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「役職」ではなく「役割分担」〜組織をどう表現しよう〜
みなさん、こんにちは。みんなのコードCOOの杉之原と申します。みんなのコードでは業務執行責任を担っています。私はこれまで、ITベンチャー企業で組織の成長フェーズを経験してきました。
みんなのコードは、現在、50名程度(うち半分が社員)の組織規模です。これまで、阿吽の連携で事業運営が行われてきましたが、人数が増えるにつれて、組織のいろいろを言語化する段階にあります。
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みんなのコードには、 ”Project Code” という活動があります。「カルチャーを言語化したい」という思いから始まった取り組みでして、この活動の一環で、みんなのコードが考える「組織」について言語化する機会がありました。
前提の内容も多いかと思いますが、今日は、組織について言語化した内容をご紹介したいと思います!
新年度が始まり、新たな職場や役割での挑戦が始まった方もいらっしゃると思います。改めて、私たちのどのような仕組みの中で働いているかを見つめる時間になったら嬉しいです。
そもそも「組織」とは
そもそも、「組織」とはなんでしょう。
辞書的な意味を見てみます。
ある目的を目指し、幾つかの物とか何人かの人とかで形作られる、秩序のある全体。そういう全体としてのまとまりを作ること。また、その組み立て方。
少しアカデミックな定義を引用をすると、
「協働のために、意図的に調整された、複数の人間からなる、行為のシステム」のこと。
と書かれています。
ここで、「組織でない」とはどのような状態なのか、考えてみたいと思います。
前述の定義をひとつずつ裏返してみます。
「何かを一緒にやろう」と思っていない
ただ、ばらばらに行動している
そもそも集まりでない
役割分担がされていない
こういう集まりは、「組織でない」と言えるようです。
みんなのコードは、「子どもたちがデジタルの価値創造者となることで、次の世界を創っていく」というビジョンに共感し、そのために協働していこうと思う人たちが集まり、組織で動いています。
では、そんな私たちは、私たち(組織)をどのように「意図的に調整」していくのでしょう。
「価値」はどこから生まれるか
組織の型には、一般的に「ピラミッド型組織」と「フラット型組織」があります。
特徴は、ざっくり以下のとおりです。
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言うまでもありませんが、組織形態はビジネスモデル(お客様にどのような価値を提供しているか)によっても違うもので、どちらが良いとか悪いとかではありません。
さて、みんなのコードは「フラット型組織」に近い組織ですし、今後もそうありたいと考えています。
なぜか。理由を考えてみます。
私たちは、社会に価値を提供するために事業活動を行っているわけですが、その「価値」は「誰が」発見するものなのでしょう。
組織あるいは事業は、誰かが感じた価値やよろこびから始まります。そのうち、その提供価値をより広げるためにプロジェクトが増えたり、関連するステークホルダーが増えたり、そして、集まったメンバーが協働するために組織化されていきます。
みんなのコードのステークホルダーは多岐に渡ります。
働くメンバー
先生、子ども、先生、保護者、地域の方々
学校・行政・アカデミア・政治家・メディア etc.
関係者が増えていく中で、日々、新たな「価値」を発見して事業活動をより良いものにしていくのは、私たちひとりひとりなのではないでしょうか。
みんなのコードは、「ステークホルダーと向き合うひとりひとりが価値や課題に気づき、事業活動をより良いものにしていく」という観点で、フラット型に近い組織になっています。
そのため、ミッションや目標は、上から与えられるものではなく、一緒につくっていく性質が強くあります。もしかしたら、そういう事業のフェーズ、とも言えるかもしれません。
どう「組織」を表現するか
ここからは、その価値を生み出す「組織」をどのように表現するかを考えてみます。一般的には、組織の仕組みを「体制」や「組織図」のような形で表現します。
そもそも、「体制」はビジョン・ミッションを実現するための手段です。社会は変わっていくものですし、私たちが提供する価値の深度も変わっていきます。実現の筋道が変われば、体制も変わります。
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ステークホルダーに提供する価値が変われば、それを実現するための体制も、ひとりひとりに期待される役割も変わっていきます。そういうものです。
みんなのコードには、「体制」を表現するものとして「組織図」と「役割分担表」があります。
組織図
みんなのコードの「組織図」は、「部署編成」を表します。そのため、部署名だけが記載されています。
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役割分担表
そして、「組織図」とは別に、バイネームが入った「役割分担表」をつくっています。
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一般的に言う「組織図」に近いかもしれませんが、これを「組織図」とは呼びません。
理由は、
いわゆるピラミッド型組織的な「役職」を表現したいわけではないからです
「役職」ではなく、「役割分担」と捉えたいからです
「上司」「部下」ではなく、「ひとりひとりが、ある領域でリーダーシップを発揮する組織」でありたいからです
そのため、役割名はどの階層も「リーダー」「メンバー」としています。
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たとえば、私は、メンバーとしても名前が入っています。これにより、たとえ役職者の私がプロジェクトに参加していたとしても、意思決定者はリーダーであることを明確なメッセージとして表現しています。
以上、改めての部分も多いかと思いますが、みんなのコードの場合は、「ステークホルダーと向き合うひとりひとりが価値や課題に気づき、事業活動をより良いものにしていく」という観点で、フラット型に近い組織運営をしたいと考え、このように表現しています。
皆さんの組織はいかがでしょうか?
ここまでお読みくださりありがとうございます。
みんなのコードは、「子どもたちがデジタルの価値創造者となることで、次の世界を創っていく」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小中高でのプログラミング教育等を中心に、情報教育の発展に向け活動し、多くの方からのご支援をいただきながら取り組んでまいりました。
私たちの活動に共感いただき、何かの形で応援したい、と思ってくださった方は、みんなのコードへの寄付をご検討ください。
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