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父の段取り力とせみアラーム

タイミングというか
計っていたのか?

我儘なほど
マイペースな父は
最後まで段取っていたような気がする。

先週末
父が永い眠りについた。

それぞれに当てはまることがあるのだが
わたし的に
そのタイミングが
ピッタリだったことは
ある“報告”からだ。

勤め先で
有給休暇の届けをした際
所属長である上司に
ついでに伝えておこうと

「実は父が寝たきりとなりまして
介護が必要でして
本人と家族の意向で自宅で看取ることに
しました。
ようよう死を迎えるような状態で、
主治医からは今月保つかどうか?と
言われています。まあ、明日明後日の話
ではないのですが
、急なことでシフトに
迷惑を掛けてしまうかも知れません。」

と、言っていたら
その後の帰宅途中に
父の死の連絡を受けたのだった。

なんてタイムリーな…

虫の知らせではないけれども
父の段取りひとつなのかなと。

通夜は19時で行われたが

住職さんの法事の都合と
斎場の利用の時間の調整をすると
葬儀が朝の8時半となった。

なんて
早いお式なんだ…と思ったけれども
近くでの家族葬なので
府内の少しだけ遠い所の親戚に
頑張ってもらうだけ。

子供の頃からも
リタイアしてからも
常に早起きで
寝床でゴロゴロしているところは
全く見なかった父。
仕事も遊びも何事にも
早よ済ませて
早よ帰るという…父。

に、ピッタリな葬儀開始時間。

滞りなく
スムーズに初七日までが
昼の1時半までに済んでしまった。

面白かったのは
父が“アラーム”を鳴らしてくれたこと。

一時期二人で暮らしていたことのある
祖母が亡くなる前に
わたしの寝床に会いに来てくれたので
そのときの不思議な体験を
夫と思い出してたけれど
父にはそういうのはないよねって
言ってた矢先

早く出ないと
葬儀の時間に遅れそうなわたしたちが
あとはエアコンを止めて
部屋を出るだけと
窓を開けた瞬間
窓のすぐそばでセミが鳴き始めた。

大音量…
近くで聞くと
こうも大きな音なのか!と。

8時半に式なのに
7時に目覚めた実家の母たちは
あたふたしていたらしい。

あとで妹に聞けば
同じ7時ごろとのこと。

「遅れるなよー」と

父はセミになって
教えてくれて
いたのである。

『感じる書』アーティスト 石川 呼穹

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