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木の切れ間から覗く光は毎日表情を変える

日々の変化に敏感になること。

最近私が通っている講座で、意識してほしいこと、と言われたことだ。

その直前、ちょうど映画「PERFECT DAYS」を観たこともあり、その言葉は私の中にしっくりと入ってきた。

映画「PERFECT DAYS」は、東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山の毎日を描いた物語である。ただただ目の前のこと、例えばトイレ清掃などに向き合い、決まったモーニングルーティーンをこなす日々は、ただの日常の繰り返しに見える。

人によっては「単調な毎日」「何も起こらない、つまらない毎日」と言ってしまいそうな暮らしぶりだ、と。

ただ、平山は言うのだ。

何も変わらないなんて、そんなばかな話ないですよ。

と。人から見たら変わらない日々でも、平山の中ではしっかり変わっているのだ。

その1つを象徴する行動が、平山がとある境内で毎日空にフィルムカメラのファインダーを向けて撮影し続けるシーン。決まったベンチで、決まった角度(に見える角度)で撮影するそれは、側から見たら変わり映えのない画しか写っていないかも知れない。

しかし、平山はそれらの写真の、少しの変化にしっかりと気づいていた。

このシーンがすごく好きで、私は最近フィルムカメラを取り出して、平山と同じ行動をとってみている。

すると、たしかに違うのだ。空の色、枝葉の分け目、風の吹き方…1日たりとも全く同じ画が撮れたことはない。

2020年に公開されたソウルフルワールドでも、同じような鑑賞後感を味わったのを覚えている。

主人公のジョーは、夢が叶う一歩手前でマンホールに落下。それがきっかけでたどり着いた“ソウル”の世界で、やりたいことを見つけられず、“人間に生まれたくない”と何百年もソウルの世界に留まっている“22番”に助けを求めると言う話なのだが“やりたいこと”とはそんなに大それたことでなくていい。ただ、毎日を生きるというだけで幸せなのだ、という気持ちにさせてくれる。

自分の過ごす毎日は、なんておもしろくないのだろう。そう思うこともしばしばあるが、それはおそらく自分の変化に敏感になっていないだけなのだ。

今日も私は、お気に入りのライブ映像を見ている。

これを見るのは、もう10回以上になるが、全く飽きることはない。

毎日同じものを見てもおもしろくないんじゃないか、と思う人もいることだろう。

しかし、私にとっては、これも毎度同じことなんてない。推しの瞬きの仕方的を見て緊張しているなと思ってみたり、ここの声が好きだなが日々更新されていく。

何度見ても好きが増えていく、それもまた日々の変化に気づくと言うことなのではないだろうか。私はそう思う。そしてそう思える自分が好きだ。

いずれにせよ、日々の変化に敏感にーー当分の課題になりそうだ。

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