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ボードゲームデザイナーのベテランと素人の違いの話。

とかなんとかタイトルに書いてるわけですけれども、「マウント取り」をしたい訳じゃなくって、この辺頑張ると、ゲーム、もっと面白くできるかもしれない、っていう自分の過去を踏まえた経験則のお話です。
当時、これがあったらもっとうまくゲーム作れてたな、とかなんとか。

※割と重めな記事なのに、考えながら書いているので、きれいにまとまるかわかんないっす。


1.もっと面白いゲームが作りたい

ゲームデザイナーが誰しも思うことがあるんじゃないかな。
人によっては「もっと売れるゲームが作りたい」かもしれませんけれど。
今回は売る話ではないし、ベクトルも違う可能性があるんで、そっちだとかみ合わないかもです。

さて、ここで何を書くんだ、って話なんですが、より面白くするために知っておくといいこと、ベテランが知っていることを書いておきたいと思います。
もちろん、ベテラン勢に直接聞いたわけでもないし、アンケートなんかも取ってません。ただ、周りの長年作り続けている人らと、最近作り始めた人との違い、知識面を書いておこうかなって感じです。
そんな話は出たことはあるんですけれど、特筆する話でもないというか。


2.知識の違いについて(序)

ま、すでに知識の違い、とか言ってるので、知っているか知っていないか、特にいろんなゲームを知ってるか知ってないか、でしょと思ってる人もいるかもしれません。
正解です! おめでとうございます。

もうちょっと具体的に書きます。

すごく簡単は話を書くと、ボドゲを10遊んだことがある人と、1000遊んだことがある人、どちらが面白いボドゲを作れそうでしょうか?
言い換えると、ラーメンを1000試作した人と、10試作した人、どっちがおいしいオリジナルラーメンを作れるでしょう。って感じです。

そりゃどう見ても後者です。
もちろん、こういったことは「発想」「アイデア」が勝負だったりすることもあるので、一概には言えないよね、と考える人も多くいると思います。
もちろんその通りです。
では、知識10のままで、そういった知識を知らなくていいのか、といえばそれはNOです。これも賛成してくれる人は多いんじゃないかなぁ。

では、その差は、その違いは何なのか、って話です。この記事では。
この時点で「分かってないな」「違うな」って思う人は「アイデア」は降って湧いてくる、と思っているのかもしれないです。

もしそういう理解なら、それは違う、と言いたいです。
ふとしたことで思いつく「アイデア」ですが、これは降って湧いてくることはありません。
例えば、道を歩いている、世の中に疑問を持たない6歳児がオイラーの定理を証明できないように、その本人が「興味を持たないと」、「アイデア」は湧いてきません。

ほら、「ある日思いついたゲーム」が大当たりして、ロングセラーを記録している、という現象を見たことがあるかもしれません。
これは、本当にその人が何のきっかけもなしに思いついたのでしょうか。
答えはNoです。
必ず、それの土台となる出来事があったはずです。それはほかのボドゲを遊んだ時かもしれないし、日常の中にあったのかもしれません。
偶然なんて無いんです。その人が、超人だったり未来人だったり宇宙人だったり神だったら分かりませんけど。

余談ですが、1000遊んだ人と、10000遊んだ人に大きな違いがあるのか、といえばそんなことは無いと思います。10と1000で、遊び始めの人と、ある程度遊んだ人、ってイメージですね。



3.だから違いとは(本編)

一気に羅列します。

1)ボドゲ経験、知識
2)創作面からみた視点
3)インプットの種類
4)面白さに対する解像度
5)ボドゲに対するスタンス


経験上、これらのうちどれを更新しても、「作るゲームが変わる」感じがします。
1つずつ見て行きましょう。


1)ボドゲ経験、知識
一番わかりやすいのがこれです。
SNSでのネタ画像で、1つの単語を聞いたときに、思い浮かぶ単語が女性と男性で全然数が違う、というのを見たことがあるでしょうか。
具体的にそれと同じです。
自分が作ろうとしたゲームに対して、思い浮かぶ数が多ければ多いほど正義です。選択肢が増えることによってより多くのことを考えることができます。
逆に知っているために時間がかかる、というのはあるかもしれませんが、よりよい選択肢を選べる、と考えるとクオリティは上がるんじゃないかなぁ。

