【映画オッドタクシー】2回目乗車後の考察
「オッドタクシー イン・ザ・ウッズ」に再乗車してきまして、引っかかって部分はスッキリしたしある程度の回収は出来た(と思う)ので、穴埋めの考察とまた気がついたことを書く+α。
まだ上映していない地域もあるようなのでネタバレ注意。
前回の振り返り
まずは前回の振り返り。本文でも読みやすいように前回の記事を引用しながら書いていきます。
YouTubeで公開されているオーディオドラマも映画では必須なのでURL貼っておく。
①和田垣さくらの小戸川襲撃は偶然では無く、和田垣が近いうちに襲撃されることを見越した小戸川がキリン・アルパカ・警察に協力をしてもらい、小戸川が囮となった作戦と仮定。
和田垣を三矢ユキ殺害の真犯人として逮捕するため
小戸川の三矢ユキ殺人に関する加担は完全に晴れていない
タエ子が和田垣に襲撃されたから
②取材をしていたのはキャバ嬢の玲奈と花音+佐藤(田中の消しゴムライバル)、依頼主はタエ子。目的は以下が考えられる。
小戸川の容疑を完全に晴らすため
和田垣さくらを逮捕するため
田中を捕まえるため
③田中だけ取材を受けていないのは田中”も”ターゲットだから。また発砲しておきながら田中が逮捕されない理由は以下3つが考えられる。
小戸川への発砲は①小戸川が事件にしないと言っている②駐車場で対峙したときに謝罪しているためチャラ
襲撃したキャバクラは裏社会と密接な関係で、第三者が起こした事件は表沙汰に出来なかった
撃った相手が指名手配犯のドブだった
時系列まとめ
劇中に拾えた大まかな出来事の時系列。
①小戸川 vs 和田垣
都内で同じタクシーを見つけるのは困難であるため、小戸川のタクシーにGPS機能が搭載されていると仮定する。あと前回と仮定が変わったところがあるので訂正。
【小戸川サイド】
・今井からもらった大金でGPS・リアルタイム&録画機能のドラレコ付きの高性能タクシーに買い替えたと仮定
・作戦というより「和田垣襲撃に備えて事前に準備した」と言った方がしっくりくるかも。また小戸川は「運がいい」「人に恵まれている」と言っているので何人かに協力を依頼している
【和田垣サイド】
・和田垣は”幸せのボールペン”に盗聴器があると知った上で自身でGPSを付けたと仮定。
小戸川も和田垣を探しているはずなので、自分でGPSを身につけておけば最短距離で小戸川のタクシーと接触出来ると考えた
・和田垣は「小戸川を始末した後、ドラレコの録画データを回収して証拠隠滅をする」と浅はかな考えだったかもしれないが、現在はリアルタイムのドラレコは手軽に入手可能。和田垣が第三者が犯行現場を間接的に見ていることを知らなかった
①柿花が助けた説の方が濃厚
前回と変わった仮定は和田垣襲撃から小戸川を助けたのはアルパカではなく柿花の可能性が濃厚。理由は以下2つ。
エンドロールで柿花が警察署から表彰を受けているシーンがある
柿花は小戸川に拉致から助けてもらった貸しがある
事前に小戸川が垣花に依頼をしたのか、柿花が偶然通りかかったのかは定かではないが、小戸川の運がよければ柿花が偶然通りかかったのかもしれない。
一方アルパカは小戸川をvs山本と海ダイブの2回も助けているし、実際にカポエラを習っているシーンもあるため可能性もゼロではないのが、警察から表彰されるほどの出来事であれば柿花の方が可能性としては高い(アルパカも表彰されるべきだと思うが)
完全に見落としていたというか、別件で柿花が表彰されていると思っていたのが盲点だった。
②誰に協力を依頼したか
仮に小戸川が仲間に協力を依頼をしていたとすると、誰がどんな役割を任せたのかも推察できる。
①柿花 or アルパカ(護衛)
前述の通り。有力なのは柿花>アルパカ。
②キリン(盗聴)
”幸せのボールペン”の盗聴配信をしていたキリンに協力を依頼。
現在の”幸せのボールペン”の持ち主は和田垣さくらなので、キリンが”幸せのボールペン”を利用して和田垣さくらの現在地を割り出し、和田垣が近づけば小戸川に連絡が行くように仕掛けを作った。
上手く利用すれば、小戸川も和田垣が見つけやすい場所に移動し接触を図れる。これが小戸川が言っていた「GPSを逆手に取ること」
③警察(現行犯逮捕)
