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Designship 2024 プレイベントLT登壇レポート
2024年10月12日(土)・13日(日)の2日間にわたって開催された日本最大級のデザインカンファレンス「Designship 2024」のプレイベント「2025年のデザインを解き明かす4つの視点」を2024年9月23日(月)にGMO Yours・フクラス@渋谷で開催しました。
プレイベントでは、生成AI、デザインシステム、デザインマネジメント、アートディレクションという4つの視点にフォーカスし、業界をリードする専門家たちが最前線の知見と実践例を共有。GMOペパボではLT大会にRNS(りなし)が登壇しました。
今回の記事では、その様子をご紹介します。
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自己紹介
GMOペパボ株式会社 EC事業部 デザインチーム アートディレクション・コミュニケーションデザイナー RNS(りなし)です。主にカラーミーショップでショップオーナーさまに向けた管理画面のデザインや、新規の方向けにサービス理解を深めるためのデザインをしています。詳しい職務内容や事業部の紹介などは以下の記事をご覧ください。
登壇テーマの決定
以前参加したイベントで他社デザイナーさんに、「ディレクターやマーケターさんととどうやって合意を取って仕事をしていますか?」という質問をいただいたことがありました。
その方はデザインを作成する上で違う視点を持った、違う職種の方とのコミュニケーションに苦労されている印象でした。
自分も過去にデザイナー以外の職種の方とのやりとりに苦労した経験がありましたし、マーケティングの視点を持った方々との合意形成についてはデザイナー誰しもが一度はぶつかる壁だと思います。
そこで自分が経験してきた現場でのTipsを交えつつ、合意形成の持っていき方を自分なりに噛み砕き、今回のLTに「デザインの枠を超えて:チーム力を最大化する3つの鍵」というタイトルをつけ、内容を考え始めたのです。
デザインをすることは「通訳をする」こと
デザインを作ったのに、なぜかチームの他のメンバーにうまく伝わらない。または、マーケティングチームの一員として、自分の役割がどこまでなのか悩んだことは?
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デザインをする、という言葉は時々「グラフィックを作成する」という意味と捉えられがちです。私にとってデザインをすることは「通訳をする」ことだと解釈し、協業いただく方々にもお伝えするようにしています。
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私が考えるデザイナーの業務とは、チーム全体の会話をスムーズにし、ごちゃごちゃした考えをすっきりさせ、頭の中だけにあるアイデアを目に見えるものにする役割を与えられていると考えています。
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以前のマーケチームでは
週の中盤にいきなりキャンペーン開催の依頼が飛び込んでくることでタスク見積もりが無駄になってしまった
とあるイベントのグラフィック作成に対して、1日しか取られていない状況
新規ページ作成のデザイン、とタイトルだけが書いてあるIssue
などがよく存在していました。
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流動的なスケジュールの中で臨機応変に「ビジュアルを作ること」はデザイナーの本来の役割ではないのでは?ということにやきもきしていました。
デザイナーにとって「グラフィックを作ること」というのは手段です。目的でもゴールでもありません。その手段をとる背景には何かの「認知を引き起こしたい」「行動してほしい」「こうありたい」などの動機や目的が存在します。
そう考えた私は、マーケチームでディレクターに対して「制作における共通認識」を作っていくことが重要だと感じました。その中でも主に3つのアクションにフォーカスしていきます。
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施策のスタート段階からクリエイティブ表現の着地までをディレクターと決定していきます。コストやクオリティの部分までについて可能な限りの見積もりや起こりうるケースについてなど細かく話していきます。
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ここでは実際に制作を進行していくところから、「施策の目標を達成するまでに一体どんなことがあると良いか?」といったことをベースに話し、時にはお互いに並んで手を動かしながらクオリティを上げていくと言うことも行います。
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今まで対応していた流動的なスケジュールの中身を突き詰めて考えていったところ、「見通しの立てづらいフローの不確定さ」があると感じました。ここで大切だと感じたことは、常にフローの改善を行なっていくこと、さらにフローの徹底をチーム一丸となって取り組んでいくと言うことです。
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これら3つの鍵を使ったアプローチをし、1年間でこのような結果に繋げることができました。
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自分がこの結果から得たこととして、デザイナーとしての役割をひらいたこと、他職種の求めていたパフォーマンスを出せることを証明できたのではないかと感じました。
結果、課題や目標をチーム全体の「私たちごと化」として高めるように橋渡しをし、最高のコンテンツを最速でターゲットに届けられるようになりました。
最後に、今回ご紹介したアクション、ついてきた結果はそれこそチームの協力なくしては得られませんでした。チームメンバーに感謝します。
まとめ
私自身「ちゃちゃっとデザインしてください」と言われることが非常に苦手です。一方的に作ったクリエイティブが依頼者の思惑通りいくことなんてないと思っています。
最初にお伝えしたとおり、デザイナーが得意とすることはチームの中のさまざまな考えや、難しい戦略、複雑な数字やデータを、誰もが一目で分かるカタチに変えることだと思っています。
3つの鍵を使って、様々な職種の仲間とゴールに向かうための最善策を最速で実行できる事例を作れたことは大きな一歩でした。
この一歩により流動的なスケジュールや臨機応変に合わせて「わかりやすいグラフィックを作ること」がデザイナーとしての仕事ではなく、「最高のコンテンツをお届けする」ことが、私たちの仕事であり目的になりました。
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参加してみて
自由LTということで、あたたかみのあるスタートで楽しかったです。
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登壇する前に「コミュニケーションデザイナーとして自分が話せることとは…?」と結構悩ましく思っていた部分があり、精神論ばかり問いてはいないだろうか?と葛藤していました。いざ始まってみると同じく登壇されている方々もチームや協業について近しいトークをされていることにホッとしました。
今後どんな仕事・フローでも、協業というのは避けて通れない共通課題であり向かう先です。時代の波に乗って自動化やAIがやってきても、その吐き出されたアイデアをどう作りきるかはデザイナーやチームに責任があるように思います。
その責任と、作り上げる力をつけるためにチームで徹底的に話しあい、同じ視点、目を養っておく。
そうすることで質の高い仕事、アウトプットができると信じています。
今後の展望
展望とまではいきませんが、自分は現場での経験を活かし、ポジティブに仕事を進めていけるように、今までのやり方と新しい技術との取り組みをアクションしていくコミュニケーションデザイナーとして動いていきたいと思います。
そこで最後に宣伝なのですが、来る12/5に僭越ながらLTをさせていただく機会があります。
2024年最終章:"大"テック業界忘年会
12/5(木) 18:30 | 品川区大崎1丁目2−2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 5 階 | By CrossRel
AIと毎日
私「コミュニケーションデザインって難しいね…。」
AI「そうですね!ですが…」
私「ふええん🥺」
といった会話をしている私の現場Tipsなどをご紹介するのでぜひ遊びにきませんか?一緒に今年を労いましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました。弊社のデザイナーの取り組みに興味が出てきた方向けに、現在カジュアル面談を実施しています。
わたしたちの企業理念である「もっとおもしろくできる」に共感いただける方、この理念を知って少しでもワクワクした方、まずは気軽にお話ししませんか。
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