2)創作面からみた視点
ボードゲームをデザインするようになってから、遊んでいるボドゲの印象が大きく変わった、という人は多くいるんじゃないかな。
ある意味でボドゲがそのまま楽しめくなった、という不幸なパターンもあるんですが、いずれにせよ、感じることは増えたんじゃないかなと思います。
これもさっきの知識に近いところもあるんですが、それによってわかることがたくさんあります。
あー、このシステム上の問題をここで解決してたのか、とか「単純」に見えたゲームシステムほど、多くの問題を様々な手法で解決されていたりします。
それが垣間見えてくると、自分の武器になります。
後、自分が作ってて困ったことが発生した時に、先人が通った解決の道とかを知識として持てて、それだけで大分強いです。

3)インプットの種類
これはリアルに、ボドゲシステムのデザイン歴とは直結しないんですが、色々なものを見ている人ほど、システムそのものへの引き出しよりも、面白さに対する引き出しが増えます。
簡単な話です。遊園地に遊びに行って、楽しいと感じた人と、遊園地に行ったことがなく、その楽しさを理解できない人と、どちらがそれに関連した楽しさを持ったゲームを作れるでしょうか。後者では知らないんだから不可能です。
人生には、楽しさ、面白さなんて、無限に広がっています。
それらを知っていれば知っているほど、引き出しは広がります。
ただ、それだけではうまく行かなくて、それをうまく使う方法も知る必要があるんですが。

4)面白さに対する解像度
これは作り手側に回らない限り、かなり難しい話かもしれません。
ボードゲームデザイナーが割と早めにぶち当たる大きな壁、「面白いって何だろう」に対する理解度です。
いくつか解決策があり、先人の知識を借りる。つまり、本や論文、記事や講演の記録を読む、です。余談ですが、デジタル系の開発会社に行くと、最初にいろいろ教えてもらえりするそうな。知り合いのデジタルゲーム開発会社勤務の友達に聞いた時に、「いいなー」って思うこと、山のようでした。

それ以外で、一般人が手に入るものとしては、直接面白さを論じた、ロジェ・カイヨワの「遊びと人間」なんか割と有名ですね。私がこの本を知ったのはここ数年なんですが、その時いた周りのボードゲームデザイナーは全員知ってました。すげぇな。
他にCEDECの講演や、他ジャンルになるかもしれないですが、Noteやブログに多くの記事があります。(でも専門家が書いているのはあんまりないかな? 私と同じ素人が書いてるのが多い)
You Tubeであれば、桜井政博さんの動画がすごく役に立ちます。

後、手前味噌ですが私も書きました。記録がてら、って感じでもありますが。

この辺の話を色んなボードゲームデザイナーとしたことがありますが、結局はその人の理解しようとしてきた年月、その段階での理解度によって、分かるポイントが大きく異なります。
ひとまず記事を読むのもありですが、自分なりに考えて、自分なりに感じてから読むとまた大きく変わると思います。

それくらいわかんない話が多いジャンルですね。
そろそろ気づかれたかもしれませんが、1)~5)は、上からどんどん複雑になっていってます。w

5)ボドゲに対するスタンス
ってことで、今回書く最後のものです。
この話はアフタートークの内容は外に出さない、という制約を自分で付けてて詳しくは書けませんが、盤祭という自分のイベントの開催後、ゲームデザイナー2人と私でトークショーみたいなことを行ったときに出た、3人の共通点でした。
ボドゲデザインにおける大きく影響しているのが、そのスタンスです。
※当時は直接的にそういった話ではありませんでしたけど、そんな感じと受け取りました。

そして、ここが重要ではあるんですが、文字で表すには私もまだ知識と経験が足らないっていうね。

これらをちゃんと文字に起こされた記事や本もあります。(というか、その時にそんな話をしてました) 私が言ってたわけでもないので書きませんが、私が言ってたのは桜井政博さんの動画ですね。後、CEDECの記事。

本気度がどうちゃら、という感じではありません。
ボドゲとは、そこから見たエンタメとは、みたいな感じと言ったらいいのかな。深堀すると言いたいことからずれそうなので、この辺でやめときます。


4.まとめ

ボドゲ、作り始めたんだけどより面白くするためにはどうすればいいのか、という疑問に答える感じで書いたつもりです。
ちょっとそんな話を直接聞いたことがあったんで。※SNSとかじゃなくて、直接。

もちろん、だからベテランに勝てないのか、というとそうでもないことを最後に書いておきます。過去の自分も記事にしてますしね。w(マッチポンプか

そんな感じで、みんな、たくさん遊ぼう。

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