憂(う)かりける今の身こそは先の世と思へば今ぞ後の世ならん
「日新公いろは歌」とは、島津家中興の祖で、島津義弘の祖父でもある島津 忠良(ただよし)(号は日新斉・じっしんさい)が、5年余の歳月をかけ完成させたという薩摩藩の「郷中(ごじゅう)教育」の基本の精神となったといわれる47首の歌です。義弘も多大な影響を受け、その後も薩摩武士、士道教育の教典となったこの「日新公いろは歌」は現代の私たちにも通じる多くの示唆を含んでいます。
憂鬱な今の世に生きているこの身の上は 前世の行いの報いであると考えるならば
今の世で行うことも 後の世の報いとなるであろう。