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好きなものには、よいべべ着せて
私は本が好きだ。子どもの頃から好きだった。小学生の頃、お昼休みに教室で本を読んでいたら、担任の先生に叱られた。
「ちょっとは校庭で遊んできなさい!」
そう言って、私を教室から追い出した先生。ひどい。コンサバなミッションスクールでそこまで怒られるからには、私はよっぽど教室にこもりきりだったのだろうと思う。
そのとき読んでいたのは、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』だ。クリスマスにサンタさんのふりした両親からもらったもの。ほんのりつやのある布張りで、かなり大きくなるまで私の宝物だった一冊である(今も手もとにある)。
本はいろいろ読む。そのわりにものを知らない。本を読むたびに「おおー!」と大げさに膝を打ちたくなる。でも、本は「お前、あほかいな」とは言わない。
年々、自分があほであることをさらけ出すのが苦痛になってくる。「40年生きてきて、それすら知らないの?」という視線を向けられるのは、どうにも悲しい。そんなアラフォーにも、本は優しい。
また、一日は24時間しかない。予定をぎゅうぎゅうに詰め込んだって、知り合える人の数には限りがある。さらに、その人の「髄」とも言える思考を引き出すまでにはどれほどの時間がかかることだろう。
それが本なら一発で叶う。「渉猟」という言葉があるように、たくさんの偉大な人々がつくりだす世界を自由にわたり歩ける。
前置きが長くなってしまったけれど、今回は、本にかけるカバーの話。
私の好きなもののひとつに、ブックカバーがある。なかでも、革製のものに目がない。
いちばん気に入っているのが「AQDO(アクュード)」のクロコ型押しの牛革ブックカバー。
AQDOの革製カバーをはじめて購入したのは、まだ東京にいた8年前。
鮮やかながらも大人らしい落ち着きを備えたピンクの文庫本カバーに一目ぼれした。革のブックカバーと言えばシンプルなものが多いなか、つやのあるクロコ型押しが珍しく映った。ピンクの色だしも絶妙で、30代女性(当時)がバッグから出しても恥ずかしくない風情に仕上がっているのが魅力だった。
あまりにも気に入って、同じものをもうひとつ買い求めた。私は本を2、3冊、同時並行で読み進めることがあるからだ。続いて、B6サイズの手帳&ノートカバーも購入。以来、シリーズで愛用している。
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そして、少し前にレッドの文庫本カバーを購入した。前から気になって気になって仕方なかったもの。軽すぎず、落ち着きすぎず、のこれまた絶妙な赤なのだ。知性と色気が同居する革のブックカバーなんて、なかなかない。自分もこうありたいと無茶な願いをこめて、購入ボタンを押下した。
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今回はネットでの購入だったけれど、上品なつや感は健在。よい買い物をした。新書判や単行本サイズのカバーもあると嬉しいなぁ、なんて。
愛しい子には、かわいい洋服を着せてあげたくなる。私の大好きな本たちにも、素敵なカバーをかけてあげたい。寒い冬、おしゃれした本と向き合う時間を大切にしようと思っている。