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CoffeeSignを生み出した、創業者兼エンジニアの"夢中の遊び”
はじめまして、今月から新しくCoffeeSignの広報担当としてジョインした さおりす です。
2022年7月にサービスを開始した電子契約サービス「CoffeeSign」ですが、サービス開始から1年8カ月が経った現在、ありがたいことに利用者は4000社を超え、多くの方にご愛用いただいております。
サービス開始の時期に、創業者でもあり開発エンジニアでもある乾(いぬい)に、「CoffeeSign」開発への想いについて語ってもらいました。
今回は、“遊び心”の詰まった電子契約サービス「CoffeeSign」を開発した乾が、これまでどんな道を歩んできたのか、振り返っていきます。
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「☕乾 泰行 (いぬい やすゆき) のプロフィール」セキュリティ(主に電子認証)に専門性を持つフルスタックエンジニアとして25年の経験を持つ。いくつかのスタートアップ立ち上げを経験し、2020年10月よりSDT株式会社日本法人の代表取締役に就任。AIやIoTといった先進技術を活用したサービスを提供している。神奈川県藤沢市在住。自宅から5分の湘南の海で毎朝30分、波に乗ってから仕事をするのが日課。
「分解」と「モノ作り」に夢中の子ども時代
ーー幼い頃のことで覚えていることはありますか。
東京の多摩市で生まれました。父が転勤もある会社員だったので、家族で転々としました。幼稚園から小学生の頃は、大阪の西宮市で過ごし、東京に戻ってからは、吉祥寺や荻窪に住みました。大学時代からは、サーフィンが好きで、ずっと湘南で暮らしています。
幼い頃から、一貫してモノづくりが好きなんですよね。プラモデルを作ることも好きだったし、ラジコンとかいろいろなものを相当分解していました(笑)
分解癖があるんだと思います。大人になってからですが、ルンバが家に届いた瞬間、分解してしまいました(笑)
ーーどうして分解しちゃったんですか。
なんで動くんだろうと思って。分解するために買うケースもあるんですけどね(笑)分解癖が出てきたのは、小学校3年生くらいからじゃないでしょうか。
「モノ作り」と「メカをいじること」が、好きだったんですよね。今も昔もここは変わらないです。
メカいじりの延長で、カメラにもハマりました。カメラというより、作品作りにハマっていたのかもしれません。光の粒が集まることで、なぜ画像が写るのだろうと興味が湧いたんです。いろいろな要素で変化が起こる、「現像」を行うことも楽しかったです。
デジタルカメラも出てきた時代でしたが、人と違うことがやりたくて、フィルム写真を突き詰めていました。人とは違うことをやりたいのも、今と変わりませんね(笑)
あと、レコードにもハマりましたね。中学生の頃から、レコードを集めていたんです。
家の近所に古いレコード屋さんがあって、店内では心震わせるような音楽がかかっていました。なけなしのお金で、レコードを1枚だけ買って帰ったことを覚えています。
音を出す「真空管アンプ」を作り、それを使ったスピーカーを作って、音を鳴らしていました。
真空管は、コンピューターに利用されているトランジスタ(半導体)の前世でもあり、電圧や電流を増幅するための仕組みのひとつです。レコードにハマった理由も、針から拾った微細な振動から綺麗に音を鳴らす仕組みへの興味からかもしれません。
子どものころから、「モノ作り」に関わる領域で、広く興味を抱いていたように思います。
ーー印象的な「分解エピソード」はありますか。
とりあえず、いろいろなメカ系の物を壊していましたね(笑)でも、ギリギリのところで危険を察知して手を止めていたので、危ないことにはなりませんでした。
「これ以上先に進むとマズい……」といった直感のようなものがありました。先を見越して動くことは、今のビジネスにも通じていると思います。
魚も捌くし、寿司も握る
ーー他にもハマっていたものは、ありますか。
幼い頃、よく父に連れて行ってもらった魚釣りにもハマりましたね。ハマると、とことんハマってしまうんだよね……(笑)
自分が食べる魚を釣りに行こうと思って、出社前に早起きして釣りに行くこともありました。
近所のハワイアン料理屋さんにマヒマヒを卸して、お小遣い代わりにビールをもらって帰っていました(笑)
ーー湘南に暮らす会社員が、自給自足をしているような感じですね。
そうですね。日の出と同時に4時頃起きて、釣りに出て。1〜2時間釣りをして、出社することもありましたね。
