀逸だと思う。
口に出して言ってみるとラップみたいでリズムが良いし、覚えやすい。そして多くの人の思いの代弁をしてるし。
あと、装丁が凝っててかわいい。黒文字の部分は凹んでてボコボコしてる。表紙を取ると本の表面に小川さんと和田さんの似顔絵が謎にいっぱいある。かわいい。
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