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悔しギャン泣き息子

不機嫌ママを卒業したい、親と子の分かりあえるコミュニケーションを探究するすーこです。

書きたい事、考えてることは日々出てきますが、なかなか文章にまとめきれない…でも、それだけ、生きていると他者とのコミュニケーションを日々行っているんですよね。人とのやり取り、会話の一つ一つに学びのヒントが隠れています。いやぁ人間て深いな。で、結局ゴードンメソッドを用いて整理すると、私は腑に落ちたり前に進めたりすることが多いわけです。

さて、深いことを書き出すとまとめるのが難しいので、やっぱり我が家のストーリーを。今日も末っ子長男かんくんにお力をお借りしましょう。

ポジティブ男

うちの末っ子長男かんくんは、ポジティブ男です。親だからそう見えているというよりも、よその人に良く言われるのです。
明るいねー。元気だねー。健康的だねー。自己肯定感高いよね。オモロイよねー。好きやわぁ。
有難いことに、ポジティブな言葉をたくさんかけていただけるから、益々調子乗るよね。とにかく思考もポジティブ。
相当に偏りのある「俺フィルター」で、「なんでもめっちゃできる俺」に見えている節があります。(笑)

まぁ、そんな彼でも、家ではよく愚痴ってます。
あんな全力視野狭窄オレオレで生きてたら、アンチにもよく見舞われるし、学校では怒られるし、全力系の方との衝突も多々。
家では涙していることも、よくあるんですよ。

負け戦でギャン泣き

そんなかんくんは、ラグビーをやってまして、先日1年で一番大きな大会、県大会があったのです。小学3年はその大会でおしまいですが、6年生になると、関西大会、全国大会とつながっていく大きな大会なのです。
去年の6年生が全国大会に出場し、全国9位というなかなかに熱い試合を勝ち抜いてきたのを見ていて、「オレは6年で全国大会優勝する!3年からずっと県大会1位を取る!」と息巻いていたのです。

そもそも、彼の通うラグビースクールのモットーは「ラグビーを好きで、長く続けてもらう」こと。そこが第一義。勝負事は勝てる方が絶対楽しいけども、勝つことを第一義にはしていないのです。
だから、普段から上手な子だけをどんどん強化、みたいなことはやらない。県大会は、勝ちに行くという方針だったので、なるべくスタメンでリードして全員出られるようにするぞ、全員で勝つぞという感じでした。

結果、1試合目はチームの良いところ、練習でやった形がしっかり出せて、しっかり勝利。嬉しそうでした。
彼ら小学3年ですしね、試合の合間は、お菓子食べたりゲームしたりキャッキャキャッキャ戯れたり。緊張感なんてあったもんじゃない。(笑)
そして迎えた2試合目、ボコボコにやられたのです。よく頑張ったんですが、焦って練習でやってない形、各々が無理なプレーをしたり、ペナルティがあったり、あれよあれよと崩れていきました。結局、全員試合にでて、よい経験をしました。
試合が終わった息子の目には涙。コーチのお話もあり、解散して私の元に近づいてくると見る見る顔が崩れていく。
くっしゃくっしゃの顔でオイオイ泣き始めたのです。
久々のギャン泣きでした。
泣いてる子も結構いたけど、オイオイ声上げて泣く子はさすがにいなかったね。(笑)
いつも笑顔でひょうきんな息子に、周りの保護者さんたちも意外だったようです。
私ももらい泣きしそうになっちゃいました。

こんな時どうしますか?

さて、みなさんはこんな時どうしますか?
子どもが辛そうなときって、親である自分も辛くなる方もいらっしゃるでしょう。病気の我が子を見ると「代わってあげたい!」と思ったりね。私もほんと胸が締め付けられる思いってあります。

とにかく早く立ち直れるように、慰めたり、励ましたり、するでしょうか?
次勝てるにはどうしたらいいか、を一生懸命伝えますか?
あんまりギャン泣きすると、周りの目が気になるでしょうか。
男なら泣くな!しゃんとしろ!と言いたいでしょうか。
とにかく泣き止ませなきゃ。と思うこともあるかもしれませんね。
お菓子あげたり、変顔で笑わせにかかったり、ゲームする?YouTube見る?公園行って遊ぼう?…気を紛らすようお手伝いしてあげるというやり方もあるかもしれませんね。

