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必死に生きていた、あの頃の私へ
2024年は、「自分と向き合う」1年であった。
リハビリの日々がそうだったように、思うように動かない自分の好きではない部分を見つめなおす時間がとても多かった。
「私は前の私に戻りたいの」
「過去に戻ることはできないよ、前に進まなきゃ…」
7年ほど前の病室で、
姉との会話のやり取りをたまに思い出す。
スポーツというものは、勝負であるがゆえに自然と「前の私」と比べてしまう。「前の私」、つまり「手術前の何不自由ない健康な私」だ。
けれどそんな時に「前の私」に心から戻りたいのかと、改めて自分に問うと
そうでもないことが、現在の私の答えだと再認識する年であった。
手術後、話すことができなかった期間
動かせる指を使って、姉の手に文字を書いたりしていた。
寝たきりから歩くという挑戦は、普段感じることができないとてつもない重力を感じることができた。
毎日の「当たり前」にありがたみをたくさん感じた。
きっと「前の私」のまま
元気で生きていたらこんな気持ちも知らなかったのだろうと思う。
これまでの人生のすべての出来事が必然で、今の自分がいることに気がつく。
悩んでしまうとき、深呼吸をして
あの頃の私だったら、どう乗り越えるかと考える。
先の見えない道を必死に生きていた、あの頃の私を。
階段を上る速さは、みんな一緒とは限らない。
今、この瞬間を生きるんだ。
必死に生きていた、あの頃の私へ
これからも胸を張って生きられますように。