大門弟はドブに発砲して出社拒否していたが、兄がヤノ&関口にボコられたことをきっかけに職務復帰したので、事前に協力を依頼したとすれば大門弟。
最初から警察を通せば話は早いが、和田垣に関しては殺人と傷害罪が有るにも関わらず決定的な証拠がないため警察は動けない。
そのため素人が囮となり何かしらで現行犯逮捕出来れば、一気に3つの事件が解決する。
三矢ユキ殺害はルイたちの証言と合わせて殺人罪
タエ子ママ襲撃はキリンの盗聴配信を資料に声を鑑定すれば傷害罪・殺人未遂
小戸川に対しても傷害罪・殺人未遂
ようやく小戸川の容疑が完全に晴れる
②取材は誰の何のため
映画では喫茶店で取材が行われる。だが誰の何のための取材かははっきり提示されていないので考察あるのみ。
【情報整理】
・依頼主はタエ子ママ
・取材日は12/24
・調査目的はおそらく
①小戸川の女子高生失踪事件に関する容疑を晴らすため
②キャバクラ発砲事件の犯人の田中を捕まえるため
・調査員はキャバ嬢の花音・玲奈+佐藤(田中の同級生の消しゴムライバル)の3人
・当初は花音と玲奈の2人で動いていたが取材後に佐藤が調査側に回ったと考えられる。理由は下記3つ。
小戸川もドブも田中の顔しか知らず、田中の情報だけ圧倒的に少なかった
以前玲奈が信者のフリをしてカバに接触したように顔バレしてる取材相手がいた。また女性では話を引き出せない相手もいたため男性も必要だった
佐藤だけ小戸川に直接関係していない
・タエ子ママは小戸川のため
タエ子は小戸川の容疑を晴らすために調査を依頼したと思う。
事の発端は「小戸川が女子高生失踪事件に加担している」と容疑がかけられているところから始まるが、真相は「小戸川が三矢ユキ殺害の真犯人である和田垣さくら(ニセ三矢)を偶然犯行現場まで乗せただけ」である。
これに関してドラレコの録画データを見れば分かることなのだが、警察の大門兄にデータを押収されたにも関わらず事態が進展しないことに対し、タエ子ママは不信感を持っていたのかもしれない。
・玲奈と花音は田中を探すため
タエ子から依頼された一方で調査する側の2人にも目的があると思っている。
玲奈と花音は公式プロフでは「アイドルを目指しながらアルバイトなどをしている」とあるため、2人はアイドル・キャバ嬢・探偵の3つの顔があると考えられる。
もしくは山本が「ミスキスメンバーを都合の良いように使う」という条件を承諾したのと同じく、2人もまた間接的にボスの手下なのかもしれない。
この2人は田中のキャバクラ発砲事件に居合わせており、ネットに犯行現場がアップされているにも関わらず犯人が一向に逮捕されないことに不信感を持っていたはず。
流れとしては、タエ子の依頼で小戸川近辺の調査中、偶然キャバクラに来た調査対象の小戸川を接客しているときに発砲事件、後に発砲事件の犯人も小戸川を追っていることが判明。
2人は依頼された小戸川の調査中と共に、自身が被害者となったキャバクラ発砲事件と並行して調査、また両案件の関係者が何人か被っていたため、まとめて関係者に取材をしたのかもしれない。
③探偵アイドルが仮面アイドルの素性を暴く
これに関しては大半が自分の考察である。
調査目的は①小戸川の容疑を晴らすため②キャバクラ発砲事件の犯人逮捕の2つがあると仮定したが、花音と玲奈の2人には「ミステリーキッスの真実を暴く」と言う目的も加わったと思う。それは探偵として純粋な真実に辿り着くためと、同じアイドルとしてのプライドを持っていたから。
12/25の出来事といえば10億円強盗作戦、M-1敗者復活戦、そしてミステリーキッスのデビュー日。だから何かと忙しいクリスマスイブに取材を決行した。
”幸せのボールペン”の真の発祥
盗聴機能付きの”幸せのボールペン”は、予想外の方向に渡り歩くことになる。
タエ子は盗聴の受信の仕方が分からないと言っていたが、小戸川に電話で「二階堂ルイは殺人はしていないと思う」と言っていたので、何かしらの手段で盗聴の中身を知っていた可能性が高い。
【推察】
・探偵なら盗聴は序の口なので、花音と玲奈がタエ子に”幸せのボールペン”を渡したと考えらえる。またデザインがラブリーで若者向けなので、真の発祥は若い花音と玲奈と考えても自然
・もしくはタエ子が既に持っていたが使い方が分からなかったので、依頼したタイミングで2人に相談を持ちかけた
