体から学ぶコミュニケーション
身体感覚を通じた学びのひとつで、キーワードとして上げたいのが「コミュニケーション」についてです。
私たちは普段から無意識に「言語コミュニケーション」と「非言語コミュニケーション」を使い分けているのはイメージがしやすいのではないかと思います。
ボディワークではどちらも活用しますが、特に直接触れるボディワークに関しては「非言語の会話」が行われます。
コミュニケーションについてお話しする前に。
人の体は、問いかければ答えてくれるもので、それは神経系が持っている機能です。
例えば体のどこかが緊張していたとして、その緊張を取るのは触れている人から加えられる「マッサージ」や「指圧」の効果ではなく
それらの刺激によって触れられている人の脳が出す司令によって緊張は取れます。
それは決して「こうしてください」と言葉で伝えたからできるものではないと思っています。(身体感覚との会話に慣れている人は、その調整が意図的にできる場合もあるでしょう)
さて、私たちが非言語コミュニケーションをとる時、それは一方的な問いかけになっていないか?という意識を持つことが大切なんじゃないかと思います。
体に触れるという視点で考えてみると
「この関節をもっとこっちの方へ動かしたい」
「この人の姿勢をよくしたい」
「この張りや緊張を取り除きたい」
のような「何かを変えたい」とする触れる側の思いは、かなり一方通行で、ニュートラルではないと私は考えます。(もちろんこれらが悪いとは言いませんし、私もかつてそう思っていました。ただ今は、それは触れる側のエゴに近いと感じています)
非言語コミュニケーションだからこそ大切なのは「好奇心」であり「提案」なのではないでしょうか。
「この関節は、こっちにも動くことができますがどうでしょう?」
「姿勢を良くするとは、どこが動くことなんでしょう?」
「ここは張っていて、緊張もしているので動きたくなさそうですね?」
無理な力をかけることなく、意図を持って会話をすると体は反応します。
目の前の人との会話にジャッジメンタルは必要ないんです。
「今の状態を(お互いに)知り、試行錯誤しながら選択肢を増やしていく」ことが身体感覚を通じたボディワークの大きな特徴であり面白いところです。
そして、身体を通じて肚落ちした「コミュニケーション」にまつわる感覚は、日常生活の中でも活かされます。
大切なのは、一方通行ではない会話です。
例えば誰かの話を聴いていて、求められてもいないのにアドバイスをしちゃう人、いると思います。それって一方通行ですよね。本人は「良かれと思って」なのかもしれませんが。
肌感で「あ、これはアドバイスを必要とされているな」とか「そうじゃないな」が分かる人はすごい鍛錬を積んだのだと思います。
正直どっちかわからないな、という時は本人に聴いたらいいんではないでしょうか。
「今、アドバイス必要としていますか?」って。
それでYesなら考えをシェアして、Noならお話を聴くことです。
きっとそれが双方向からのコミュニケーションなんじゃないかと思います。
「今の自分の関わり方は、一方通行になってないかな?」その問いかけをいつも自分にするという選択肢が増えたのも、身体感覚を通じた学びのおかげです。
いつまでも自分や目の前の人に興味を持って生きていきたいものです。
今日は、そんなことを考えていました。また書きます。
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