子どもが辛い時、親ができること

私も、ゴードンメソッドに出会う前ならば、「こんな時、親として何をしてやるべきか」を考えたと思います。「どうしてあげたらいいだろう?」と。
そして、きっと励ますんじゃないかと思います。
「こんな時もあるよ。負けたらその分強くなるよ。いいプレーもあったね。この負けが次につながるよ!君ならできる!」などなど…言いそうだなと思います。

勿論、どれが間違いだとか、いけない、とか言いたいのではありません。どれも、子どもを想ってこその親心。愛情ですよね。

でも、ゴードンメソッドを学んでいる私は、子どもには悲しんだり苦しんだりする権利もあると思うし、そこから自分で立ち治る力があると思えるんです。そう思うと、「親として何かしてあげなきゃ!」という焦りがほぼないのです。「なんて声をかけてやるべきか」とかはあんまり考えません。

おぉ、苦しんでるねぇ、辛そうだねぇ、こりゃ君の糧になるねぇ。と、いじわるでもなく、子どもがぐんと成長する時だと思えるから、泣いて辛そうな彼も受容できるわけです。
ここでゴードンメソッド的に考えると、親の私が、息子が泣いているのを受容できて、息子は辛そうなのだから、私のできることは『能動的に聞く』ということ。
息子に共感して、彼から伝わってくる思いをフィードバックしていきます。
「めちゃめちゃ悔しいなぁ。」コクコク(頷く)
「勝ちたかったよな。がんばったもんな。」コクコク
それでも、ますますオーイオイなく息子。
周りのお母さんが見兼ねて。「よう頑張ったな!」「お菓子あげるよ~」「こんだけ悔しがれるんは大物なるな」いろいろ声をかけてくれました。
そんな優しさにリアクションできる余裕もなく泣いてました。代わりに母はみんなの好意に感謝。
私も途中「上着着る?」とか「もらったお菓子食べる?」「椅子座る?」とかは挟みましたが、それは首を横に降って泣き続けていました。
だから私は横にいて、寄りかかってくる息子の肩を抱いたり、頭なでたりしてました。離れたそうにしたら体を離して。またくっついてきたら背中をさすって、と。
急いで帰る必要もなかったし、外で泣く声が誰かの迷惑になるでもなかったし、私は存分に彼を受け入れる心の余裕があったのです。よく泣くなぁとは思いましたが、早く泣き止んでくれ、という気持ちは別になかったので。
もう一人静かに泣いていたチームメイトの泣き止み、入れてもらってたタープの撤収が始まる。
「ちょっと移動しようか。こっちで椅子にどうぞ」その辺は、素直に応じられるくらいには落ち着いてきました。
次第に撤収していくみなさん。
「まだ泣いとん?俺ら、遊具んところ行ってくるで!じゃぁな!」と去っていくチームメイト。
切り替え早っ!!ほんま、いろんな子がいますよね。もらったガムで「当たりが出た!」と大騒ぎしてる子もいました。(笑)ほんと人それぞれ。おもしろい。
去っていく保護者さんはそれぞれ「泣き止んだら食べな」と焼き芋を置いて行ってくれたり、「日本代表のSO李スンシンも、子どもの時試合に負けたらめっちゃ泣いてたんやって。かんくんもきっとそういう選手になるなぁ」と素敵な言葉を置いて行ってくれたり、ほんとあったかくてありがたい皆様。泣いてて、返事もできないけど、たくさんの人のやさしさはきっと息子は受け取ったと思います。

あんまりに長くてトイレ行きたくなった私。息子に聞くと、ちゃんと「いいよ」と言ってくれる。(笑)
トイレから戻ると、コーチが息子の目の高さまでしゃがみこんで、息子の膝に手を置きながら、なにやら語ってくださっている様子。
ちょうど立ち聞きできないくらいの距離でその様子を見守りました。
泣いてる息子ほったらかしと思われたかな。(笑)
ほんと大事にしてもらってるのが分かるから、胸が温かくなります。
ほんと感謝です。
コーチに「さよなら」とあいさつができたかんくん。
ぼちぼち泣き止みますか、となったようで、いただいたお菓子を物色し始める。
おもむろに立ち上がってどこに行くかと思えば、試合結果のトーナメント表を見て「わぁーこんなにやたれたのかぁ。こっちの試合もはすごい点差だなぁ。」と普通に語り始めた。
椅子に戻ると、おいしそうにいただいた焼き芋やらお菓子やらを頬張る。