魚は、なんでも捌けるし、寿司も握れます。大学時代に、近所の魚屋さんでアルバイトをしたんです。そこは、凛とした女性社長が率いる、高級鮮魚店でした。
釣り好きだったので、魚を捌くことはできたんですが、人に出せるレベルではありませんでした。でも、「アジ100匹捌いておいて」と社長に無茶振りされることが多くて。ひたすらアジを捌いているうちに、腕が上がりました(笑)
その魚屋で働けたことに、今でも感謝しています。アメフトをやったりと体育会系の環境で過ごしてきたので、食事といえば「お腹いっぱいになればいいや」というくらいに考えていました。
その魚屋は、マグロの切り身が一切れ千円くらいする高級店だったんです。「カツオのたたき」を食べたとき、旨すぎて泣きました(笑)「なんだこれは!?」と。
そこから、「食」にも興味を持つようになりました。
限界突破を学んだ「アメフト部」
ーー高校時代は、どんな学生だったのですか。
ちなみにこう見えて高校時代は、アメフト部だったんです。全国大会の決勝まで進みました。
ーーアメフトをやろうと思ったきっかけはあったのですか。
モテるかなと思って(笑)男子校だったので。
ーー素敵な動機ですね(笑)
アメフト部では、人と思いっきりぶつかりあうなかで「限界を超える」「ギリギリのところを攻めていくことで成長する」ことを学びました。これは今のビジネスにも活きていますね。
ハードな環境でスキルを磨き、起業
ーー今でも続けているサーフィンとは、どのようにして出会ったのですか。
大学時代に友だちと一緒に始めたんです。最初は難しくてうまく行かなくて。でも、通っているうちにできるようになったんです。海パンひとつで海に入って、サッパリして学校に行くのが気持ちよくてハマりました。
大学生の頃からやっていることは、今と変わらないですね(笑)
サーフィンにハマったら、もっと上手くなりたいと思ったんです。具体的には、スタイリッシュでかっこいいサーフィンがしたいなと。
そのために、4、5年前からヨガを始めました。最初は、もっとかっこよく波に乗るために体幹を鍛えようと思ってヨガを始めたんです。でも、フィジカルなことよりも、ヨガの呼吸を通して心を落ち着かせる、ヨガの精神的な部分に興味が移ってきている気がしています。
忙しく過ごしていたら、一回いっかいの呼吸を意識することなんてめったに無いですよね。一日のなかに少しでもそういった時間をとることで、心身の調和が整い、より集中力が高まることを感じています。
ーーハードな日々を過ごされてきたんですね。
そうですね。土日は釣りに行くこともありましたが、基本的にはめちゃくちゃハードな環境に身を置いてきましたね。新卒でシステム開発会社に入社したんですが、一年で外資系企業に転職しました。もっと自分を鍛えられるところに行きたかったんです。
2社目の外資企業で20代を過ごしたのですが、そこでエンジニアとして鍛えられました。30代になると、スキルアップを目指して転職するんですが、
会社で働きながら水産業界のスタートアップのシステムを作るなど、当時はまだ珍しかった副業も経験しました。魚もITも、両方詳しい人ってなかなかいないので(笑)
40代に向けて新たなチャレンジをしようと考えて、コンサルティングファームへ転職しました。そこで、現在、戦略担当として一緒に事業を作ってくれている森さんと出会いました。
スタートアップのサポートをしたり転職をしたり、多様な環境で働いてきて感じたことがあります。それは、自分の尖っている部分は、大きな組織では活かせないということです(笑)
組織を変えていけたらよかったのですが、大企業時代は、マネジメントポジションにいて、自分のやりたいように動けないことももどかしかったですね。
エンジニアが天職だと感じていたこともあり、もっと自分自身で手を動かしてモノ作りを楽しみたいと思っていた矢先、SDT株式会社の日本法人立ち上げの話をもらいました。
ほぼ直感で起業することを決めましたね。そこからは、開発に没頭する毎日です。
ーー今は、やりたいことができているんですね。
そうですね。昔から自分がやりたいことしかやってないんですけどね(笑)
サーフィンも僕がやりたいことなんですけど、サーフィンの本当に難しいところは、続けることなんです。例えば、結婚して子どもができて、海の近くに住めなくなってサーフィンを辞めるーー。そういう人をたくさん見てきました。自分のやりたいことを続けていくことって実は、難しいことですよね。
最高のパフォーマンスを出し続けるために
ーー「続ける」ために意識していることは、ありますか。
