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あんまん

ああ〜っ!こんにちは〜!

コンビニのレジの列に並ぶ。
買い忘れたものはないかアタマの中でチェックリストを反芻する。
考え事をして視線をグルグル泳がせていると、いつもは空のレジ横のショーケースに明かりが灯っている。

頬がほころぶ。今年もまた会えたね。

そう!今年もあんまんの季節がやって来たのだ。
僕はあんまんに弱い。

いつからかは覚えていないが高校生の頃には既にハマっていた。
寒い冬の夜、塾の帰り道。
東横線の線路横の坂道を多摩川方面に下りながらよく頬張ったあんまん。
あんまんの温かさと坂の上から見える田園調布の家々の灯かりの暖かさ。
「おまえ、ホントに好きだな」
友達が呆れながら自転車でついてくる。
あの頃こんな風に街明かりを眺めながら一駅歩いて帰るのが好きだったなぁ。
自分の生まれ育った町とは全く違う風景。
見るもの、聞くもの、触れるもの・・。
自分を取り巻く空気全てから色んなものを感じた。

それはともかくあんまんにも種類がある。
僕のイチ推しはこしあんである。
ゴマまんも粒あんも好きだが一つ選べと言われたら迷わず「こしあんまん」を選ぶ。
あのなめらかさが良いのだ。
思い切りかぶりつき餡子の熱さに上顎を火傷するのもまた一興。
コンビニ毎の味比べなどはしたことが無いが中村屋も井村屋も好きだ。今度行ったらどこのコンビニがどのメーカーを扱っているのか調べてみるのも面白そうだ。

今日はついでにいつも買わない豚まんを買ってきた。

家内と食べていると

「豚まんと肉まんてどう違うの?」
と聞いてきた。

「豚みたいにデカいのが豚まんじゃないの?」
と、僕が答える。

「豚まんの方が倍くらいしたよ。中身が多いのかなぁ。それとも食材が高級とか?」

どうやら西と東の呼び名の違いらしい。

関西では肉と言えば牛肉。
なので肉まんというと牛肉まんをさす。
豚肉で作られているから呼び名を肉まんではなく豚まんと呼ぶ。

中身の違いなの?と思いきや全国展開のコンビニではどちらも取り扱っているので敢えて名前を分けて売っている。名前が違うだけでは両方扱う意味が無いので豚まんの方を大きくゴージャスに、付加価値をつけて売っている。
人の勝手なイメージで、肉まんより豚まんと呼ばれた方が「少し高級なんですよ」という感じが出る。
食べたことはないが大阪551HORAI蓬莱や横浜江戸清の豚まんも豚まんのイメージアップに一役かっているのだろう。

みんな豚まんや肉まんの方が好きという。

でも僕はあの甘くてとろ〜りとしてホッカホカのあんまんが大好きである。

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