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安心してがんばるとパフォーマンス力の向上を両立する

”安心してがんばる”と聞くとどんなことを連想しますか。

厳しい勝負の世界で、極限まで心身を追い込み、すり減らしながら頑張っている人たちからは、そんなの「あまい」「ゆるい」「そんな状態で結果が出るはずがない」なんて言葉が聞こえてきそうです。

実際、わたしもそう思っていましたから、その言葉を真っ向から否定する気持ちはありません。

過去のわたしは、苦労して、苦労して、息継ぎもできないほどに張り詰めて、どんなに辛くても苦しくても頑張ったその先にしか、パフォーマンス力の向上はないと思っていたからです。

もちろん、そうして努力した先にも、ある一定のパフォーマンス力の向上はあると思います。

だけど、心のしくみを学び、自分自身の競技生活を振り返ったいま、そうした努力だけが、パフォーマンス力の向上につながるわけではないと思うようになりました。

”安心してがんばる”とは不安がまったくない状態でがんばることではありません。

不安になることがあっても不安になっている自分が自覚している。不安になることがあってもいいと心底思えるような状態でがんばっているということです。

不安になることがあってもいいと心の底から思えることは癒しです。

試合や練習の場面でよくあるような、緊張、パニック、恐怖、無力感、絶望感、、、。そのときあなたに起こっている自然な状態を、そうなんだねとただわかってあげる。

無理にいい状態にしようとしない。コントロールしない。圧をかけない。そのままのあなたをあなたが肯定している。

だから、緊張しているのに、パニックなのに、恐怖なのに、無力感を感じているのに、絶望感を感じているのに、安心しているのです。

人は、どんなネガティブな感情でも、その人に必要な分だけそれを感じ切ることができれば、いつかきっとラクになることができるのだと思います。

不安になるのはいけないんだと、不安になることを否定し、不安になっている自分を責め、コントロールしようとし、感じきることを邪魔するから、いつまで経っても不安がなくならなず、苦しいままなのです。

安心してがんばる、その先にパフォーマンス力の向上がある。そうしてまた安心してがんばることができる。その先にまたパフォーマンス力の向上がある。

こうした循環の中で、自分らしく輝くアスリートがふえることを願って、わたしは心理サポートをしています。




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