次郎が珈琲次郎になった話
皆さんの周りに「珈琲マニア」っている?
少なからずいると思うんだけど、どうでしょ。
自分で豆を挽いて、こだわりの淹れ方とかで
珈琲を淹れちゃうような人。
私がその「珈琲マニア」なんだけど。
この記事では、私が「一般人」からいかにして
「珈琲マニア」になったのかを記そうと思う。
抑圧
これなんだよね、私の場合。
私が珈琲にドハマりした根本的な要因を考えたら
この「抑圧」に行きついたのさ。
そうそう、そうだそうだ。
私は高校生のころ、父親に不信感を抱いていた。
なぜかって?そりゃあ
コーヒーメーカーの購入を許してくれないから。
コーヒーメーカーっていっても簡素なもので
当時の値段はわからないけど今なら家電売り場で
2000~3000円の代物。
水を補充して、粉をセットして、ピッ。のやつ。
まあ、そんなに高くないモノだと思うんだ。
高校生の私の小遣いでも買えちゃうし。
父親はこれを買ってはいけないと言う。
・・・なぜだ?(理由は教えてくれない)
当時の私は心の底から訳が分からなかった。
私が、私の小遣いで、私が必要だと思うモノを
買うことがなにが良くないのか全く分からない。
高校生の私は期間限定のバイトくらいしか
やったことがないような世間知らずボーイ。
家庭で、父親の決定は絶対だと思っていた。
でも、納得いかない。ムカムカする。
不信感が高まる。父親と話をしたくても
彼は昔から自分の意見しか話さないタイプ。
他人の話は全く訊かない。
…おっと、いけないいけない
なんだか父親ディスりになってきた。
そういうことを書きたいんじゃない。
とにかく、私は
自分で淹れた珈琲を飲んでみたい
という感情を長い間抑圧していたわけなのだ。
・・・
「次郎くん、珈琲セット買えばいいじゃん」
あれから十数年経ったある日。
社会人まっしぐらの私は先輩宅で
先輩の家族と共に夕食を御馳走になっていた。
先輩宅にはコーヒーメーカーがあり
私が訪れると食後に毎回珈琲を淹れてくれる。
これが美味しいのなんの!
飲むたびに私はウマいっす!と絶賛していた。
そんな私を見ていた先輩の奥さんが放った一言。
そんなに珈琲が好きなら自分で買ってみたら?
ええッ!?
買って、いいのぉ!?
酒が入っていた私はオーバーリアクションで
のけぞるように驚いたのを今でも覚えている。
先輩の子どもにしこたま笑われた。大爆笑だ。
この時、この瞬間まで、なぜか私の心には
コーヒーメーカーを自分で買うという選択肢が
全くなかったのだ。不思議なことに。
「先輩、おれ、珈琲の道具買っていいんすか?」
酒がまわり目が座った私は対面の先輩に問うた。
先輩は(何言ってんだコイツ)みたいな眼差しで
いいんじゃないのと言ってくれた。
この瞬間が、私が珈琲次郎になった瞬間である。
・・・
そこから先は急展開。
なんせ私は社会人。ネットショッピングも可能。
当時興味があったネット市場の楽天市場へ
入り浸る日々が始まった。
一週間ほど吟味に吟味を重ねた私は決めた。
買うならとことん、買っちゃおう!
当初はコーヒーメーカーを購入予定だったが
本格珈琲を自宅で淹れちゃおうぜ!という話に
大幅なる路線変更を決定。
老舗の純喫茶でカウンターに並んでいるような
しぶい珈琲製品を買っちゃえ!と決めたのだ。
これらを一気に購入した。
ちなみに一番高いのは電動ミル。電動ミルとは
豆をガーッ!と挽いてくれる頼もしい機械だ。
珈琲の豆というのは、手動で挽こうとすると
2~3分はかかってしまう。意外と力も使う。
そこで電動ミルである。ほんの数秒で終わる。
しかもダイヤルを回せば挽き方の調整も可能。
あっさり味用に荒く挽いてみたり
どっしり味用に細く挽いてみたり。
手動ではこうはいかない。
毎日珈琲を淹れるなら絶対外せないアイテム
それがこの電動ミルなのだ。
購入してから十数年、ほぼ毎日使っているが
故障もなければ劣化もない。
カリタ製の電動ミルは最高すぎる。大好き。
・・・
で、ようやく届いた珈琲道具一式を使って
自分で淹れて飲んでみたら・・・
美味すぎるのよこれが!!
ブラックコーヒーってこんなに
複雑な味を感じるものだったのか!?って。
珈琲ってさ、果実なのよね。
コーヒーチェリーっていう果実をあれこれして
珈琲豆にするわけだけど、もともとは果実。
美味しい珈琲を飲むとほんとうに果実味を
感じるわけなのよ。これには感動したねぇ。
ちゃんと甘いし、良い酸味もあるわけなの。
それを焙煎すると苦味やらコクやら香りが
これでもかってぐらいプラスされるわけさ。
この複雑な組み合わせが珈琲の魅力なのだ。
いやあ、マジで、これは伝えたいんだけど
自宅で美味しい珈琲を淹れるのは誰でもできる。
バリスタとかの資格とかなくてもいいのよ。
素人がちゃちゃっとやっても充分おいしい。
「美味しい豆」と「ミル」があれば
珈琲って誰が淹れても美味しくなる。
カレーみたいなもの。
カレーのルーを使って分量通り作れば
誰だって美味しいカレーが作れるでしょう?
それとすんごく似てる。
難しいことなんかまるでないわけだ。
まあ、とはいえ、私みたいに
電動ミルを買うのはちょっと(かなり)
ハードルが高いってことは、わかるよ。
そこで近所の珈琲専門店ですよ。
近所になかったら大きめの駅でもいいけど。
(大きめの駅には珈琲専門店が大抵ある)
そこの店員さんに「お手頃美味しい豆」を
選んでもらって、店内で挽いてもらえば
万事OKなんだよね。
店内で安いサーバー&ドリッパーを買えば
3000円もあれば極上珈琲が楽しめる。
あ、ドリップポットは無くてもいいよ。
ヤカンとかケトルで代用できるし。
「百均」でもそこそこのモノがあるので
更にコストを抑えることだってできるしね。
そんなわけで貴方も進んでみませんか。
珈琲〇〇への道へ。