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「美味しい」リアクションを作るためにやるべきこと

パティスリーとコーヒーショップを経営している。
飲食店経営をすると試食が大切な仕事の一つとなる。
そのお店のコンセプトに合わせた商品ができているのか。きちんと美味しいのかを見極めていく。
今作ってもらっているのはチーズケーキだ。
パティスリーにおいてチーズケーキというのは、お寿司屋さんで言うと「サーモン」居酒屋さんで言うと「レモンサワー」の位置にあたる。
そのジャンルのお店になくてはならない商品レパートリーということだ。
どう考えて味を作っていくか言語化していく。

最初にターゲットをイメージする。
チーズケーキは甘いものがそこまで得意ではない人も選ぶ印象がある。
男性や甘いものがそこまで得意でない女性、さっぱりしたケーキが食べたいという人がターゲットだ。年齢で言うと30代~40代男性、30代女性と行ったところだ。
家族がいてみんなでケーキを食べるシーンに1個選ばれるイメージだ。

美味しいに必要な要素は、
①味の強弱
②何を感じて食べてほしいのか
③テクスチャー
大枠はこの3点である。今回のチーズケーキは、スペイン産のクリームチーズが主役だ。クリームチーズは固形でない滑らかさが特徴だ。
そのさっぱりとした味わいとしっかりとしたチーズ感を主役にする。
焼き込み具合によりチーズの味わいがどれくらい残るかが変わってくる。そのあたりはパティシエの技術に託して調整してもらう。
味の強弱はそのチーズの味わいのバランスをみていく。
そしてテクスチャーは一番下にナッツを効かせたクッキー生地を敷く。クッキー生地の厚みも何ミリかごとに食べ比べ、感じ方を検証する。
薄すぎると水分が染みて食感が失われる。
また厚すぎても食感とクッキー生地の味わいが残りすぎてしまう。食べ比べることでやっと答えが見えてくる。

こんな感じで試食を繰り返し納得した商品を出していく。
試食は色々な人に食べてもらい感想を聞きながら方向性を定めていく。
人は食べ慣れているものを美味しいと感じる傾向にある。
食べ慣れているからその味を最初に舌が見つけるのだ。
「美味しい」というリアクションは2種類ある。
食べたことある味を格段に美味しくして美味しいリアクションをもらうのか。
今まで食べたことのない要素で味を尖らせたり、印象に残し、その味が食べたいと思わせるか。(一定層にウケるがウケない人も出る味わい)
ここは勝負になっていくし、ショーケースのバランスを上手く取りながら理想のショーケースを目指したいと思う。

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