カレーは和食だ|京都
元々は和食じゃないのに、日本の家庭に馴染んでいる料理たち。
その代表格が「カレー」です。
カレーは、18世紀にインドからイギリスに伝わり、スパイスに小麦粉でとろみを付けたカレー粉が発明されます。それが明治時代になって日本に。
その頃に書かれた『西洋料理指南』には、カエルや長ネギが具材として記されます。
その後、北海道でたくさん作られた玉ねぎ、じゃがいも、ニンジンを具に、日本式カレーとして定着していったのだそうです。
私は子どもの頃からカレーが好きです。
小学校の給食で、月に1度の米飯といえばカレー。
料理が苦手と公言していた母親の自信作がカレー。
そして今、ここぞという日のランチはカレーです。
私にとってカレーとは“命の源”。
そんな大切なカレーだから、お店にもこだわりたい。
京都には、実は美味しいカレー屋さんがたくさんあります。
内装にもこだわるお店から、間借りカレーまで。
群雄割拠の戦国時代です(消える店も実は多い…)。
そこで、私が通うオススメ店をご紹介します。
初回は、
京都市中京区夷川通高倉東入にある
「ココハイチエ」さんです。
このお店は全国各地の旬の食材を活かした和食店。
ランチタイム(11:00~14:00)だけ、カレー専門店として営業されています。
店内はうなぎの寝所のように細長く、
入ってすぐがテーブル席、奥に進むとカウンター席があります。
店内は、控えめの照明でバーのような落ち着いた雰囲気です。
私はいつもカウンターの最も奥側に座ります。
メニューは4種
・チキンカレー
・九条ネギのキーマカレー
・海老バターカレー
・黒毛和牛のビーフカレー
2種を組み合わせた「あいがけ」も可能です。
今回注文したのは、
海老バターとチキンのあいがけです。
楕円のお皿に丸く据えられたご飯の上には揚げ野菜。
白菜のお漬物も添えられています。
ご飯の両脇には2種のルー。
少し粘りがあって、ご飯にほどよく絡みます。
私は、カレールーがご飯にどっぷりかかっているよりも、少しお米の白が見えているぐらいで食べるのが好みなので、お望み通りです。
パッと目を引くエビのフライが乗っているのが、海老バターカレー。
口に入れたら魚貝の旨みとバターのコクがまずやって来て、その後にスパイスが追っかけてくる感じ。旨みがじんわり染みる優しい味です。
海老フライはカリカリと香ばしく、私はまずそのまま、半分はルーと合わせていただけます。
あいがけの場合、ルーを片方ずつ食べるか、交互に食べるか迷うところ。
ただここでは、それぞれの旨みが深いので、混ぜてはもったいない気がします。
なので私はいつも、片方ずつ。
良い塩加減の揚げ野菜で一息ついたら、チキンカレーに。
ゴロッとした鶏肉がジューシーで、旨みもしっかり出て、まろやかな口当たり。
鶏皮?の揚げたものも入っていて、香ばしい食感も楽しめます。
さらに白菜のお漬物良い仕事をします。
私がこのお店に伺うのは、ちょっと疲れたなーってとき。
出汁のきいた美味しいお味噌汁をいただいた時、力が抜けてホッとする感覚ありますよね?
それがカレーで味わえる。そんなお店です。
辛さも控えめで、食べた後のリラックス感もやみつきです。
さすが、和食店。
料理人の方の丁寧な仕事と、匠の技が光ります。
最後には、抹茶ドリンクも。
これが、あなどれない。
飲めば口の中がさっぱりと整うのです。
細やかな気配りのおもてなし。
もうカレーが和食なことを教えてくれる名店です。
食べれば心から癒されるカレー。
ごちそうさまでした。