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セリーヌ・クレソン
「今日の夕食はセリーヌ・クレソンよ」
嫁様が謎のワードをぶつけてきた。
カナダの世界的歌手のような響き。
いったいどんな夕食になるんです?
・・・
鍋の蓋を開けてみて合点がいった。
白菜・人参・大根・キノコがふんだんに入った
セリ鍋ではないか。湯気がすごい。香りもいい。
しかもスープは酒粕風味。ぼくの大好物である。
「さあこっちも召し上がれ」
嫁様が差し出す大皿には大量の植物…クレソン!
ハムとスモークチーズとトリュフドレが混ざり
こいつはゴキゲンなサラダ!食欲がそそられる。
「〆のうどんも別に煮込んでいるからね」
なんと〆まで考えてるとはさすがの嫁様である。
これはもう勝った。今夜の夕食も勝ち申したぞ!
我が食の軍師(嫁様)の謀略は日の国随一じゃ。
もしゃもしゃ。うぅううん、ンまい!
なんでこんなにクレソンは美味しいのだろうか?
ええ、それはクレソンが瑞々しいからなのです。
しかし珍しいな、クレソンなんてどこで購入を?
「ひっひっひ。こないだ半額で売ってたのサ」
底意地の悪い魔女のような笑い顔で答える嫁様。
どうやら先日の杜の都パワフルツアー(仮)で
普段は買えない珍しい食材を買ってきたらしい。
さすが軍師。隙あらば苛烈に攻める姿勢は見事。
これは我が軍の練兵にも力が入ること請け合い。
(練兵:お腹いっぱい食べてぐっすり寝る)
がつがつ。もしゃもしゃ。ずるずる。ふう。
うーむ、余は満足じゃ。
「なかなか美味しくできたね。よかった」
ふむ、軍師嫁様よ。大儀であった。
ちこう寄りなさい。
「どうしたの夫くん。何?何かくれるの?」
これ、やっと見つけたよ。
「アッ!これはLawsonの47%増量商品
ふわ濃チーズケーキじゃない!買えたんだ!」
![](https://assets.st-note.com/img/1739373307-bQWGeScdroq85AzHwVnflUaY.jpg)
うん。運良くgetできたんだ。
きみと一緒に食べようと思って。
「よーしじゃあ紅茶淹れてあげよう。
アッサムでいいかな?いいよね」
このあと二人でめっちゃ走った。