認定こども園の職員資格。5年延長を検討(日経新聞)
2023年10月19日の日経新聞より。
認定こども園で働く職員は、原則、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方が必要です。現在どちらか片方を持っていれば勤務を認める特例を設けていましたが、その特例期限を令和6年度末に迎えます。
本課題における専門委員会の資料に沿って解説します。
①認定こども園での資格特例措置の5年の延長を検討
幼保連携型の認定こども園で働く人は、令和4年度で全国におよそ15万人。うち特例に基づき働く人が全体の8%程度おり、措置がなくなると1万2,000人が働けなくなります。
◆63%は今後併有する予定なし
期限の切れる令和6年度末までに、「幼稚園教諭免許及び保育士資格の併有する予定なし又は未定」と63%が回答しているため、下記の措置を検討。
園管理者に併有促進に向け、施設監査の確認内容に追加
保護者に各園の保有上状況を都道府県が公表
主幹保育士、指導保育教諭の役職に就くことを制限
◆合計15年の特例期間って?
更に5年の延長されることとなれば、合計で15年も特例期間が続きます。人間でいうと、生まれたての0歳児が、高校1年生になってしまう期間です。義務教育が終了し、R-15指定の映画が見れるようになって、江戸時代なら元服です。
免許資格の併有って意味があるんですかね?
②保育士の地域限定採用の全国拡大
◆誰が行うのか?試験の質は?
通常の保育士試験のみでは保育士が足りないと見込まれる場合のみ実施することができる試験にするか?
都道府県知事が認める場合のみ実施するか?
都道府県が同意する場合のみ、指定都市を実施主体とするか?
登録から3年ではなく、一定の勤務条件を満たした場合のみ全国勤務できるようにするか?
指定試験機関を通常保育士が「一般社団法人または一般財団法人」の限定に対して、この制度では株式会社等の「法人」とするか?
試験の質に対して、地域間の難易度調整を検討すべきか?
◆通常試験を3回行うという選択
1~3および5については、どの地域で誰が行うのかの議論です。
4については、保育士として働くことではなく、資格取得を目的とした受験者のために追加コストをかける意味があるのかという議論。
6は、保育者確保のために、試験の難易度を下げてしまうことがあるのではないかという議論。
そもそも、2次の実技試験の合格率は高いため、通常試験を年3回にして(3回目は任意開催)、全国統一の試験内容にする。そうすることで、地方限定保育士試験を実施する自治体の負担は減り、試験難易度の均一化が図ることができる。実施主体を市区長村まで拡大し、それぞれの自治体で判断するという形で地域の細かな需要に対応していく。
こんなアイディアはいかがでしょうか?
以前の記事も勤務する保育士を増やしたいのであれば、下記の記事も参考にしてください。
③養成校の入学要件の見直し
「指定保育士養成施設の入所要件に、児童施設以外とされる認可外保育施設、幼稚園での勤務経験を追加してはどうか?」という議論。
要するに、養成校への入所要件を保育士試験と同等にしたらいいんじゃないかという話です。
この対策で、増える人はどれくらいいるのでしょうか?
そもそも、養成校でも、大学や短大に入学するには、高卒相当の資格が必要なので専門学校での入所のことになります。
そのため、中卒で保育の専門学校に入学できるようにしてみてはとのことです…。
話は変わりますが、この高校は、全国に2校だけある保育士資格を取得できる高校です。入学資格は、高校卒業だそうです…。
もう、いっそのこと保育士試験の受験資格に、高卒の方の実務経験を外してもいいんじゃないですかね。