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アートの晩餐|風に舞う命のささやき
私が美術展に行って、心に残ったとっておきの作品をご紹介。
皆さんと一緒に自由に楽しく味わう「アートの晩餐」。
今回は、「六甲アート・ミーツ2024beyond」で出会った、いくらまりえ《おいで おいで》です。
いくらまりえ
1986年 神奈川県出身、東京都在住
2010年 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒
空間全体を使い、時間を描き留めるように筆の軌跡を重ねます。
創作の原点である、「今」に夢中になった子供の頃の砂遊びが、制作プロセスそのものに重きを置く作風へとつながっています。
実家は幼稚園でした。
記憶にある最初の作品は、その砂場で作ったお団子山でした。
楽しくて楽しくて、無我夢中で作って過ぎていく時間や無くなっていくものに抗うように生ききっていた姿に強く憧れています。
自分はまだあの砂場にいて、今は無我夢中に絵を描いているのかもしれません。
「六甲アート・ミーツ2024beyond」は六甲山内の各所で作品展示を行う現代芸術祭。この作品は、森の音ROKKOミュージアムの庭に展示されています。
庭と言っても山の斜面を利用したもの。
いくらまりえさんの作品は、沢沿いに幾重にも展示されており、私たちを「おいでおいで」と森の奥へ誘います。
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この作品は、いくらまりえさんが現地で布を吊して、長い筆で描いたものだそうです。
風の動き、森の匂い、そして森の生き物たちの息吹など、確かにそこにいるけれど、目には見えないものが映し出されているような、命の躍動感。
そして、作家が風に舞うように、自然に身を任せて描いていった様子が浮かび上がる。そんな楽しさや幸福感が伝わってくるようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1726931127-61wtdnqWhBglSKZTLzryeoR9.jpg?width=1200)
最も高い位置にある囲われた空間は、屋外アトリエのよう。
ここから作品が沢を下り、森に溶け込実、そして自然の一部となっていくような、とても壮大な時間と空間の流れを感じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1726931086-ZN9JEYVGoqlBwp4ROags0yTF.jpg?width=1200)
日本人が大切にしてきた自然と共に生きる暮らしや精神性を、改めて考えさせられる。美しく、優しく、そして力強い作品でした。
ぜひ現地で、作者と同じ空気を感じながら鑑賞してみてください。
皆さんはどのように感じられましたでしょうか?
それではまた、素晴らしい作品をご一緒いたしましょう。
「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」
テーマ:新しい視界 Find new perspectives.
会期:2024年8月24日(土)ー11月24日(日)
時間:10:00ー17:00
*会場により一部異なる
会場:ROKKO森の音ミュージアム、六甲高山植物園、
六甲ガーデンテラスエリア、トレイルエリアなど