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私はもう、あきらめている
今日の仕事終わり
ご陽気に職場を出て歩いていたら雨が降ってきた。
え?
ぽつりぽつり
ぼとぼとぼと
ざざぁーーー
聞いてない。
傘などない。
そそくさと
アーケードに逃げ込み事なきを得る。
空を見上げたらきれいな半月が、涼しい顔して輝いている。
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どこから降ってくるのだ?この雨は。
もはや理解不能だが、
もうすでにあきらめている。
***
思えば私も平均寿命の半分を消化した。
そして、いつしか多少のことでは驚かなくなった。
感情の上げ下げが小さくなった気がする。
いや、下げ幅だけは大きくなった。
良いことと言えば、仕事で予想外の事態にもあまり慌てない。
何なら「そうきたか」と楽しんでいる節さえある。
反面、あまりワクワクしなくなったが涙もろくなった。
びっくりしない代わりにどっぷり静かに落ち込む。
20代では30代を
30代では40代を
生きてる自分を想像できなかった。
そして今、50代になった自分を想像できない。
だがいつも、シレッとその年代を生きている。
***
若いというにも
ベテランというにも厚かましい
宙ぶらりんな今の私。
この後も、不意打ちみたいに歳を重ねつつ、
その時々に折り合いつけて生きていくんだろうか。
まだまだ若いぞ!
強がりに反して小さい文字は、もう見えない。
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