広島県の北、芸北でダイヤモンドダストが見られるまで
雪が降る
大陸からの寒気が日本海を超えて湿った空気を運んでくると、西中国山地に雪が降ります。上空に強い寒気が入ると、地表近くの空気が冷たくても相対的に温度差が大きくなって、夏と同じように上昇気流が生じます。そして、夏と同じように積乱雲ができて、雷鳴が轟き、雪が降りはじめます。ただ、雷が鳴るのは雪の降り始めだけで、寒波が吹き込み続けると、風は吹き続け、雪はどんどん積もっていきます。
晴れる
低気圧が去って、寒波の吹き込みが収まると、晴れた朝がやってきます。ただ、寒波が残した寒さだけではダイヤモンドダストはできません。降り止んだ翌朝の雪はサラサラで、足が埋まりながら歩くことになるけど、数日経つとポクポクしてくきます。昼に緩む、夜に冷えるを繰り返しながら、雪が締まってきます。
ダイヤモンドダスト
そしていよいよ、寒波が残りながら、夕方からスッキリ晴れた夜が来ると、放射冷却で朝に向けて冷え込みが厳しくなっていきます。朝の気温が-15度くらいにまで下がると、いよいよダイヤモンドダストが発生します。光が抜ける日陰を見ると、大気中の水分が凍ってキラキラしている様子が見られます。
しっかり冷え込んだ朝は、地面の上にも凍った水分がサラサラと降り積もっていて、霜が伸びています。乾いた空気を抜けた光を氷の粒が反射して、赤、オレンジ、緑、黄色など、雪原に七色の光の粒が散らばって見えます。
寒気を吸う
2021年のダイヤモンドダストは大寒の朝でした。雪が続く冬にも、一日ごとに違う空気を吸い、違う雪を眺めています。