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正月っぽい

最近感じない。
正月っぽさを感じない。
1月1日に訪れるワクワク感が全くない。

いや、まだ特別感はありますよ。
ああ、年が明けたんだな。
一年の始まりだな。って。

抱負の一つでも掲げたくなりますよ。

でも、なーんか正月っぽくない。
どうしてだろう?
私が年を重ね過ぎたから?
(もちろんそれもある)

少し考えてみました。
私にとって正月っぽいとは、何か?と。

・・・

アイコンなのだ。正月とは。

クリスマスにサンタクロースや
merryXmasの文字が並ぶように
正月には紋付き袴に門松、獅子舞、
羽子板、おせち料理、そして鏡餅。
そういった分かりやすいアイコン。
これがうんざりするほど並ぶ光景が
私にとって正月っぽいことなのだ。

なんか、こういう
いかにも正月です!ってアイコン減ってない?

一昔前はさ、正月になったら
家の前に正月飾りをわさわさつけたり
気合いの入ったところは門松を立てて
自家用車の前方も飾っちゃったりして。

そういうのがチラホラあったような。気がする。

物価高が止まらない影響で
余計な出費を控える家庭が増えたから
なのかもしれません。

・・・

ここまで書いておいてなんですけど
私は今の状態をとても良く思っています。
正月っぽさが無くなってきたことが、です。

なぜなら
私の幼少期~学生時代の正月の思い出は
あんまり良い記憶が残っていないからです。

大晦日に強制的に見せられる紅白歌合戦は
歌が全く好きじゃなかった少年の私には苦痛。
知らない歌で盛り上がる親を見て冷めていた。
力尽きて眠る前に食べさせられる年越しそばも
意味が分からない。
いやせっかく作ってくれたから食べるけどさ…。

少し寝たと思ったら無理やり起こされて
車で二時間くらいかかるほど遠い神社へ
家族で向かう意味も全く分からなかった。
いや眠いよ。寒いよ。なんで行くんだよ。

神社で売ってる破魔矢はテンション上がったけど
そんな物を親が買うわけでもなく。
人ごみにまぎれてお参り。うーん、何のため?
普段お参りなんかしないっしょ。

正月料理はおせちが出た気がする。
でも美味しくないという記憶しかない。
強制的に全種類食べさせられる嫌な記憶が。
なんだ?おせちディスりキャンペーンか?
「一口でいいから食べて」って何のために?
マジで親は子どもに最低限の説明をしてほしい。

少し寝たら届く年賀状。
どうやら親世代というものは
届いた年賀状の数でマウントを取るらしい。
「〇〇さんから来たぞ」
なんて言われても知らないよ。誰だよ。
その〇〇さんの素敵な話を教えてくれよ。

やがて親戚周りへゴー。
これはお年玉を貰う儀式
と言っても過言ではない。
普段合わない親戚に頭を下げて貰うお年玉は
ありがたい。ありがたいよ。そりゃ。
でもそれ以上に申し訳ない気持ちが強い。
(ああ、この人たちは正月だからくれるんだな)
といったひねくれた感情が湧いてくる。
なぜなら私が貰ったはずのお年玉は
ひとまず親へ渡すのが絶対であり
それが帰ってくるかどうかは運次第だった。
親の許可が無い限りお年玉は使えないのである。
もしや親戚周りというのは親同士のお年玉を
循環させているだけではないか?
と邪推のひとつでもしたくなってしまう。

そして正月のつまらなすぎるテレビ番組。
自室でゲームをしたいのは山々だが
「正月は皆といなさい」と謎の御触れ。
特に面白い話をするわけでもない。
苦痛すぎる茶の間での時間はもう嫌だ。
よく私は発狂しなかったと思う。偉い。

・・・

うーん…少し書いてみたら出るわ出るわ
幼少期~学生時代の不満が噴出した。

私は思うんですよ。
親は子どもの話を聞くべきだって。
子どもに分かりやすく説明すべきだって。

「みんながやってるから」
「正月はこうするもんだ」
「つべこべ言わずにやれ」

これは説明じゃないのよ。強制だよ。
「みんな」って、誰なの?
私が聞きたいのは「あなた」の考え。

俺は大好きなお前たちと一秒でも長く
正月を楽しみたいのだ!協力してくれ!

仮にこう言われたら喜んで協力するのに。
ずっと一緒にいるよ。大好きにもなるよ。
本当にね、言葉にしないと伝わらないよ。
無言はあかん。背中なんかじゃ語れない。

さて。
そんな正月をたくさん堪能した私の中では
正月が嬉しくない行事として定着しました。
ついでに親への不信感が募っていきました。
それが爆発してやがて一線を引くことに…。
(それは別の話なので割愛します)

・・・

私は、家族が仲良くずっと居るためには
夫婦が起点になっていると思っています。

夫婦がまず、仲良しであること。
そうじゃないと子どもに愛を回せない。

もちろん
親からの愛を充分に受け取れなかった子でも
すくすく育ちます。自立もできます。
でもなぁ、親を愛せない子になる気がする。
私がそうだから。
独りよがりの意見で信憑性ないかもだけど。

現代はさ
80歳を超えても生きる人ってめちゃ多い。
それでも、身体にガタが来てる人が大半。
身体の不調はもちろん、認知症も普通にある。
親がそうなったときにさ
どんなに仲が悪くても子が関わるわけだよ。
仲悪すぎて絶縁パターンもあるけど
周囲から謂れのない非難を浴びちゃうという…。

だから、いずれ、どうやったって
子どもと関わる時間は訪れるから。
親子関係は良好にしておくに越したことはない。
私はそう思うわけです。

そして私は、子どもの話をさえぎらないで
しっかり聞いてくれるだけで
子どもは親をめっちゃ嫌いになることは
ないのかなって思います。


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