中村主水

私的必殺シリーズ仕置烈伝⑤中村主水(必殺仕事人ほか)

今回は”必殺の顔”中村主水のご紹介です。中村主水とは、本名・中村 主水佑 玉五郎(なかむら もんどのすけ たまごろう)といい、いわゆる必殺シリーズに登場する、故・藤田まことさんが演じられた架空の人物です。小説などの原作を持たないテレビ番組オリジナルのキャラクターでもあります。

第2作「必殺仕置人」の初登場以来、第31作「必殺仕事人2009」まで、シリーズの半分を超える16作にレギュラーとして登場し、その他のシリーズでも「助け人走る」や「必殺剣劇人」にもゲスト出演しました。公式にも「必殺の顔」と称されるなど、シリーズを通して活躍しています。

中村主水は典型的な「昼行灯」として江戸中で知れ渡っている北町奉行所の定町廻り同心ですが、裏の顔は晴らせぬ恨みを金銭で晴らす殺し屋としての顔も持っています。

仲間からは主に「八丁堀」と呼ばれ、苗字や名前で呼ばれる機会は少ないのも特徴です。殺し技は、手持ちの刀を用いた剣術で、その腕前は超一流です。

劇中の描写や設定によると奥山神影流、御嶽新影流、小野派一刀流、一刀無心流の免許皆伝で、心形刀流の心得もあるらしいです。寺子屋では一番の腕前であったとも語られ、奉行所内では五本の指に入るといわれています。

仕掛人の西村左内とは異なり、状況に応じて様々な剣技を披露し、単に斬り掛かるだけでは無く、親しげに話し掛けて相手の油断を誘うセコ突きもします。

しかし、先ほども述べたように主水は奉行所では昼行燈を装い、剣の腕前を周囲に隠しており、奉行所での剣術の稽古や試合などでもわざと負けたり、実力がないように見せるため、竹光を腰に差すこともあったりします。

後期必殺でより特徴的に描かれていたのが、恐妻家の一面です。元々世渡りが下手な上、やる気の無さゆえに奉行所での出世の見込みがないこと、主水自身の怠惰な生活態度から、家では妻と義母から疎まれ、陰に日向にいびられ続けています。

主水もまた、そのような態度で接する2人、特に義母に対しては相当に嫌気が差している様子がたびたび描かれています。もっとも、表に出さないだけで奥方とは深い愛情で結ばれており、それを示唆するエピソードも劇中に数多く見られます。

へそくりが趣味で、袖の下や裏の仕事などで得た金銭を、家の様々な場所に隠している。それを必要な時に持ち出し、様々な用途に用いていますが、せんとりつに見つかり、生活費や遊興費に当てられてしまうことも多く、結局タダ働きになってしまうというのもオチとしてはよくありました。

長年必殺シリーズで中村主水を演じた藤田まことさんは、2010年2月17日に逝去されました。

これに伴い、藤田さんの追悼特番の意味合いも込めて制作された「必殺仕事人2010」では、番組宣伝や公式サイトで「追悼・藤田まことさん」や「“中村主水”に捧ぐ-」というキャッチフレーズが使用されています。

また、回想シーンでは早坂暁さんによる「必殺仕事人」のOPナレーションを引用し、哀悼の意を表しています。劇中では西方へ配置換えのため、家に置手紙と根付を残し、誰にも挨拶せず、主水は江戸を去っていったことになっています。

2010の主人公・渡辺小五郎は、置手紙を見つけた際に「必殺仕事人」の前口上を口ずさんだ上、仕事の際には主水の残していった十手を懐から覗かせた上で、悪人への止めに彼の技(刀で突き刺す)を使っています。


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 プロレス観戦記書き | せかぷろ | プロレス“ザ・モンスター”ハラダ
両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。

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