「たまにはこんな夜もいいなあ」と呟く夜
先日、自主映画のクランクアップを迎えた。
もちろん映画をつくるのははじめてのことで、すでに自主制作の経験がある仲間2人に手取り足取り教えてもらいながら私は脚本を担当した。俳優さんは2人、ネットからの募集でオーディションとはいいがたい、なんともラフな面談をさせていただいて決めた。脚本をつくるのも、目の前で自分の作った物語が立ち上がっていく様子を見るのも初めての経験だった。私がひとり暗い自室でコソコソ書いていた物語が、昼間、それまで出会ったこともなかった人に憑依していく現場は、