いざ、このあわただしさを乗りきろうぞ
夏休みも折り返し地点にたどりついた。もうすぐ世の中はお盆休みだ。
我が家はわけあって変則的に休む予定なのだけれど、やはりこの時期になるとちょっとした安堵感と解放感を覚える。「わー、大人も夏休みだー」という気分になるのだ。
娘たちの夏休みが始まってから、仕事と育児と家事をバランスよくこなせるよう突っ走ってきた。その疲れが出てきている。
このあいだ、自宅にとりつけた防犯カメラのモニターを何気なく確認していて、ぎょっとした。
1時間ほど前の録画映像には、我が家の玄関ポーチで屈みこんだり、植木をいじるおばさんが映っていた。映像を確認する限り、数十分にわたってそこにいたことがわかる。
「ひいぃ、不審者やん……!」
わたしは震え上がった。白昼堂々、人の家の前でなにやってくれてんの。怒りさえ湧いた。
でも、察しのいい方はもうおわかりだと思う。そこに映っていた不審なおばさんは、1時間前のわたしであった。
なんと馬鹿馬鹿しく、かっこ悪いオチ……!
約1時間前、日がかげったタイミングで、わたしは花壇のキイチゴとアーモンドの木を手入れしていたのだ。ついでに名も知らない雑草をざくざく抜いてもいた。
その行動を、1時間後にはすっかり忘れていた。暑さを言い訳にしたいところだけれど、とにかくボケている。あわただしさのあまり、短期記憶が抜け落ちている……?!
ここで冷静になった。落ち着け、わたし。
いくら忙しくたって、みずから平常心を失う方向へ走り出すのはやめておきたい。冷静になって、一つひとつのタスクを順番に片づけていけば、たいていのことは大丈夫なのだ。気だけがあせることによりミスを招く……これがいちばんこわい。
上すべりする自分の心を制御する手綱はしっかり握っておかなくては。
だから、最近のわたしは「気持ちだけを先走らせない」を心がけている。なんでも一つずつ、順番に手をつけていったら、気づいた頃にはだいたいのミッションは完遂できているものだ。
ということで、防犯カメラに不審人物然とした自分自身が記録されていてもうろたえなくていい。夏休みのあわただしさを閉じこめた、記念写真みたいなものなのだ。
世のお母さんお父さんたち、残りの夏休み期間中、ともにがんばりましょうね。