「生活の一部にしてしまう」ことではないでしょうか。僕にとってサーフィンは、生活の一部になっています。僕は、サーフィンを1日5〜10分しかしません。
「お前、もう帰っちゃうの?」と、周りのサーファーによく言われます(笑)サーフィンをする人って、何時間も海に入る人が多いんですよ。
ーー短い時間でも、毎日、海に入ることを大切にされているんですね。
もちろん、仕事が忙しいとか、やることがたくさんあるからという理由もありますが。朝、海に入ってサッパリして仕事をすることが、日常になっているんです。
通勤がある時は、8時半の電車に乗って出社していました。朝起きて、海に入って、サーフィンをして、電車に乗る。起きてからの1時間が勝負でしたね(笑)
波乗りも競争社会なんです。海にサーフボードを浮かべて、波を待っている人はたくさんいます。誰がいいポジションをとるか、いい波に乗るか、緊張感もあります。
のんびりやっているように見えるんですが、大きな波がくると怪我の危険性もあるし、ピリピリする日もあります。
でもこれは、ビジネスにも通じていると思うんです。プレイヤーがたくさんいるという縮図ですよね。
生成AIが出てきたとしても、急にビジネスは立ち上げられません。日頃から入念にトレーニングしていないと、突然やってきた波には、乗れないんです。
毎日、海に入っていたら、誰もいないときに、めっちゃいい波があったりしますからね。そのためにも、少しずつであっても毎日続けることは大事だと思っています。
ーー日頃から鍛えておくこと、毎日、海に出続けることが大事なのですね。
そうですね。サーフィンとビジネスの共通点ですね。
ーー日頃から、ご自身を鍛えておく上で大切にしていることはありますか。
ビジネスも人生も長期戦だと思っています。だから、睡眠は削らないことを心がけています。どんなときでも、最高のパフォーマンスが出せる状態にしておくことが大事なんです。
季節の変わり目とかに体調を崩してしまうことって多いですよね。でも僕は、一切それがありません。20代の頃から、安定的に自分の健康状態を保ち、最高のパフォーマンスを発揮できるように意識しています。
ーー意識されるきっかけがあったのですか。
2社目の外資系企業で働いたときの先輩の言葉が、ずっと心に残っています。その先輩は、会社を辞めてMBAを取得して起業した面白い人でした。
「ビジネスは長丁場。たまに高いパフォーマンスをだすことよりも、安定したパフォーマンスを長く出し続けることの方が、総合的に見ると大切だ」
と教えてくれました。
今思えば、この考えが僕のコアとなっています。仕事をやり過ぎるんだけど、身体を壊すまでは絶対やらないと決めています。逃げ方を知っているというのは、長く続けていく上で大事ですよね。
ーー最高のパフォーマンスを出し続けるために取り組んでいることは、ありますか。
食事に気をつけています。忙しいときは、3食弁当の日もありますが、必ずブロッコリーと鶏胸肉の塩麹漬けをレンジでチンしたものを添えています。筋肉のためでもありますが、身体を保つためです。
この生活が普通になってしまっているけど、身体をいい状態に保つために、ひと手間を惜しまないようにしています。1週間にひとりでブロッコリーを、2房食べていますからね(笑)
ーーサーフィンとヨガ、ブロッコリーと鶏胸肉が、乾さんのベースを作ってくれているんですね。
そう。それがベースとなって、皆様にサービスを提供差し上げている今日この頃ですね(笑)
今、サービスの開発に夢中で取り組んでいます。新しいテクノロジーの波が押し寄せてきているので、その新しい技術を使って、解決したい課題がたくさんあるんです。
ーー新しい技術は増え続けるので、乾さんの課題解決にも終わりがないですね(笑)
だから楽しいんですよね(笑)多様なオープンソースやライブラリーでサービスを作るのは、子どもの頃に、ガンダムのプラモデルを作っていたときと近い感覚があります。楽しさはあるものの、実際には、かなりの工夫と努力が必要です。
サービス開発は、趣味のプロジェクトとは違い、専門知識や解決策を見つけるための創造性が求められるんです。難題を乗り越えてできあがるサービスは、本当にユーザーに喜ばれるものなんです。
ーー今の仕事も、夢中の遊びの続きのように感じますね。
そうですね。それが一番近い表現かもしれませんね(笑)
代表乾が波に乗る様子を、ドローンの空撮映像で観ることができます!冒頭部分に登場するのが乾です。日々、システム開発に没頭しながら、ほぼ毎朝海に入り心身を整えています。
最後に、乾が開発したシンプルで遊び心のある電子契約サービス「CoffeeSign」も覗いてみてくださいね!私もCoffeeSignでサインしました。