性格を変えるにはコミュニティを変えろ
コルク代表の佐渡島庸平さんが
「アバターというフィルターを通すと自分の性格を容易に変える事ができる」という旨のお話をしていた。(有料ですが、無料部分だけでもおもしろいです)
要は、アバターなどを介したバーチャル空間では、普段の私たちとは異なるキャラ(性格)を演じることができ、その演じる難易度も低くなっている、ということだ。
確かにアメピグ(下の写真のようなものです)では、過激なアバターが多いし(ターゲットの年齢層が低いということもありますが)、アバターのいないTwitterですら物議を醸す発言が蔓延している。
リアルな空間では、おそらくこうした人達もそこまで過激な性格ではないんだろうなと思う。でも、バーチャル空間において過激な発言をしてしまうのは、佐渡島さんの言葉を借りれば、「アバターに自分の体を重ねることで、精神までが拡張していく」からなのかもしれない。
この精神が拡張する(拡張したように錯覚する)、というのは、バーチャル空間において”アバター”というフィルターを介した際の特徴だと思う。場合によっては、精神が縮小してしまうフィルターがあるのかもしれないし、何も変わらないフィルターもあるかもしれない。ただ今後の流れは、間違いなく精神が拡張していく方向に進むだろうと思う。
いずれにしてもフィルターを介して精神の拡張または縮小が行われるということは、つまるところ「状況や肩書きに応じてキャラ(役割)を演じる」ということだと思う。
そして以前は、こうしたバーチャル空間的な役割、アバター的な役割を地域コミュニティが担っていた。
肩書きのない現代
地域コミュニティとは、ざっくりと言えば「地域における様々な集団、組織のこと」を指すが、以前は、とにかく地域内のコミュニティ(組織)が多かった。町内会、PTA、消防団、子ども会、婦人会、社会福祉協議会、地区体育協会、まちづくり協議会、同好会etc…
少々考えただけでも無数に存在する。
しかも、組織の役職は減らないが地域内の人口は減ることから、毎年何かしらの役割が回ってきていた。一人一役では足りない地区も多かったので、社会福祉協議会会長とPTA副会長、子ども会会計係とまちづくり協議会理事といった具合に別組織の役職を兼務することも少なくなかった。
そのため、こうした肩書きが多い時代では、必然的に役職に応じた立ち居振る舞いが求められる。
おとなしい人であっても自治会会長であれば、リーダシップが求められるだろうし、どんなに地主さんであっても、理事であるならば理事長を立てることが求められる。だからアバターが居なくても、バーチャルな空間が無くても、リアル空間において精神の拡張ないし縮小は少なからず起こっていたのではないかと思う。
ただ、近年は自治会やPTAも強制加入ではなくなり、肩書きそのものが少なくなっている。だからこそ、私たちはバーチャル空間を通して新しい肩書きを獲得しているのではないだろうか。
とすると、性格を変えたければ、オンライン、オフラインに関わらず多くのコミュニティに所属することによって変えることができると思う。そして、そのコミュニティからの役割期待(「○○さんは、こうあるべき!」という周りからの期待)に応えるよう訓練すれば、おのずと性格が変わっていく。
また、バーチャル空間において出来上がったコミュニティは、結局リアルなコミュニティを希求する(下記の記事から参照)ことを踏まえても、あらかじめリアルなコミュニティにおいて性格を変える、キャラを演じる訓練をした方がより豊かなコミュニティライフを送ることができると思う。
おそらくこれから、バーチャル空間におけるコミュニティのあり方について検討が蓄積されると思う。令和元年でありながらもバーチャルコミュニティ元年だから、私も頑張らないとな。そんなことを考えた1日でした。