神話に学ぶ
ギリシャ神話でタンタロスという王が登場するのですが
神ゼウスのお気に入りの息子で、人間でありながら、
神々しか飲むことを許されぬ神酒や、
食べ物を食べることを許され、不死の体を得ていたのです。
強大な富を持ち、傲慢なふるまいをしていたタンタロスは、
愚かな罪を犯してしまいます。
永遠の命を持たない人間に、神々の酒や神々の食べ物を
与えてしまったのです。
神々はこのことを知り、口々に怒りを唱えました。
そこで、タンタロスは、罪に対する懺悔をする振りをして、
神々を饗宴に招き、自身の息子であるペロプスの体を
切り刻んで調理して、神々に食べさせてしまったのです。
このことに激怒した神々は、残酷な罰を思いつきます。
タンタロスは冷たい清浄な水中に鎖でつながれました。
そして、その罰は永遠に続くのです。水を飲もうとすると
水はスッと引いてしまい飲むことができません。
頭の上にはイチジクや洋ナシ、ザクロの実が誘うように
ぶら下がっているのですが、手を伸ばして
取ろうとすると、すべてが消えてしまいます。
この残酷な状況の中で、タンタロスは狂ったように
空腹と渇きに苦しみますが、満たされることはありません。
彼は自らの傲慢さによって、自らの欲望が決して満たされることのない状態へと、自らを追いやることになったのです。
私たち人間の欲望も、同じく満ち足りることはありません。
タンタロスのように、さまざまな誘惑に晒されながら、
自らの欲求を追い求めては、満たされずに苦しんでいます。
老子の言葉に『足るを知る者は富む』というのがあります。
人間の欲望にはきりがないが、欲深くならずに
分相応のところで満足することができる者は、
心が富んで豊かである。という意味です。
今の幸せに気付く事ができて感謝の気持ちが大きくなれば
大きくなるほど、より幸せを感じられるのです。
満ち足りた幸せを感じたならば、心から感謝して
今の幸せを十分味わってください。
どれだけ、思い通りになっても「足るを知る」ことを
心に刻んで注意しないと、全てを失うことになってしまう
と言う例え話ですね。
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