・3人は接客業(居酒屋/キャバクラ)で、普段から様々な情報が手に入りやすい状況下にいるためキリンの盗聴配信の存在を知っていた
・結果的に”幸せなボールペン”から直接盗聴出来たのは花音・玲奈・キリンの3人、盗聴の中身を知れたのは依頼者のタエ子ママとキリンの盗聴配信のリスナー
探偵アイドルがいち早く三矢ユキの真相に辿りつけた理由
10億円強盗作戦や柿花拉致など小戸川の周りで派手な事件が起こるなか、水面下では探偵アイドルが仮面アイドルの真相に迫っていた。
【推察】
・調査を依頼したタエ子ママは「人嫌いで内向的な性格の小戸川がわざわざ人を誘拐するわけない」と思っている
・既に小戸川のドラレコの録画データは押収されており、現時点では証言が最有力となる。また警察にドラレコのデータが押収されているにも関わらず事態が進展しないのは怪しい
・小戸川が山本に「2週間前女の子を上目黒の事務所に乗せた」と話したことに対し、山本は「それは今日乗せた子の誰”か”」と返す。
この日小戸川が乗せたのはニセ三矢としほの2人だけなので、2人なら”どちらか”と言うはず。またこのときの”幸せのボールペン”の持ち主は山本なので、山本の失言を聞き逃さなかった
・花音と玲奈はアイドルとしてミスキスと共演したことがあり、ミスキスがステージでしか仮面をつけていないとすれば本物の三矢ユキの顔を知っていた可能性がある
・実際花音はアイドルとして出演したハロウィンのイベントでミスキスとブッキングしている。だがこのとき既に和田垣さくらにすり替わっている
・本物の三矢ユキの圧倒的スター性に対して、和田垣は九州から上京した田舎者でパフォーマンスも劣っている(今井が三矢のダンスのキレが悪くなったと指摘)
同じアイドルからすれば三矢ユキのようなスター性の高いライバルの異変には即気付くはず
・つまり2人は”三矢ユキは別人”であるに勘付いていた可能性がある
・この時点では「本物の三矢ユキ」が「失踪した女子高生」であることとリンクしない。
これは完全に私の仮定なのだが、もし2人が働くキャバクラがボスの管轄内であれば「失踪した女子高生はボス(会社の上層部)の同級生である吞楽師匠の娘で、アイドルをやっている」という情報が彼女たちに降りてくるはず。
三矢ユキは本名でアイドル活動をしていたので捜索はしやすかったかもしれない
・しほの「前の子が良かった」と言う発言がやけに引っかかる理由はミスキスは公にメンバーチェンジをしていないから。通常メンバーチェンジをするならアイドルに限らずデビュー前だろうがファンに向けて報告するはず
・そもそも顔出しして活動していたアイドルが、ある日を境にセンターだけ顔を出し、残る2人は顔を隠すのは売り出し方として不自然
・オーディオドラマでミスキスメンバーが秘密共有ごっこをしたとき①整形②ネットにメンバーの悪口を書いた③パパ活④枕営業⑤殺人⑥彼氏が芸人⑦死体を捨てたのうち1つだけ嘘、残す6つは真実。
・つまりミスキス3人のうち2人が殺人か死体遺棄を、もしくは1人で両方をしているのは確実となる。ここでようやく小戸川の名前を完全に外すことが出来る
・11話でルイは死体遺棄はしたが、殺害はしていないことが判明
・秘密共有ゲームのネタバラシで、しほが「人を殺したと死体を捨てたの2つが特にヤバくない?」と言ってることに対し、和田垣は「何がヤバイの?」と発言。普通の感覚ならそんなことは言えないので、消去法とサイコパスな反応からして三矢ユキを殺害したのは和田垣と断定出来る
このことから花音と玲奈は「今の三矢は偽物で、本物の三矢ユキはニセ三矢ユキに殺害された」と言う真実にいち早くぎつけることが出来た。
だからタエ子ママも小戸川に「二階堂ルイは殺人”は”していない」と言えたと思う。
真相は車内の中
大半が自分の推察だが「こういう背景があっても面白いのでは?」と思ってもらえれば。
面白いのが乗客が「公用のタクシーだが車内は密室だから何を言ってもいい」と思っているところだ。密室だからと油断せず、秘密はきちんとプライバシーが守られたスペースで共有すべきだとも思わされる。
「真実」はいつもひとつであり、「真実」は金額によって変動し、「真相」は藪の中にあり、「真実」は車内の中にこぼされる。