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気球に乗って地上の自分を眺めてみる
数年前、心理学に関する挿絵のお仕事をさせていただいたことがあり、
その時の下絵(アイディア出しの段階のラフで、納品したものとは異なります)で、雑談。
その時、耳にした
「地球遊園地に遊びにきている」
「地球テーマパークに学びにきている」
と言った例え、私はしっくり来ました。
そうだよね、すごく楽しみにしていた地球ライフなのに
「あれ?私、何しに来たんだっけ?」
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アトラクションはたくさんあるのに、
書いてきたはずの予定表も、地図も真っ白で。
頭の中が真っ白になってしまう。
ここで、自分で描き始めることができたら、一抜け。なんだけど
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ほとんどの私たち、とりあえず
クチコミ評価が高い人気のアトラクションとか
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おすすめコースとかに乗っかるし、乗るしかなかったりする。
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モデルコースに問題なく乗っかれる人もいれば、
脱落する人もいる。
はい、私も脱落組です(笑)
コースから外れ、人と同じに出来なくても、
何かに打ち込んで、頑張れば、いー人でいれば、
居場所が得られたり、報われたりすると信じたくて・・・
そんな、挿絵を依頼されたストーリーは、
数年前の、自分にも当てはまっていました。
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気づくと、壊れていた。
この段階で、プロに相談できれば、また「一抜け」なんだけど、
仕事をやめられない金銭的な不安など、様々な理由から
立ちどまれずにそのまま、自分の闇に吸い込まれていく。
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で、まぁ世の中いろんなことあるし、理不尽なこともあるけれど、
まんまとそんな罠に引っ掛かった自分が悪いんだし。
お化け屋敷なんてもう怖くない。
・・・という原稿を読みながら、
「(私も)あったわ、それ、」と・・
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残業続きの最終電車。
酔っ払いさん多数で、電車の中が飲み屋さんの匂い。
そんなのもう慣れっこだったけれど、
窓の外の暗闇、そこにうつった自分の顔は、
・・・世にも恐ろしかった。
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動きが早いアトラクションに飽きた頃、
観覧車に乗って見たりするといい。
現実で言ったら、小旅行や休暇を、という例えですよね。
視点を変えて、場所を変えて、
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海が思っていたよりも近くにあると気付いて、
観覧車を降りて、海に向かう。
なんか、その気分もよくわかる(泣)
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「ただいま」
という気分になる、なんでここを自分は忘れていたんだろう?
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自然の中に入っていったり、
美しいもの、純粋な動物たちに触れるなどして、
浅くなっていた呼吸が、深くなっていった頃。
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多くの人が、自身のインナーチャイルドに出会う。
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この段階で、どのように浄化され、癒されていくかは、
本当に人それぞれで・・・
(しんどい人は、プロのサポートを受けることをお勧めしたいです)
自分を取り戻すために、自分の子供の頃の夢と一緒に、
またしばらく、気球に乗って旅をする人もいる。
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飛んでいかなくても、少し浮上した気球から、
ふわふわ風を受けながら、お日様の匂いを吸い込みながら
地上の自分を眺めてみる。
このワークを、プロにサポートしてもらえると助かりますよね。
そういった、人の心を支えてくれるお仕事の方が
最近とても増えているのもわかります(需要は高まっていくばかり)
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ところで私の場合、気球に乗るのではなく、入院だったのだけど。
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病室の窓から、町を見下ろして(都会ではなく住宅地にある病院だった)
学校帰りのランドセルや、
毎日同じ時間にスーパーに買い物に行っているお年寄りの歩き方、
自転車にお子さんを乗せて走るお母さん。
聞こえないけど、親子の会話が聞こえきそう。
そんな街の様子を眺めていて、忘れていたものを思い出しました。
・・・
「あ、これ(忘れていたもの)」
と気付いた時、何年ぶりかの泣き方してました。
映画を観たり、もらい泣きのそれとは違う泣き方。
あれが、私にとっての、最大の浄化であり、癒しのタイミングだったのかもです。
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なので(って、めっちゃ理由を端折ってますが)
今、クリニックやカフェ、個人のお宅に飾る絵などを、
オーダーメイドで描くことをメインの仕事にしています。
心に効く色、調合してます^^
・・・
ここまで読んでくださってありがとうございます。