平和な朝の会話
「おはよう、おはよう、おはよう嫁ちゃん!」
「朝からテンション高いね夫くん」
「ちょっと聞いてよ。大変なことがあってさ」
「どうしたの」
「~♪♪♪」
「なに?何を口ずさんでいるの?」
「このメロディ、夢の中で流れててさぁ」
「ちょっと待って」
「なんだい?」
「もしや、夫くんの夢の話してる?」
「そう、ぼくの夢の話をしてる」
「はい」
「うい」
「それで、そのメロディがどうしたの?」
「分かったんだよ、このメロディ!」
「はあ」
「ボキャブラ天国で聞いた気がするんだ!」
「はあ?」
「知らない?ボキャ天。タモリさんが出てる」
「うーん、名前は聞いたことあるけど…」
「見たことないかぁ、残念だよぼくは」
「爆笑オンエアバトルならこっそり見てたよ」
「なに、こっそりって。堂々と見ないの?」
「あのときわたしは若かったからね」
「え、高校生とか?」
「いや、小学生だったかな」
「若すぎぃ!?」
「眠れない夜に見てたんだよね」
「へえ、夜更かしをしたんだね」
「他にも、水曜どうでしょうとか見てたよ」
「大泉洋!」
「あれすごく面白くてさぁ」
「とんでもない小学生だね、嫁ちゃんは」
「えっへっへ」
「いや褒めてないよ」
「それで、なんだっけ?夫くん」
「なにが?」
「いやいや、さっきのメロディだよ」
「ああ、そうだった、そうだった」
「もっかい口ずさんでみてよ、夫くん」
「~♪♪♪」
「あれ?これわたし、知ってるよ」
「本当?これ、なんだっけ?」
「港のヨーコヨコハマヨコスカー・・・でしょ」
「うわ!それだ!!!凄すぎる!」
「うっへっへ」
「なんでこの歌知ってるの?世代じゃないよね」
「この歌有名だし、よく耳にするでしょ」
「ぼくは音楽にちょっと疎いからね」
「ちょっとどころではないよね」
「何か言ったかい」
「なんにも」
「このメロディが夢でリピートしててさぁ
しかも覚えたまま起きるなんて凄くない?」
「うん、すごいねぇ」
「だよね」
今朝も平和な朝だった。