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映画“ナイルの娘”と小児科医

彼らなりの背景はあるが、社会的には何者でもない若者が何事を成すこともなく、サクっと現れてサクっと消えていく刹那的な物語。盛り上がるイベントがイベント然として描かれることも、物語の大きな流れに抗おうとする人物が描かれることもない。小さくて不幸な話。ドライといえばドライだけど、台湾が舞台のせいか湿気をたっぷり含んだドライって感じかな。ちょくちょく挟まる歌謡曲と見た目の昭和感に古臭さを感じるけど、それはご愛嬌。

台湾と日本が人も環境もすごく似ていてびっくりしました。昭和の日本映画を観ているような錯覚を感じます。レコード会社が出資し、アイドル歌手楊林(中国語版)(ヤン・リン)を主演に起用した作品とのことですが、「セーラー服と機関銃」、「時をかける少女」みたいなノリだったのかな。こっちの方が激渋だけど。好みは別れるかも。

母を亡くし、父は遠い町に暮らす孤独な少女、シャオヤン。彼女は「ナイルの娘」という日本の漫画に夢中。兄の経営するレストランで働くアーサンという男に想いを寄せる彼女だったが、ある日アーサンはヤクザの情婦と恋に落ちてしまう…。

Filmarksより


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