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mahosh
2022年3月8日 03:41
昨年十二月、曾祖母危篤との報があり急遽帰省する事となった。「幾らかかっても構わないから直ぐ来なさい」という母の要請に、俄かに“この機会にファーストクラスに乗れるのではないか”という期待が沸き起こった。曾祖母はそっちのけである。ファーストなどと考え出したのはひとつ前の帰省に端を発する。搭乗の際に通路を間違えた私はファーストクラスの乗客の前を通ってしまった。途端にスチュワーデスが「ちょっと…」と注
差詰レオニー
2022年3月28日 00:36
金曜日。私はとうとうわせだを卒業した。元気に、しかもここ最近では珍しく気持ちのよい春日和のお天気のなか、無事この日を迎えられてうれしい気持ちでいっぱいだ。朝からキャンパスは自分と同年代のおめかしをした学生たちでいっぱいだった。親と愛犬と写真を撮っている人、サークルの後輩たちに花を手渡される人、ゼミで集まる男女。ガウンを着た修士課程の人。どれも、ありえた姿だった。でも、どれも選ばなかっ