これで、私の「能動的な聞き方」はいったん終了。
私、なんにもやってませんよね。(笑)
でも、彼の気持ちをまるまんま受け止めるよって気持ちで、自分で泣き止めるよなって信じてそばにいた、それだけです。(笑)でもそれが彼にとって一番の助けになると思えたのです。

元気になっておやつ食べてる息子には、コーチやいろんな保護者の方が声かけてり、おやつくれたりやさしさがうれしかった。とか、私の思いを伝えました。
更に元気になってきたら、「君のでっかい目標はなんだった?」と問いかけて、もっと先の目標に向かうのにこの負けは無駄じゃないという私の考えを伝えたり、今日のいいプレーを伝えたり、あそこは改善できそうだねって話をしたりしました。
元気な時は、いろんな話ができます。親の価値観も、励ましたい気持ちも、反省会も。ちゃんと子どもが、受け取れる時に伝えると、すごく伝わった感があります。そんなときも、子どもが何か自分の言い分を主張してきたら、そこはしっかり聞くことも忘れずに。

帰宅した息子は、他学年のコーチでもある夫とビデオを見ながら反省会。
冷静にビデオを見ると、夫の「これはできてるやん」と「これはアカンやつや!チームにかなりマイナスや。」「ここはこうした方がいい」というダメ出しやアドバイスも素直に受け取れるようでした。
息子が夫を信頼しているのがよくわかり、私も見ていてうれしくなります。

コーチから連絡が入り「来週の練習はお休みだって」と伝えると
「えーーー!!早く練習したいねんけど!!」
わお。めっちゃやる気になってるやん!

やっぱり、しっかり悲しんで悔しがってたこと、よかったんだろうな、と思いました。そのまんまを受け止めることが、子どもには何よりの「君をしんじてるよ」ってメッセージにもなるんだと思うんです。
そして、やっぱり、この子には立ち治る力があるんだよね。ますます、私の子どもを信じる気持ちもアップします。

その後

何日か思い出したように「勝ちたかったな~」と言っていることもありましたが、能動的に聞くとすっと収まっていました。

そして、最近さっそく交流戦がありました。
さっそくコーチに強くなるために教えて欲しいことを伝えたらしい。コーチもこれからやろうと練習しようと思ってたから頑張ろうなと言ってもらったらしい。
そして交流戦では、勝ったり負けたりでしたが、彼に憂いの色は全く見えず。チームのみんなも元気を取り戻していました。
彼なりに課題だと思ったことを意識して懸命にプレーの中でやろうとしている姿が見られたのです。声もしっかり出していました。
たいしたもんやなぁ。
親バカな母は感心いたしました。
その日の勝ちからも負けからもまた学びを得た様子でした。
こうやって、子どもは自分で傷つき、辛いことに出会っても、周りの力も借りながら、ちゃんと前を向き進んでいくのだろうと思うのです。
頼もしい限りだなぁ。
そういう姿を近くで見せてもらえるのは、子育ての醍醐味だなぁと。

そろそろ締めます

長いばかりで、とりとめもない感じになってしまいました。

とにかくね、我が子って友人の言葉を借りるなら「どこに出しても恥ずかしい息子」で、常にツッコミどころ満載で、いろんな方にご迷惑をおかけしながら生きているんですが、
それでも根底の部分で、「この子は大丈夫」と思っている自分がいるのです。
そこがゴードンメソッドを学び続けていて、持つことができるようになった大きなところであるように感じています。

そして、その「この子は大丈夫」と親が思っている事って、子どもには伝わっているのだと思います。言葉の端々や、非言語のあらゆるところから。
それが結局のところ、こどもが「自分は信頼されている。自分は大丈夫。」と思えるベースになるのではないかと思います。

ゴードンメソッドは、具体的なコミュニケーションの方法でそれを子どもに伝えることもできるし、親が自分の気持ち整理する方法もあるし、マインドも整っていく。それらが相互作用しあって、よいサイクルがぐるぐる回りだすような、そんな奥深いメソッドなのです。
とても抽象的ですが、ゴードンメソッドを使う人には実感してもらえるのではないかと思います。

勿論、ゴードンメソッドがなくても、ばっちりな方もいらっしゃると思います。ただ、私は、人として親としての自分に全然自信がなかったし、子どもとの関わり方にも間違っている気がして仕方ないという状態から、ゴードンメソッドを学ぶうちに変わってこられた現在進行形の経験があるから、こうして書いてしまうのです。

締めると言って締まらない。長すぎです。
ここまで読んでくださった方がいらっしゃれば、もう感謝感激です!
それではまた。


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